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【組織課題】アーリーベンチャーでの人事評価軸作成手順を公開!

簡単に自己紹介から。

僕は2017年4月に株式会社ポテンシャライトというベンチャー企業に特化した採用コンサルティング企業を設立しています。現在まで約75社程度の採用支援をしていました。75社のうち40社ほどが30名以下の企業様だったりします。

業務領域としては、採用活動については全てです。

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こちらがサービス内容です。採用の入り口から出口まである程度網羅しています。こちらをベンチャー企業様向けにパッケージ化して提供している企業です。ここ最近だと、サービス内容が広がってきていて、

 ・エンゲージメントコンサルティング
 ・オンボーディングコンサルティング
 ・求める人物像策定
 ・理念、ビジョン策定

なども担当しています。そんな中、こんなご意見を頂戴することが多くなってきました。

「山根さん、人事評価制度ってどう作れば良いのでしょうか?」

ん、なるほど。そうですよね。社員が多くなってくると人事評価制度は必須ですよね。僕も過去、作成においてお客様のお手伝いをしたことはありますが意見をしたくらいで、他社の事例は知っていますがゼロから作った経験は薄かったのです。

ということで、自社(ポテンシャライト)の人事評価軸を作成してみました。その手順がベンチャー企業様の参考になれば、と思いましてこちらアップしてみます。ちなみに人事評価軸は職種によって異なるかと思うのですが、今回アップするのはどの職種も横断で必要となる「ヒューマンスキル」についての評価軸策定のお話です。

では、進めます。

◆人事評価軸(ヒューマンスキル)の策定手法

 (1)自社で働く上で必要となるヒューマンスキルをたくさん挙げてみる
 (2)挙げたスキルをカテゴライズしてみる
 (3)カテゴライズされたものに名称を付けてみる
 (4)カテゴライズを更にカテゴライズしてみる
 (5)カテゴライズをされたものがなぜ必要なのか注釈を書いてみる
 (6)カテゴライズされたものを5点満点で人事評価する場合、各点数がどういった状態なのかを考えて文言化してみる
 (7)実際に社員を評価してみる
 (8)評価してみた際に違和感を感じた文言を修正
 (9)完成

策定手法としては上記の通りです。では、1つずつ見てみましょう。

(1)自社で働く上で必要となるヒューマンスキルをできるだけ挙げてみる

まずヒューマンスキルというのは職種関係なく普遍的な性格のようなイメージ。例えば、謙虚さ、スピード、粘り強さ、などです。会社はそれぞれ文化があるので求めるヒューマンスキルには違いがあります。また事業内容や顧客属性によって求められるものは変わりますよね。

ポテンシャライトは採用コンサルティングを行なっているのですが、僕ともう一人の社員で求められるヒューマンスキルをできるだけ挙げてみました。

 真面目さ
 素直さ
 やり切り度
 タスク処理能力
 スピード
 作業ではなく仕事力
 言葉遣い
 明朗さ
 文句を言わず改善マインド
 礼節
 理解力
 向上心
 コミュニケーション力
 ロジカル力
 文章力
 仕組み構築力
 質問力
 空気よめる力
 分析力
 コスト意識
 成長意欲
 うそをつかないか
 施策立案力
 問題解決力
 第三者視点
 認められるか(できないことをできないと言えるか)
 チームで動けるか
 バカになれるか(カッコつけないか?)
 発信できるか
 ユーザーファースト
 謙虚さ

「何が必要なのかな?」とブレストして31つピックアップできました。たくさん出たなーと思ったのですが、ここでたくさんピックアップする秘訣を2つご紹介。

 ・社内で活躍している人はどのようなヒューマンスキルを持っているか
 ・仕事をする上で自分(社員)に足りないヒューマンスキルは何か

この2つの視点で考えてみるとけっこう出てきます。

(2)挙げたスキルをカテゴライズしてみる

先ほどピックアップした32つのスキルをカテゴライズしていきます。

 ①発信できるか、成長意欲、向上心
 ②真面目さ、素直さ、謙虚さ
 ③チームで動けるか、ユーザーファースト
 ④第三者視点、バカになれるか(カッコつけないか?)
 ⑤コスト意識
 ⑥施策立案力、問題解決力、分析力、仕組み構築力
 ⑦理解力、コミュニケーション力、ロジカル力、質問力
 ⑧言葉遣い、明朗さ、礼節
 ⑨スピード
 ⑩うそをつかないか

