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コミュニケーションの「コスパ」。意識していますか?

皆さんコミュニケーションのコスパ(コストパフォーマンス)を意識されていますでしょうか?

「コスパ」という言葉は買い物をするとき/飲食店に行った時に使うことが多いかと思います。コスパとは、金額に対しての満足度と表現をするとわかりやすいかもしれませんね。

では、「コミニュケーションのコスパ」とは何でしょうか。簡単に説明すると、どれだけ短い時間にどれだけわかりやすく説明(コミュニケーション)をとることができるか、と言う概念です。

例をあげましょう。

①自称コミュニケーション能力が高いA君 28歳
②自称コミュニケーションに苦手意識があるBさん 26さん

A君は営業出身。どんな質問をしてもすごい量の話をしてきます。こちらが求めている以上のことを話をしてくれるので良い部分もありますが結論がブレます。一つ質問をすると3分程度をかけて回答をしてくれます。

Bさんは営業事務。ただ元々営業出身だっただけに現場のこともわかる方。何か質問をしたときは単語で返答がくる。質問をした側からすると「それは足りないんだよな」と思うこともあれば「あ、そうなの、ありがとう(理解)」と終わることもある。Bさんの返答はいつも10秒程度。

AさんとBさんに同じ質問をしてそれぞれ返答をしてもらったと仮定しましょう。コミュニケーションのコスパを計算してみると、

Aさん:180秒
Bさん:10秒

つまりAさんとBさんでは18倍異なります。下に細かく記載はしていますが、何を質問したかによって10秒では回答できない質問もあるかと思いますし、逆に180秒も必要ではない回答も多いかと思います。それは置いておいて、Aさんは18倍も時間がかかるんです。

この18倍が1日10回もあれば、180倍時間がかかることになります。これは本当に死活問題なのです。そうなるとAさんに質問をするのは必然的に避けるようになりますし、逆にAさんからの質問も避けがちになります(Aさんは質問をしてきても結局自分が話す量が多い、結果質問をされたのに「聞く」ことになる)。

当社ではこのコミニケーションのコスパをすごく重要視しており、仕事の話をする際に極力「雑音」は排除するようにしています。

どんな企業様も若手社員に対して「結論から言って」と言う注意が飛び変わっているかと思いますが、これもコミニケーションのコスパを重要視した上での注意かと思います。僕が今申し上げているコスパと言うのは、この「結論から言って」が最低限のレベルであり、それ以外にも下記を重要視するようにしています。

いくつかご紹介します。

(1)質問への回答

僕(経営陣)からメンバーに対して質問する場合、「拡大質問」と「限定質問」を分けてするようにしています。拡大質問とはその名の通り「これ、どうだったっけ?」「昨日のミーティングについて教えて?」という類の質問です。つまり、はい/いいえで回答することができない類の質問です。「説明」をすることが求められます。
一方で「限定質問」というのは、はい/いいえ、もしくは単語で回答できる質問になります。例えば「先方(顧客)の意見はポジティブなんだっけ?結果的に、今状況としては悪いのか?」という類の質問です。限定質問は、単語ベースで回答してほしいという意図が強く、その背景や理由を長く述べることを求めている事はそんなに多くはありません。
にもかかわらず、結論を話さずに背景や理由を1分程度話してから最後に結論を話す方がいらっしゃるのですが、これは聞き手からすると圧倒的にコスパが悪いです。返答が2秒で完結するにもかかわらず60秒かかってしまう。30倍の時間を無駄にすることになります。これを理解していない人が多すぎます。
逆に拡大質問については限定質問と比べて回答することがやや難しいです。どのルートで回答すれば良いのか、相手の距離感を図らなければならないのです。ただ、拡大質問についても検討質問と同様で、「相手が何を求めているのか」を頭をフル回転して察知し、なるべく端的に答える。くどい説明はそこまで求めていないことが多いです。

※ここ最近のビジネスの風潮として、マネージャーは「傾聴をしよう」とメディアや本に書いてあることがありますが、僕はこれに対して賛成/反対の意見を両方持っています。
なぜならば、コミニケーションのコスパが悪いメンバーがいるのであれば注意するのが礼儀です。もちろん頭ごなしに注意するのはよくないですが、お客様の前でも同じようなコミュニケーションのコスパになってしまうのです。お客様からしても不快かと思います。傾聴と言う意味を履き違えないように個人的にも注意しています。

