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ビットコインが急上昇?マイニング企業ってどうなってるの?

仮想通貨、ビットコインの価格が急上昇しています。マイニングの半減期、Square社、Paypal社のビットコイン取り扱いによる需要増などが背景のようです。ビットコインに投資をしている方も多くいらっしゃると思いますが、株でビットコインの影響を受ける銘柄はないかな、と思い少し調べてみました。

はじめにお断りですが、当方はこの分野に明るくなく、全くの素人です。以下の情報はぐぐって自分なりの理解を整理したメモですので、内容は誤っている可能性が高いです。あくまで読み物としてお読みください。また、もし内容が誤っている場合、ぜひご指摘をお願いいたします。

仮想通貨関連企業

■マイニング企業

仮想通貨のチェーンはまずはマイニングから始まります。これらを事業として行っている会社があります。金に対して金採掘事業者が存在するのと同じです。

一般的に金の値動きに対して金採掘事業者の金鉱株の値動きは、より振れ幅が大きくなる傾向があります。例えば金価格が2倍になった時に、金鉱株株価は2倍以上になります。下がるほうも同様に、金価格が1/2になった時に、金鉱株株価は1/2以上になります。これはオペレーティングレバレッジが効いているためです。

オペレーティングレバレッジとは、固定費をてこにした利益増大効果のことを意味します。金の採掘の場合、採掘のためのコストは金価格が100であっても200であっても変わりはありません。仮にこの会社の採掘コストに基づく損益分岐点が90であった場合、金価格(売上)が二倍になると、利益は、10から110に11倍増加します。このように金鉱事業者の利益は、金価格(売上)の変化に比例的に変化するのではなく、レバレッジが効いた形で変化します。

同様に、ビットコインに関しても、仮に採掘コストが一定であるとしたら、ビットコイン価格が上がれば上がるほど、レバレッジが効いた形でマイニング企業の利益が増加するのかもしれません。(筆者空想)

Cambridge Centre for Alternative Financeの調査によれば、 現在採掘量の65%は中国が占めており、その後、米国、ロシア、カザフスタンなどが続いています。

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https://cbeci.org/mining_map

その中から上場している企業をいくつかピックアップしてみました。

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これらの企業、2019年だけでなく、過去も含めて赤字を垂れ流し続けており、これまではかなり厳しい経営状況です。

昨年度はどちらの企業も売上の3-5倍の赤字を出すという紹介するのが憚られるほど非常に悪い状態です。

今年もコロナショックで3月にビットコイン価格が大幅に下落した後、5月には4年に1度の半減期を迎え、ブロック承認報酬が半減したため、収益維持のためには単純に価格が倍になっている必要があり、今年も多くのマイニング企業が苦しんできました。

ただ、直近の急激なビットコイン価格の上昇で、株価は急回復してきています。今後どのような変化が起こるか注目されます。

■マイニング用装置企業

マイニング用の装置をマイニング企業に販売する企業もあります。

マイニング用装置市場は、High Endの専用ASIC搭載の専用機、グラフィックボードを搭載し演算処理を強化した汎用PCの市場があります。

専用機は、一例を挙げるとBitmain社のAntminerの装置は以下のような装置です。マイニングに特化した演算処理を高速に行うプロセッサーと、熱処理のための強力なファン等を搭載した特殊なコンピューターです。

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このマイニング用装置市場での主要プレイヤーとしてはBitmain, Cannan, MicroBTなどの企業が挙げられます。このうち上場しているのはCannanになります。

Cannanの概要は以下です。

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汎用機に取り付けるグラフィックボードで、有名な企業で思い起こされるのはNVIDIA, AMDなどです。2018年の仮想通貨ブーム時には仮想通貨向けグラフィックボードがNVIDIA売り上げ全体の9%を占めていたそうです。このときにNVIDIAがこの売り上げをゲーム部門の売上として計上していたため、仮想通貨ブームがはじけた後、仮想通貨向け売り上げが急落はゲーム部門の売上の急落となり、情報開示の信頼性の問題もあり、NVIDIA株全体の急落につながっていったということがあったようです。現在、どのくらいの売上を占めているのかは調べ切れていません。

雑感

これらの企業をビットコインの価格とともに年初来チャートにプロットしてみます。マイニング企業は概ねビットコインの上昇を上回る上昇率を示しているの対して、マイニング装置企業は年初来の株価を回復していない状態です。

緑色:HVBTF
水色:RIOT
黄色:MARA
赤色:CAN

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またこの数日間で急激にマイニング企業の株価が上昇しているのが見て取れます。この背景はわかりませんが、以下の記事に記載されている内容が、個人的には理解しやすい背景です。今年の3月以降起こったビットコイン価格の低迷期に、多くのマイナーが市場からの退場を余儀なくされたため、生き残った企業に大きな富が配分されるチャンスが回ってきたというものです。ただし、どのくらいのマイニング企業が今年度撤退を余儀なくされたのかの数字については、すぐに見つからなかったため、あくまで推論です。

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https://www.coindeskjapan.com/49597/

マイニング企業がビットコイン価格の上昇がダイレクトに利益に効いてくるのに対して、マイニング用装置は、ビットコインの価格が倍になるからと言って、機器の値段を簡単に倍にして売り上げを倍にすることができるわけではありません。よって、マイニング企業の株価の変動に比べて、比較的緩やかな変化を見せています。ただし、CANに関しては、年初来よりまだ34%低い株価をつけている、マイニング企業の旺盛な設備投資需要が戻ってきている点を考慮すると、今後まだ株価が伸びる可能性があるのかもしれません。

今回は、業界にどのようなプレイヤーがいるのかと現在株価がBitcoinの価格に対してどのような推移をしているのかを見るために、ノートを書いてみました。個別の銘柄の中身はこれまで紹介してきた企業に比べて財務状況は圧倒的に悪いです。ほとんどの企業が赤字ですし、もしラッキーパンチでビットコイン価格の上昇を背景に黒字に転換することができたとしても、過去の実績、過当競争、半減期が定期的にやってくることなどを考慮すると、何かしらこれまでなかったイノベーションが起きない限り、黒字が継続できるとは全く思えません。投資に関しては十分ご注意ください。

以上です。

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