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NIO Dayハイライト(最新モデル eT7)


1/9 NIO Dayが行われました。新車であるeT7について、発表された内容を関連情報を動画から抜き出しました。

なお、これに先立ってバッテリー関連部分は以下にまとめていますので、バッテリー関連は以下をご参照ください。

とりあえずさっと見たい方は以下まとめをどうぞ。

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明日1/10からOrder受付の新モデル NIO eT7。

納車は2022年1Q。

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センサー埋め込み部分

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フロント、Dual Beam LED, Dual Dash Daytime Running Lights

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バック。

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UWBデジタルキーにより、近づいたら自動でドアが半開きに。シートに着席すると自動でドアが閉まる。

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車内のコンセプトは 2nd living room

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天井部分にガラス採用で解放感

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空気取り入れ口は見えないところに配置

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シートヒーティング、シートクーラー、マッサージはスタンダード

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12.8インチのディスプレイで様々な操作

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Qualcom 3rd generation snapdragonで車内AI活用

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通信手段は5G, UWB, Wi-Fi, Bluetooth, V2Xに対応

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10000W出力、25 speakerで構成されるサウンド環境

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7.1.4 Immersive Sound System(どういう風にスピーカー配置されているのだろう?)

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100kWhのバッテリーパックで700km超の航続距離を実現

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今後発売するバッテリーパックで1000kmを実現

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モーターはフロントとリアのDual Motorシステム

前方:180kW永久磁石モーター
後方:300kW 誘導モーター

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二つ合わせて650馬力。850Nmトルクで 100kmまで加速するのに3.9秒

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ブレーキングシステムはBrembo 4-pistonブレーキ。時速100kmから停止するのに33.5m。

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ボディはC-NCAP, Euro NCAPで5つ星の安全ボディ

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自動運転 Nio Pilot。100 million(1億キロ)のデータから開発。

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NIO Autonomous Driving (NAD)

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高速、都市、パーキング、バッテリースワップで自動運転を提供。

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NADを構成するSensing system、 Aquilaを発表する

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8Mピクセルカメラ

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テスラは1.2MP

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比較してみよう。解像度が高ければより遠くを見渡せる

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車なら687m, 人なら262m先を見渡せる。1.2Mではこれがそれぞれ229m, 87mしか見渡せない

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安全を重視している

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LiDAR搭載。視野角120度。解像度300 Laser Beam。Detection Range 500m

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1550nm Laserを用いている。採用メーカーはInnovusionとのこと。NIOが出資している。


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上部センサーレイアウトは重要

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側面の柱やサイドミラーに埋め込むと視界が遮られる。高いポジションに設置することで死角を減らす

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またこの位置からのViewは前方確認カメラの冗長性を高めることができる

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後方カメラも十分な視野を確保

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AQUILAシステムは以下のセンサーで構成

x11 8Mカメラ(x4前方, x3後方, x4 Surround view)
x1 1550nm LiDAR
x5 ミリ波レーダー
x12 超音波センサー
x2 GPS/IMU
x1 V2X

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8GB/秒のデータを生み出す。

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これを処理するにはSuper Computingが必要。ADAMがこれを実現する

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NVIDIAの Drive Orinを採用した初の量産モデル

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1016 TOPSの処理能力を誇る。そしてこれはTeslaのFSDを7つ合わせたものを上回る。

NIOはHorse power だけでなく、Computing Powerでも優れている

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システム構成。マスターユニットでセンサーフュージョン含むセンサー処理を担当。独立したSoCを冗長性のため配備。Crowd AI & Personalizationで、ユーザーの環境に合わせた学習を促進

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サマリ

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Hardwareはスタンダード、Automatic Drivingはサービスとして提供する

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サマリ

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ユーザーは、以下の6つのメリットを受けられる

・永久Warranty
・無償の家庭用充電環境
・永久のバッテリー交換
・永久の無償のロードサイドレスキュー
・永久無償のOut-of-townパワーサービス
・永久無償の通信接続

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価格は、100kWhバッテリー込みで 506,000元(812万円)。これは補助金適用前の価格。

バッテリーをサービスで購入する場合、100kWhバッテリーの場合、478,000元。+月額 1480元

70kWhモデルは バッテリー込みで448,000元(720万円)。

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自動運転システムは月額680元

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Appでプリオーダー可能。5000元。

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5000元デポジット払うと10000元相当のディスカウント

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ET17ユーザーには、7,000元ディスカウント + 30,000 NIOポイント還元

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ES8ユーザーには10,000元ディスカウント + 50,000NIOポイント還元

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2022年のQ1から納車開始

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雑感

1年後の納車の製品の発表でNIO Dayの翌日からプレオーダーが開始となります。

自動運転絡みのセンサーでいろいろポイントがあったように思います。以下、事実ではなく、完全なる私見なので、信用しないでいただきたいですが、雑感コーナーですので、自分の思うことをとりとめもなく書いておこうと思います。

・LiDARの採用:1550nm
 1550nmのLiDARの採用でしたね。欧米系で1550nmを採用しているのはLuminarです。中国メーカーでも1550nmを採用している会社はあります。サプライヤーがどこなのかは気になるところです。MobileyeとLuminarが提携発表を先月していた、この事実も気になります。。。

=>その後、NIOも出資している中国メーカー「Innovusion」との情報をいただきました

・8M Pixelカメラの採用
解像度の向上はNIOの説明にある通り、検出距離の向上というメリットにつながりますが、解像度が高くなるとデメリットもあることはあまり知られていません。通常解像度が高くなると夜間視認性が低下することが知られています。そのため消費者向けのデジカメやスマホと違って、産業用機器では、あえて低解像度を選択することも多いものです。ただし、今回は夜間に強いLiDARとの併用なので、システム全体でパフォーマンスを補っているように思います。