10つにカテゴライズしたのですが、スキルの合計数は24。最初にピックアップした個数は31だったのですが、7つしっくりこないのは削除しました。こうやってまとめてみるとわかりやすいですね。

(3)カテゴライズされたものに名称を付けてみる

上記(2)でカテゴライズができました。ただこれだとわかりにくいので、カテゴライズされたものに名称をつけてみましょう。

 ①主体的な向上心/成長意欲
 ②真面目さ/素直さ/謙虚さ
 ③チーム意識/利他主義
 ④タレント主義
 ⑤コスト意識
 ⑥課題解決力/仕組み構築力
 ⑦コミュニケーション力
 ⑧礼節・品格
 ⑨スピード
 ⑩うそをつかないか?

少し整理できてきました。文言が2つ羅列している項目もありますが、無理やりまとめるよりはあえて文言を残した項目もあります。少しまとまってきました。

(4)カテゴライズを更にカテゴライズしてみる

上記(3)でカテゴライズをわかりやすい名称にしました。この10つに分けたカテゴライズを更にカテゴライズできないか考えてみました。すると、

◆マインド系
 ①主体的な向上心/成長意欲
 ②真面目さ/素直さ/謙虚さ
 ③チーム意識/利他主義
 ④タレント主義
 ⑤コスト意識
◆身につけてほしい能力系
 ①課題解決力/仕組み構築力
 ②コミュニケーション力
 ③礼節・品格
 ④スピード
 ⑤うそをつかないか?

この2つに分けることができました。「マインド系」というのは社会人経験は関係ないものです。マインドという名称の通りそういった気持ちを持っているのか?というもの。「身につけてほしい能力系」というのはヒューマンスキルにおいて向上していく余地がある能力。

※今回はこの部分をササッと流してしまったのでもう少しカテゴライズできるかもしれません。

(5)カテゴライズをされたものがなぜ必要なのか注釈を書いてみる

カテゴライズをした10つの項目ですが、名称はできましたが初めてこの名称を見た方は何を意味するのかがわかりません。ですので、注釈を書いてみることにしました。

 ◆マインド系
 ①主体的な向上心/成長意欲
  ー与えられているだけだとダメで、研修だけでていてもダメ
  ー人材業界のプレイヤー(社員)の中では常にトップクラスの向上心
 ②真面目さ/素直さ/謙虚さ
  ー今ある知識や経験がすぐに錆びれないようにする
  ー誰にでも教えを乞えるかどうか?(自分よりある部分においてプロ
   フェッショナルなことはあるはず)
  ー自分の力ではなく会社の力で受注が入っているのに、そこに驕りが
   ないか?
 ③チーム意識/利他主義
  ー1人で完結する仕事は、人材業界の会社の中でも極端に少ないため
  ーお客様もチームとして考えてることができているか?
  ー自分の利益よりも他の人の利益を選ぶことができる勇気があるか?
 ④タレント主義
  ーポテンシャライトの看板がなくても活躍することができるように
   なる姿勢があるか
 ⑤コスト意識
  ー必要なコストは賛成、不必要なコストや努力をすれば削ることが
   できるコストは削減できる人材であるか
◆身につけてほしい能力系
 ①課題解決力/仕組み構築力
  ー今あるノウハウはすぐに錆びれるから、現状に不満(課題)を持つ
   ことが大事
  ーポテンシャライトがコンサルティング会社だから
  ーお客様が課題が何かわかっていないから
  ー100の期待を120で返すために自ら課題設定をしなくてはならない
  ー次同じ仕事をする人のために、繰り返し作業が発生しないように
   仕組みを作れるかどうか
 ②コミュニケーション力
  ーインプット:相手が言いたいことを即時に察知できるか/解釈
         できるか
  ーアウトプット:端的に説明をすることができるか
 ③礼節・品格
  ー誰にでも不愉快に思われないような言い方ができるか
  ーベンチャー企業だからこその言葉遣いができているか
 ④スピード
  ー技術がなくても勝てるから(スピードもスキルだから)
  ースピードが速い人は大体仕事ができるから
  ー顧客としているベンチャー企業のスピードが速いから
 ⑤うそをつかないか?
  ー自分に対して、相手に対して嘘をつかないか?
  ー嘘は癖になり、結果的に自分を追い込むことになるため嘘は
   ついてはならない。

