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株式会社Livelyを立ち上げようと思った理由

株式会社Livelyはサービス名に統一するのに2021年6月に株式会社Snackから社名変更しています。厳密には立ち上げたタイミングでは株式会社Snackですが、わかりにくいので表記を株式会社Livelyとしています。

なぜ、僕が株式会社Livelyを立ち上げて、コミュニケーションストアサービスをつくろうと思ったかを記しておこうと思う。

まず、この文章では「女性」とくに「子育てを経験した母」について言及することが多く出てくると思うが、男性か女性かの違いを主張したいわけでも、子育てのイデオロギーを述べたいわけでもない。ジェンダーや様々な立場を気にしすぎると、言葉がややこしくなるので、ココではあえて気にせずに、ストレートに言葉にしていこうと思う。

成瀬拓也の歩んできたキャリア

僕の社会人のキャリアは人材教育コンサルティング会社アチーブメントでスタートした。

自己啓発とも言える、研修ビジネスを中心とした会社だった。僕はその中で、入社半年で営業成績が認められて、新規事業で大学生のキャリア支援と法人に対してコンサルティングする部署の立ち上げを担当した。その後、色々あって、上司が3回いなくなり、入社1年経った時には実質、部門責任者となった。そして、新規開拓営業、コンサルティング、研修講師、マネジメントなどを経験した。並行して、採用担当を専任で1年、兼務で合計7年近く経験した。

THEサバイバルインターンシップ

↑インターンシップ生たちと谷川岳の山頂にて

2011年に独立してからも、コンサルタントとして、成長企業などの採用や教育、文化づくりに従事してきた。一言でいうと、人と組織に関わる仕事をどっぷりしてきたということになる。

今から10年以上前からすでに「ダイバーシティ(多様性)」は叫ばれており、その中でも「女性の活躍推進」は大きなトピックだった(ほかにも障害者雇用や外国人労働者など色々)。

女性活躍推進の実態

当時から「女性の活躍」は常に叫ばれていた。しかし、経済の中心とも言える企業の主語は暗黙に男性たちで、「男は仕事、女は家事」のような今では即炎上みたいな昭和のなごりが、まだ当たり前とされていた。

たしかに、社会も会社も作り上げてきたのは男性が中心だったと言えるだろう。一方、その弊害で、あらゆることが男性目線で、女性目線は軽視され続けてきた。

ゆえに女性の可能性は制限されやすく、女性の活躍を声高く宣言することは自然であるように思えた。そして、少しずつ女性の社会進出が進んだとは言え、いまだに女性の管理職の比率は7.7%と低い値にある(帝国データバンク調べ)。

僕がコンサルティングしている会社でも、「女性活躍推進プロジェクト」なるものを立ち上げて、女性の管理職登用、女性の意見をサービスに反映・・・と女性の活躍しやすい環境つくりに取り組んだ。

しかし、それっぽいことはできるのだが、イマイチ劇的な変化をもたらすには至らなかった。その頃は気づいていなかったのだが、男性が男性の目線から「女性の活躍」について考えていること自体がズレていたように思う。

子育てをしてわかったこと

そんな最中、僕は結婚し、子どもを授かることとなる。

子どもが生まれたら「子育てを真剣にやってみる」ということを決めていた。何ごとも体験主義でやってみないことには納得しない性分もあり、子育てに対して前向きな気持ちだった。

出産後の2ヶ月は育児を中心にできるように仕事量を調整した。その後も、家族を優先することを会社で宣言し、みんなで子育てをしやすい会社にしていこうと呼びかけた。

しかし、子育ては甘くなかった。1歳を過ぎても朝までぐっすり寝てくれない我が子。常に子どもの存在を優先して行動を考えなければいけないこと。子育てに疲弊して、心身ボロボロになっていく妻のサポート。

起業家として思い切り仕事や交流に時間を使いたいと思っても、集中することすら難しく、なかなか大変なことは多かった。

そして、1人目がイヤイヤ期で大変な時に、2人目の誕生。生まれつき心臓に病気があったこともあり、長期の入院生活。そして、いつ終わるかわからない通院生活。

ホッと一息ついて自分の時間を使えるようになったのは、2人が安定して保育園に通ってくれるようになってからだった。もし、保活に明け暮れて、それでも保育園に入れられず仕事もやめざるを得なくなったら「日本死ね」と言いたくなる気持ちもようやくわかった。

もちろん子育ては大変なことばかりではなく、それを超える幸せなことがたくさんある。

さらに言うと、子育てを通して成長することもたくさんあった。時間の使い方、意思疎通が難しい相手へのコミュニケーションのとり方、相手の気持ちをリードするユーモアや機転の効かせ方など、たくさんのスキルが磨かれる機会にもなった。同時に今まで考えていた「女性活躍」がいかに表面的だったかということも痛感した。

