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組織は、新入社員に何を期待しているか?

初めまして。sallyです。

十数年の社会人生活の中で、メンターとなる機会を何度かいただきました。
また、私自身転職を2回しており、社内でのキャリアアップだけでなく、転職含めたキャリアについての相談もよくいただきます。

このマガジンでは、そんなメンターとしての経験などをもとに、若者が不安に思いがちなこと、悩みがちなことなどを、先輩の目線で語ってみたいと思っています。

第1回目のこの記事では、毎年春になると入社してくる初々しい新入社員に必ず伝えている、
「組織は、新入社員に何を期待しているか?」について。


結論から申し上げますと、新入社員の「ポテンシャル」と「うちの会社に染まってない感覚」を期待して、毎年莫大な金額をかけて新入社員を採用しています。

その理由をご説明します。


1. ポテンシャル

「知識」「経験」を求めているのであれば、中途採用をします。
業界他社からの引き抜き、転職サイトでの募集であれば、ある程度ピンポイントで、自社に欲しい知識や経験、技術を持っている人を採用できます。

でも、転職市場の人材は知識や経験を持っている一方、言葉を選ばずに言えば「前職の会社に染まってる」状態です。

会社によって経営指標やスローガン、社風は全く異なります。
前の会社のそれに染まっているということは、ある意味「その色を持って自社に入ってくる」ということ。

ここが擦り合わないことで、もともといた社員と合わない、感覚がズレてる、ということが起こる場合があり、そこが転職採用のネックとなります。

一歩、新入社員は社会人経験もなくまっさらな状態。
自社の教育や、成長環境を提供することで、いかようにも成長してもらえるという期待値があります。
ここが、新入社員の最大のポイント。

自社の習慣、社風に馴染むのも早いし、馴染んでくれれば会社へのエンゲージメントも高くなります。

なので、配属先の部署の先輩方も、「この新入社員を早く一人前に成長させたい!」と思い、さまざまな教育研修プランを考えたり、先輩は先輩でメンターになるための研修を受けたりと、受け入れる側も準備万端で受け入れます。

そして、せっかく入った新入社員なので、大事に大事に育てます。


もちろん、新入社員を採用するのにも莫大なお金がかかりますが、入社後の教育にも莫大なお金がかかります。
一説によると、新入社員教育が黒字化する(教育にかけた費用の分、新入社員が会社の利益に貢献する)まで、3年から5年かかるらしいです。

これは完全な投資。

投資をしてでも、自社のビジネスに最適な優秀な社員を育てたい。
そういう企業が、新卒社員を採用するのです。

とても期待されてる!!

ポテンシャルを期待されてるので、最初は出来ないことがあったり、ミスしたりしても気にする必要ありません。
(もちろん、何度も同じミスをすると怒られますが。)

成長のチャンスを与えられてることを理解し、チャンスには全力で取り組み、失敗から学んでくれればokです。

ちなみに、「失敗してもok」「アホみたいなこと聞いてもok」なのは、最初の1年だけです。新入社員の特権。

なので、新入社員のうちにたくさん質問して、トライ&エラーを繰り返してください。

あなた達が、失敗しながらも成長している姿が、先輩達はなによりも嬉しいんです!
(気持ち的には子育てに近い感じ。)


2. うちの会社に染まってない感覚

「感覚」という曖昧な言葉を使いましたが、
例えばメーカーだったら「一番消費者に近い感覚」、リサーチやマーケティング会社だったら「一番学生に近い感覚」、といった感じで「会社に長年勤めると鈍くなってしまう」感覚を持っていることは、新入社員の強みになります。

会社って難しいもので、全社員が「お客様のため」と思って仕事をしていても、気づいたらその感覚が「自社にとって都合のいいお客様」しか見えなくなってたりするんです。

それが、組織の中にいるとなかなか気づけない。

だから、新入社員のようなまっさらな人が「いや、それは私の感覚ではこうなんですけど」という感じでぶっ込んでくれると、「あ、私たち今自社のことしか考えてなかった!」と気づきになったりするんです。

一見、空気読めない感じに見えますが、実はこれがすごく大事。

特に、モノ売り(メーカー、小売など)よりもコト売り(ソリューション売ってるようなサービス業、コンサルなど)のほうが、この感覚が重要です。

形のないコトを売るということを考えるにあたり、「一般の人の普通の感覚」は非常に重要だからです。

人間、どれだけ気をつけてても、すべての視野、視座で物事を見れる人はいません。
経営者であろうと、です。

なので、色んな人が集まって、色んな視点、色んな視座からビジネスを見るとこで、この変化の激しい環境の中、「自分たちの会社は何を提供できるか?」を常にアップデートしていく必要があります。
(多様性ですね。)

そんな時に、長年自社にいる社員だけでは、明らかに視野は偏ります。

なので、毎年新入社員という新しい風を入れ、新しい感覚を組織議論の中に取り入れ、ベテラン社員に刺激を与える。

そういう効果が、新入社員にはあるのです。


「ポテンシャル」と「うちの会社に染まってない感覚」。

ここを意識すると、2年目になるころには同期とは一線画した「出来る若手」というタグが付いてくると思います。

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