《ふたりごと》2020.05.13(wed)こども
今日夢に出てきてまで叱ってくれたあなたは、一人きりで山に登っていた。
その痩せた猫背とバレッタで留めた髪に触れたいと思った。
名を呼ばなくても振り返る、眉をひそめて口を結んだその顔を、
わたしはよく知っている。
けれどそれは太陽の光がまぶしすぎたせいかもしれない。
たったひとり、
ひとりきりで目を覚まし、バナナと小松菜をミキサーにかけた。
ひとりきりでランドリーへ向かい、回転する衣類を眺める。
お金さえあればわたしだってひとりきりで生きていけると思う。
生きていけるけど、それでも、
ひとりきりのわたしは、洗濯機を持っていない。
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