言葉は通じていない

神はいないとあなたは言う。では、どんな神がいないのか?

言葉の不安、不安を持っていること、相手が使っている言葉が自分が使っている言葉と全く違う可能性について常に不安であること、
そうすると人と関わるのなんて嫌になるに決まっているけれど、それでも不安でいなければならないこと、
書き言葉を扱う職業だと書き言葉で相手をやりこめてしまう可能性が常にあること、話し言葉が得意な営業や社長や政治家は話し言葉で相手をやりこめてしまう可能性が常にあることと同じように、
言葉は日常ツールだからわかりにくくなってしまうけれど、自分より絵のうまい人がわたしの絵のほうがうまいのだからあなたは納得しろとか、プログラムや音楽の得意な人が自分のほうがうまくできるのだから納得しろとか、言ってきたら困るし納得なんてできないでしょう、言葉で納得させることも同種の問題を孕んでいて、

つまり人と人が言葉でわかりあえるわけがない。

人はわかりあいたい人同士でしかわかりあうことはできない、言葉は通じていない、ただ声は通じている、あなたの声が喋り方が発音が発声がリップノイズが舌運びが諸々が好きと思えるかどうか、それを判断してもらうために言葉を発する必要はどうしてもあり、人は声に耳を傾ける。
会話は意味ではない。体温と湿度と響きと距離と雨と空気の流れと血の滞留と時間と体調、言葉は言葉以外のすべてのものだ。

続けられるかわかりませんが過去作の曲の単品販売に使おうかなと思ってます