(2)話を端的にまとめるか、話のスピードを上げるか

話を端的にわかりやすくする能力は社会人になってから後天的に身に付けるのではありますが、感覚的に30代以降になってからコミュニケーションの基礎を学んでいくのはかなりの覚悟が必要なイメージです。つまり、吸収力が起因してうまく表現することが難しくなるケースはあります。
そこで、話を端的にまとめることが大事である一方で、ついつい長く話してしまいがちの方は、「話すスピード」を上げて物事を伝える事は良いと個人的には思っています。
もちろん話すスピードが速すぎて相手が理解してもらえなければ意味がありませんが概ね話すスピードも速くかつわかりやすく物事を伝えられているのであれば、それはコミニケーションのコスパが非常に高いです。

個人的な話をすると当社のウェビナーは約1時間の間にものすごくたくさんの情報をインプットしていただくようにしています。総じて僕の話すスピードはおそらく早いほうだと思います。ただ、あのインプット量を一般的な話すスピードで伝えていくと時間オーバーになってしまいます。話すスピードをゆっくりにしてわかりやすく伝えるというやり方もあるかと思うのですが、それだと僕が伝えたいすべての内容を伝えることができません。
この両者を得るのであれば、「端的にわかりやすく」かつ「話すスピードを上げる」この2つを網羅する必要があります。逆に話すスピードを早くわかりやすく伝えられればコミニケーションのコスパは一気に上がっていきます。

(3)拡散なのか、収束なのか

コスパの話をたくさんしましたが、とにかく端的にわかりやすく説明するだけの場のみではありません。
例えば、新しい企画案をメンバー同士で練る際は意見を出し合う必要があります。自分の意見がまとまっているからこそ端的にわかりやすく物事を伝えることができるのですが、何か新しくアウトプットをする際は頭の中にきれいに情報がまとまっていないかと思います。
つまり、まだ答えがないものに対してのミーティングは「拡散」をする必要がある、この拡散フェーズにおいてはコスパを強烈に意識する事はしなくても良いでしょう。
「収束」のフェーズにおいては、話を整理する必要があるためこれはややコスパが必要になります。そのため、コミニケーションのコスパについてはTPOを理解し使い分ける必要があります。

(4)メンバーから上司/経営陣に対してはなるべく「自分の意見」+「限定質問」

誤解がないように申し上げると、1on1ミーティングではこれは当てはまりません。今回のイメージとしては業務時間内の忙しい時間の中での質問とご認識ください。
これは当社以外にもこういった思想の企業は多いかと思いますが、メンバーからの質問を受ける際は必ず「自分の意見」を述べてもらうようにしています。上司/経営陣はおそらく概ねどんな質問に対しても答えを持っています。その答えを即答した方がコミニケーションのコスパは良いのですが、ただ答えを教え続けているだけだと、メンバーが「思考」をする癖が身につかないですし、別の問題点を自分1人で解決することができなくなります。
そのため、この(4)で言うコミニケーションのコスパというのは、最低限自分の意見を持ってくること。その上でこれは間違ってるか合ってるかの質問をすること。そうすれば回答する側からすると単語で回答することができます。これはコスパが非常に上がりますし、ただメンバーの意見が間違っているのであればそれを修正する必要があります。

(5)論破をしても生まれるものは少ない

ミーティング時や朝礼、メンバー同士の話し合いなど様々な機会でコミニケーションは多いでしょう。
コミニケーションに置いて「論破」をして満足をしてしまう方は稀にいらっしゃいます。これはコスパが非常に悪いです。なぜなら論破をされる側は途中で議論を諦めてしまうケースが多いです。結果的に論破する側の意見が尊重されることが多いですが、ロンパは話している時間も長いですし、かつ本質的に話を聞いている側それに賛同してうなずいているわけではありません。
そこで何か決定事項があるかもしれないのですが、それは全員が納得してる意見ではないことが多かったりします。ここは注意しましょう。


いかがでしたでしょうか?

ポテンシャライト が設立してから約3年半経過しましたが、設立後2年以内くらいはコミュニケーションにおいてはハードマネージメントをしていました。朝礼では全員話す機会を設定し、少しでもコミュニケーションギャップがあるとその場で叱責(注意)をしていました。「今この場がソフトバンクの孫さんとのミーティングだったら一瞬で機会損失するぞ」と。それくらいコミュニケーションは重要視してほしいですし、何かをわかりやすく「限られている時間」で伝えることはものすごく大事です。ポイントは「限られている時間」です。とにかく短い時間で伝えることができるはずです。

では。



今後も採用/人事系のアプトプットを続けていきます。
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