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DTMやると、聴くのも楽しくなる

副題:「好き」「興味なし」に続く第三極「好きじゃないがイケる」の誕生(大げさ)

DTM前とDTM後

まずはこちらをお聴き下さい(時間がない方は、0:28あたりからのシンセのフレーズだけでも聴いて頂けるとありがたい)。

カーリー・レイ・ジェプセン(Carly Rae Jepsen)のメガヒット・ナンバーです。
リリースは2011年。火が点いたのは2012年で、それはもう世界中でかかりまくっていました。
日本でも色んな所で流れてましたね。

なんですが。
大ヒットしていた当時、僕はこの曲に全く心惹かれず、「なんでこんなにヒットしたんかね。俺にはよくわからんな」と、玄人気取りで華麗にスルーしていました。

それから数年後、とある外食チェーンにて

Call Me Maybe の大ヒットから◯年後。
僕は第三期DTM期に入りました。
それぞれ半年足らずくらいで放り投げてしまった過去2回に比べれば、(飽きっぽい性格のわりに)まあまあ続いていると思いますし、吸収した技術や知識は比較にならないほど、今の方が充実しています。
(まあ第三期突入以前は、リバーブとコーラスの違いが分からないレベルだったので、伸びしろだけは存分に残っていました。今後は…どうだろう)

さてと。
とある夏の日(だったかな)。
某外食チェーン店にて、カツ定食だか何だかをモリモリ食べていた時です。

店内にこの曲が流れてきました。
「お、懐かしい」くらいは思いましたが、特に気に留めることもなく、スマホでTogetterを眺めながら口をもぐもぐ動かしていました。

そして、先述の0:28です。

「な、なんやこのシンセの音! 気持ちえええええ!」

と、天井に向かって叫んだとか叫ばなかったとか。
とにかく、それくらい驚きました。
それまで脳内をスルーしていた曲のワンフレーズが、心にぶっ刺さりました。

おそらく、ですが。
DTMをやっていなかったら、「シンセの音が気持ちいい」という感覚は生まれなかっただろうし、ましてや「この音、どうやって作るんだ?」という疑問など浮かばなかったと思います。

これは、僕にとってちょっとした事件でした。

そして、聴くことが楽しくなっていく

僕は片道30分くらいを毎日車で通勤しています。
その間、カーステレオで音楽ガンガンかけています。

好きなプレイリストばかり聴いてたら飽きるので、時々、ストレージ内の約10,000曲をオールシャッフルします(サブスクサービスに入ってると、曲数だけはガンガン増えますよね)。

ここでもまた、「DTM後」に起きた変化があります。

体感ではありますが、「この曲、好きじゃない。飛ばそ」とスキップすることが減りました、それも格段に。

理由は明確です

例えばこんな感じです。

それほど好きじゃない曲が流れてきても、

「むう、サブベースを普通のベース的に使ってる。面白いな」とか。
「間奏だけ転調して歌パートは戻すのか。これもアリだな」とか。

逆パターンとしては、
「リマスター版のこれ、やたらハイハットがチキチキうるさいぞ。やりすぎやん。誰やこの名曲を汚した(自粛)」なんて感想とか。

「DTMにのめり込む前は気づかなかった音、グルーブ、技術等などが、自分なりに分かるようになった」

これが、音楽を聴くことがより楽しくなった理由です。

副題に書いたとおり、それまで「好き」「興味なし」の基準しかなかったところに、「好きではないが興味はある」または「好きではないがイケる」という第三の視点が誕生したわけです。

先日はこういうこともありました。

1993年リリースのビリー・ジョエル(Billy Joel)のアルバム River of Dreams 収録曲です。シングルカットすらされていません。
たぶん一度聴いて(ひょっとしたら聴いてないかも)、長いことストレージの肥やしになっていた曲です。

これがカーステレオから流れてきた時、思わずボリュームを上げました。
その時の僕は、たぶん車内で頭をブンブン振っていたと思います。

物凄く印象的なサビやフレーズがあるわけではありませんが、とにかく音のバランスが素晴らしい。
どの楽器もきっちり聴こえるのにケンカしてないし、ソロがないパートでも、それぞれに見せ場的な艶のあるフレーズがある。
音圧マシマシに慣れた耳も十分に満足させるボリューム感、なのに大音量で聴いても一切疲れない。

 マスタリングの技術、ってのは、こういうことか!

とうなりました。
今から30年近く前の楽曲なのに、音像としても十分に今の楽曲と勝負できるんじゃないか、と思いました。

注:あくまで素人の感想です。プロのサウンドエンジニアが聴いたらまた違う感想になるかもしれません(あと、YouTube版なので当然音は劣化してます)。

まとめ

というわけで。

別に「音楽と違う向き合い方がしたい」など崇高な理念を持って、DTMを再開したわけじゃありませんが、結果、音楽を聴くことがより楽しくなってきました。

「どんな世界も、眺めるだけじゃなく、実際にやってみると違う面白さがある」とはよく言われますが、音楽に関してもしかり、と思った次第です。

最後まで読んで頂いて、本当にありがとうございました。


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