ウィルフォワードで取り組んだこと

今まで表面的だったことに気づいた僕は、少しでも自分ができることに挑戦していくことを決め、まずは会社に積極的に子どもを連れていくことにした。

子どもも会社に出社

「家庭」と「働く」は物理的な空間や時間は切り離せたとしても、同じ人生の中にある。

子どもが急に熱を出せば保育園に迎えにいかなくてはいけないし、家で仕事をやろうと思っても子どもがいることで思い通りにできないこともある。お互いを理解し、尊重しあうにはまず「子どもがいるということ」が何なのかを知る必要があった。

最初は子どもが会社にいることが非日常だった。繰り返していくうちに慣れていき、それがいつしか日常になっていく。

そうすると、子どもが好きな社員は息抜きがてら子どもと遊ぶこともあるし、遊ぶのもうまくなっていく。子どもが特別好きじゃない人も無理に関わらなくて良いという空気が当たり前になる。変に気をつかうこともなくなっていく。

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↑会議中に子どもが2人います(どこでしょう?)

子どもが会社という仕事の空間にいることが非日常じゃなくするには、会社のルールや制度ではなく、みんなが意識するまでもなく当たり前と感じるまで行動をつづけることである。

社会に子どもはいるのだから、子どもの世界を隔離するのではなく、みんなにとって当たり前になっていけば、自然と当たり前の中で最適な形を見つけていくものだ。そうやって小さな改革がはじまっていった。

子育て中の「仕事がしたい!」というママと積極的に仕事をしたり、ママスタッフから出てきた意見を積極的に取り入れた。大企業のような「託児所完備!」みたいなことはできないが、小さな会社としてはそれなりに子育てと両立する会社というあり方が見えたように感じられた。

本当に求められる女性活躍

女性活躍に限らず、多様な人が活躍するために重要なことは「お互いを理解し、選択の自由を与え、尊重し、支え合うという優しさをもつ」ことだと思う。噛み砕いていうならば、「みんな大事なことをお互いに大切しながら付き合っていこう」ということである。

会社の中で「父母ともに産休・育休を取りやすくすること」、「女性の管理職を増やすこと」、「在宅での仕事ができるようにすること」も大事だが、突き詰めていくと、会社という限られた世界の中に限定する方が違和感がある。会社に固執しないで働く自由も尊重されるべきなのだから、と。

もちろん、会社社会の中で活躍することがフィットする人もいる。しかし、子育てを通して女性の能力が非常に磨かれているにも関わらず、その能力は履歴書の中で経歴として評価されにくく、会社の中でもあまり評価されず、むしろ産休・育休期間中の「休職」の影響の方が大きく扱われ、なかなか責任のあるポジションや役割を与えられにくいという現実もある。それを乗り越えることを頑張るよりも、自分の力を発揮するのは自分次第という独立(起業やフリーランスなど)をする方が理にかなっている人が結構多いように思う。

女性のポテンシャルを社会に還元したい

日本は世界に先立ち高齢国となり(平均寿命は84.2歳で世界でトップ)、昭和のような体力に物を言わせて、東南アジアなど成長真っ盛りの国と労働力で勝負することはできない。

そんな中で、さらに今後の日本は人口が減少していくことは明らかで、国際競争力はどんどん失われていく

僕は日本の復活のシナリオの鍵を握るのは、シニアと女性だと思っている。

シニアには医療・介護のお世話になることなく、いつまでも元気で仕事や社会活動をしてもらうことが重要だと思っている(若返りをテーマに第一弾として腰痛肩こり専門治療院BACK AGINGをプロデュースしたのもコレが理由)。

そして、女性においては、会社以外にその力をいかんなく発揮できる活躍のフィールドを作ることだと思っている。

「会社に勤めて、仕事を頑張って出世する、責任ある仕事と報酬が得られる」という昭和からつづくモノラルな考えの延長線ではない新しいフィールドを。

女性こそ働き方改革

厚生労働省は、働き方改革とは「働く人々が、個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で「選択」することができるようにする改革のこと」と定義している。

つまり、企業が休暇を取りやすくしたり、待遇を厚くすることが本来の働き方改革が意味するものではない。働き方、すなわち生き方を自分で選択することが働き方改革なのだ。

だから、女性こそ、今こそ自分で働き方を選択すべきなんだと思う。大げさに言うならば、生き方を選択すべきなのだ。これまでの「こうあるべき」や、「こうするのが成功」ではなく、自分の中にある幸せの形を働き方、生き方を通して表現していく。それができる人が増えていくことで、社会は明るく、楽しくなっていくような気がしてならない。そのキーはやはり女性なんだと思う。

Twitterで出会った女性たちのエネルギー

そんなことを思いながら、「女性が活躍しやすいフィールドを作りたい」とより強く思うような出会いがあった。それが、Twitterで出会った女性たちのエネルギーに触れたことである。

2019年の暮れに、何となく、まわりでTwitterが再燃していることもあり、ゲーム感覚でやりだしたTwitterだったが、すぐにフォロワーを増やすということよりも、Twitterを通して人と出会うことの方が面白いということに気がついた。

ひょんなことから「なるなるカレッジ」というオンラインサロンを主宰することにもなり、Twitterでの縁はどんどん広がっていった。その中で最もアクティブでエネルギッシュだったのが、女性たちだった。特に子育てを経験したママのパワーは凄かった。

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↑全国から子どもを連れて合宿にも参加するママたちも

稼ぐ方法はないのか?