また処理量が増加するため、レイテンシー(反応速度)が遅れるなどのデメリットも生じる可能性があります。(これを回避するためには処理能力の高いコンピューティング環境を投入しなければなりません。)自動運転のカメラは人の命を預かるものですから、消費者娯楽向け製品と違って解像度が高いことが一概にいいことではないということは覚えておいた方がいいと思います。

NIOはMobileye(インテル傘下)と提携しているのでMobileyeのカメラベースのセンシングシステムを採用していると思われます。とするとMobile Eyeを利用する他社は自動的に全員8Mカメラ採用になるかもしれませんので、NIOの差別化につながらない可能性があることは覚えておきたいです。ただ、マーケティング上は一番乗りに大きな価値がありますし、NIOが戦わないとならないのはテスラですから、その意味ではNIOはメリットを享受したと言えると思います。

なお、テスラは昔はMobileyeのシステムを採用していましたが、今は決別しており、自社開発システムになっていると思われます。テスラのカメラの解像度が低いから悪いかというとそう一概に決めつけることはできないと思います。我々が必要なのは、アウトプットとしての安全性です。(インプット) => (処理)=> (アウトプット)とすると、処理が優秀であればインプットは少なくてもいいのです。むしろ処理が優秀なために少ないインプットで同じアウトプットが出せることは大きな価値があることです。インプットの数字のお遊びだけでアウトプットの価値を決めつけないように気を付けたいものです。

・センサー処理コンピューティング環境
NVIDIAのDrive Orionを採用することが発表されました。これはNVIDIAにとっては大きなニュースなのではないでしょうか。このハードウェア環境については、多くの半導体メーカーが参入を狙っている市場という理解です。その中で中国市場EVの大手であるNIOに採用されたというのは、大きな宣伝にもなるので、他のメーカーへの採用も期待していけるところなのかなぁと感じました。

・ブランド力
EV市場は全般的にまだまだ立ち上がりの段階であり、高いお金を出して買える人が買う市場だと思います。この段階でEV最高峰と言えばxxxというブランド力を築き上げることは、今後の大衆車市場を攻める時に強い武器になると思います。NIOの今回のてんこ盛りの新車の発表はまさにそれを狙っているのかなぁと感じました。価格は高いが、ともかく最高峰のブランド。

中国の国民の間で、価格はともかく一番の性能のEVは何か?という認識においてもしNIOがテスラを上回ることができたら、それは非常に大きな価値があると思います。

・自動運転
自動運転に関しての実績はNIOはテスラに比べると低いと思います。そこを心配する部分もありますが、Mobileyeを採用しているとしたら、センシングの部分に関しては、そこまで大きな不利はないと思います。あとはセンシングした後どのように車を制御するかについてのノウハウの部分だと思いますが、テスラとどのような差が出てくるのか、見守りたいところです。

・価格/コスト
今回発表されたNIOの価格とテスラの価格を比べてみます。報道されている情報から中国の補助金がどの程度適用されているのか読み取れなかったため、以下の比較はNIO(補助金適用前)、テスラ(補助金適用後)の価格の比較です。

eT7の価格は補助金適用前で448,000元(720万円)

テスラのModel 3の価格は報道されているのは補助金適用後の価格で 249,900元(400万円)

価格帯は非常に重要なので両方のモデルの補助金適用後の価格を知りたいところです。恐らく補助金適用後もNIOの方が高いのではと推察したのですが、どなたかご存じの方がいらっしゃったら教えていただけると幸いです。

NIOのこのモデルは、自動車市場の中でもハイエンドの高級車路線なので、高いコストがかかりそうな機器のてんこ盛り搭載を実現してきたと思いますが、今後EV車が大衆車になっていくことが各国の政策上、既に想定されている中で、その市場に対して同様のコストをかけることは難しいと思います。価格を抑えながら大衆車市場にも参入できるのか、その点も関心があります。テスラは明らかにそちらの市場を取りに行く商品戦略になっていると思いますので。

私見ですが、テスラがLiDARを使っていない理由はコストにあり、コストが下がれば使っていくものと考えられます。個人的にはすごく妥当な判断だと感じます。

・永久無償保証
中国ってこういうの普通なんでしょうか?自分はこれを見たときに目を疑いました。様々な機能で競争できる部分があるのに、あえてこの段階で保証を永久に無償をするメリットがあるのかと。消費者はEV市場の今のフェーズで保証が長いから車を選ぶという人は少ないように思います。それよりは最先端の自動運転システムとか、これまでにない快適な居住空間とか、そういう理由で車を選ぶ印象です。

EVって完成形にはまだほど遠いし、技術・製品が成熟に向かって発展していく中で、いろいろな製品上の問題が発生してくる頻度は普通の車より高いと思います。永久保証って、とんでもないリスクをしょい込むことになると思うので、もちろん消費者の支持は得られるとは思うのですが、経営者としてこんな大盤振る舞いで、大きなリスク抱え込んでしまっていいの?と感じてしまいました。それとも、中国の車の販売現場では永久無償保証って当たり前でこれがないとそもそも競争に参加できないというような環境なのかな?

その他
またセンサー関係以外に、個人的にツボだったのはインシートマッサージです。多分誰もこの点を拾ってないと思うのですが、何だかツボでした。NIOの目指す2nd Living Roomというコンセプトを実現するためにこの機能を搭載しようということになったと思うのですが、経営者の意思を実現しようとする企画者の意思を感じました(笑)。こういうの自分は嫌いじゃないです。

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参考



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