注釈を書くと各項目が定義づけされますね。どんな意味なのかが明瞭になってきます。だんだん形になってきました。

(6)カテゴライズされたものを5点満点で人事評価する場合、各点数がどういった状態なのかを考えて文言化してみる

各項目の定義が決まりましたが、この項目がどのような状態になっていると人事評価としては「良いor悪い」のか、という基準がなければなりません。上記の10項目を5点満点で人事評価をする場合に、1〜5点がどういった状態なのかを文言化してみました。

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社内用語もありますが、ポテンシャライトとしては大事にしたいヒューマンスキルについて、各点数の説明はこういった内容で定義しています。この内容は現社員に対して明言していることばかりですので、納得感はあるかと思いますが、文言化したことによってどのような状態がベストなのかを理解してもらいやすくなります。

(7)実際に社員を評価してみる

この項目に沿って実際に社員を評価してみます。ちなみにこの評価軸に従って、「上長評価」と「自己評価」の欄を作成します。下記のイメージです。

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ですので、該当社員にも評価を記入してもらいました。

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ポテンシャライトの場合は各項目における点数の定義が厳しい内容になっているので、「1点」となってしまうことも多数あります。今回の場合は19点でした。そして、それを踏まえて上長(今回は山根)が評価してみる。

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上長評価と自己評価は同じくらいでしたね。今回回答してもらった社員は僕の隣でいつも仕事をしているのでそこまでズレなかったのかと思います。

(8)評価してみた際に違和感を感じた文言を修正

点数を記入(評価)している時にこんなことがありました。

 「あれ、この項目の2点と3点の定義の違いがわからない」
 「この項目、4点よりも5点のほうが難易度低いですね」

実際に評価をしてみると違和感がある部分がいくつかありました。違和感を感じた部分は文言の修正をかけました。今後も社員から質問がくることもあるかと思いますが、その都度修正していきたいと思っています。

(9)完成

完成になります。


作成後記

ポテンシャライトでベンチャー企業の選考における「求める人物像策定」サービスをしていたので、人事評価軸も近いものがあるな感じました。人事評価をするにあたり重要なのは、ポテンシャライトとしてどういったヒューマンスキルを持った人材が「良」とされるのかのペルソナを作る事だと感じました。

今回も10つのカテゴライズができましたが、この10において5点を獲得できる社員が1人でも多く生み出すために代表である僕のアクションも決まるでしょうし、今回評価軸を作ったことによって、僕(代表)が何を考えているかを社員は理解できるでしょうし、作って良かったなと思いました。

最後に

アーリーベンチャーのタイミングで人事評価軸(ヒューマンスキル)を作成すると、全社員で「こういった人材が"良”とされる」と共通認識が取れますし、何より面接での評価軸も決まってくるかと思うのでオススメです。

こちら、人事評価軸策定サービスを2019年3月まではかなり安価で提供しますので、お気軽にお声がけください!

こちら(山根facebookよりメッセージを) こちら よりご連絡ください。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました!

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今後も採用/人事系のアプトプットを続けていきます。
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