交流をしていく中で、キラリと光る魅力ももった女性の存在は特に目立っていた。しかし、その魅力は「仕事」という面ではうまく活かせているようには見えなかった

就職という観点では「学歴」「職歴」「スキル・資格」などわかりやすい「過去」が評価されやすい

コミュニケーション力が高く、相手を思う力があり、ストレスを自分で消化していく強さがあっても、正社員としての勤務経験は乏しく、わかりやすい専門的なスキルや実績がないと評価されにくいのである。

それでも、Twitterで出会ったママたちは、必死に収入を得ようと物販やアフィリエイトやスクールや情報商材の販売などにチャレンジしている人が多いように見えた。

それ自体が悪いとは全く思わないが、それがその人の強みを存分に活かしていないケースはあまりにも多いのではないだろうかということも同時に感じた。

確かに「強みを活かす」とか「好きを仕事にする」とばかり言ってられないのもわかる。

しかし、社会全体で見ると素晴らしい強みが発揮されずに埋もれていくのは損失のように思えてならなかった。

特に子育て中となると、働き方も制限され、収入を得る難易度は一気にあがっている。子育て中のシングルマザーとなるとさらなる難易度で、女性の片親世帯が男性の片親世帯の収入が半分というデータも頷けた。

岡えりとの出会い

Twitterで出会った女性の中に岡えりという3児の母がいる。

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作業療法士として医療機関で働いていたが、3人の子育てと仕事の両立が難しく離職。その後、自分の居場所を求めて、自宅で子育ての隙間時間でできる仕事を探していく。

詳しくは彼女がなぜ起業しようと思ったかを記したnoteで、本人の言葉で感じてもらいたいのだが、彼女は「オンラインで会話をする仕事」で勤めていた時の労働時間の半分で倍近い収入を得ていた。

収入が得られるということは、「オンラインで会話をする」ことにお客さまが価値を感じているということである。

彼女が驚異的なのは圧倒的なリピート率である。つまり、「また話したい」と思われるほどに、満足しつづけさせているのである。

たしかに悩みや孤独など「誰にもできない話を誰かに聞いてもらいたい」という人は少なくない。実際、テレワークが進み、自由な外出や交流が規制されるようになり、孤独を感じる人は確実に増えているというのもうなづける。

チャンスをつくりたい

彼女は僕の元を訪れて、「自分のように働きたいと思っている女性はたくさんいる。コミュニケーションが得意で好きなら、誰でも挑戦できて、チャンスを掴める、働く機会と選択肢を増やす。そんな場所をつくりたい」とまっすぐな想いをぶつけてきた。それ以降、僕はどうすれば実現可能なのかとを考えるようになった。

僕のまわりにも育児ノイローゼで鬱になった人は何人かいた。はたから見ていて意外に感じたのは、苦しい状況から抜け出すことができたのは育児が楽になったことだけではなく、「本人が仕事を再開して毎月収入を得られて自信が復活したこと」「自分のことをありのまま受け入れてくれる仲間ができた」が大きかったように思う。

つまり、優秀な女性がその力を持て余しており、活躍の場は簡単には用意されていない。そのことが社会の損失であり、また本人を最も苦しめている

コレは何とかしないといけない。それが僕の出発の動機である。

そこから1年。色んな「あぁでもない」「こうでもない」を繰り返し、オンラインでコミュニケーション型サービス(コーチング、カウンセリング、占い、おしゃべり、オンラインデート、キャリア相談、恋愛相談、ビジネス相談、コンサルティング、ファンとの交流など)を販売するためのネットショップを簡単につくってオープンできるようにするためのサービスLivelyをつくろう、というところにいきつく。

まだ、α版の開発をしている最中で、リリースは2021年6月を予定している。ココまでくるのも大変だったし、これからももっと大変だと思う。正直この先、どうなるかもわからない。でも、確実に時代から求められていることはヒシヒシと感じる。もしかしたら、僕らではない誰かが僕らよりも僕らの想いを実現するサービスをつくるのかもしれない。

でも、誰かがやってくれるのを待つのではなく、自分たちでやってみたいと思っている。

「あの人がLivelyやったらこんなことができる」と何人もの顔が思い浮かぶ。だから、これから先に困難なことはたくさんあると思うけど、この出発の思いを忘れずに大切にしたいと思う。

興味をもってくれた人は合わせてコチラのnoteも読んでみてください
下記noteの最後に僕らを応援したい人のLINEグループ案内あります↓

P.S.コミュニケーション型サービスをLivelyでストア作って販売してみたい!という人は↑上記noteの最後のLINEグループに登録してもらえると進捗アナウンスいきます◎

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