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奇怪なる百科事典

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作者が本で読んだり、聞きかじったりした、100%実生活では役に立たない知識の数々をまとめた、この世で最も使えない百科事典です。 更新頻度:不定期
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#覚書

はじめに・目次

はじめに 強欲な人間であることに関しては自信がある。食欲と睡眠欲は人一倍だし、知識欲と好奇心は半ば化け物じみている。創作というアウトプットを好む以上、インプットに血眼になるのは自然な流れと言えよう。  そのような事情もあって、しばらく前から、何かに使えそうな知識を丈夫な手帳に書き込んでいる。  本を読んでいて出くわしたもの、聞きかじったものなど、雑多なあれこれを蓄えるのは、蒐集趣味も満たしてくれる。有意義な作業なのだが、一項目数行程度で済んでしまうこともあるため、なかなかペ

マヤ文字覚書

 メソアメリカ、今日でいうメキシコ南東部やグアテマラを含むマヤ地域で栄えた、マヤ文明。マヤ暦をもち、高度な建築技術と特異な文化で栄えたことが知られている。  マヤ文明は生贄の風習でもって知られ、いささかエキセントリックな遺構・遺物を残したことでも有名だ。セノーテと呼ばれる泉の周辺で繁栄した彼らは、水源であり神聖な場所であったセノーテに、絢爛な装いの人身御供を捧げた。  近年では水中考古学の発展により、セノーテの底部の調査が行われ、数百年前の人身御供と思しき人骨も調査されてい