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文章をかくことについて

コロナウイルス感染対策のための自宅待機で暇をもてあまし、色々なnote読んでいて「そうだ、わたしも文章をかこう」と思いたった。ちいさい頃は文章をかくことをそれなりに楽しんでいた。本を読むのも好きだったし、作文や読書感想文も特に苦痛だったおぼえはない。にもかかわらず、ごく最近まで「文章をかく」ということに苦手意識を感じていたのだった。

それは中学校の国語の授業でのできごとがきっかけだった。学期末、テストも必修範囲も終わり、先生がなかば趣味のような授業をしていたゆるい時期に、エッセイを書いてみようという宿題が出た。好きなことについて好きなように書いてね、と言われて、わたしはチョコレートについて書いた。当時(いまもだが)コンビニやスーパーで新作や限定のチョコレートを買っては味見するのが好きだった。そのことについて、愛読していたさくらももこさんの文体を意識しながら宿題を仕上げた。

提出して数日後の授業中に、先生が「このあいだの宿題でよくかけていたものを発表します」といって私の名前を呼び、みんなの前で私の書いたエッセイを朗読してくださった。先生にほめられ、えらばれて嬉しかった。

しかし、わたしのエッセイはクラスのみんなに笑われてしまったのである。

クラスのみんなは「好きなことを好きなように」という指示に乗っ取って、好きなアイドルやバンドなどについて、ブログや掲示板に書き込むようなラフでたのしい文体でエッセイを書いていた。対して、わたしは「〜だ、である」調のちょっと気取ったかんじの文章を書いたのだ。中学生というかっこつけたがる年頃のみんなからすれば、「そんなにまじめに書いちゃうなんて」という気持ちでいじりたくなるのも無理はなかった。朗読した先生も、ちょっとからかいの気持ちになったクラスのみんなも悪くない。わたしも多分、同じように誰かを笑ってしまったことがある。

でも、その時わたしはとても恥ずかしかった。

それ以来、わたしはあまり真面目に文章を書かなくなった。「好きなように」書かなくなったというのが正しいかもしれない。高校の授業でもなんとなく手を抜いたので現代文の成績は落ちた。受験の時の小論文は流石に真面目に書いたが。

好きなように文章をかくと恥ずかしい思いをする、という思い込みが根付いてしまったのである。

そんなこんなで中学から十数年、文章をかく楽しみから遠ざかっていたのだが、ここ2年ほどで変化があった。

ひとつは翻訳の仕事を始めたこと。自分で一から文章を組み立てることとは違うけれども、表現を模索したりして良い訳文がかけるとうれしくなった。これは自分のオリジナルの文章ではないからか、はたまた「仕事」として割り切っていたのか、あまり「はずかしい」という気持ちにはならなかった。

ふたつめに、自分のオリジナルの文章を褒めてくれる人ができたこと。これがとても大きかったな、と思う。

そもそもなぜ恥ずかしさを押してまでオリジナルのものを人に見せたかというと、率直に「あなたの作品が見たい」といってくれたからである。

その人はtwitterで付き合いの長いフォロワーさんで、よくわたしの絵にいいねや感想をくれる方だった。ある時「こういう話が読みたいな」というのを軽い気持ちでツイートしたら、その方が「ぜひあなたに書いて欲しい!」と言ってくれたのだ。

普段からわたしの創作を見てくれ、気心の知れたフォロワーさんになら見せてもいいかな……というのと、単純に犬もおだてりゃ木に登るというやつで、ショートショートを書きツイートした。そうしたらとても喜んでくれた。そのフォロワーさん以外からも感想をもらった。小躍りするくらい嬉しかった。

ずっと感じていた恥ずかしさが、それから少しずつほぐされていったのだと思う。

そして今日、「あ、文章を書いてみよう」と思い立つにいたった。

数年前のわたしが聞いたらびっくりするだろうな。好きなように文章を書いて公開するなんて。

ちいさな変化ではあるが、長年のコンプレックスが解放されてとても清々しい気持ちになったので、記念にこれを書いた。

今後も、好きな絵のことや手製本のこと、考えたことなど、ゆるりと言葉にして残していきたい思う。いつか読み返したときのわたしのために。

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手製本をしたり絵を書いたりする人間。おつとめに行きつつ家で制作をしている。映画と犬とおいしいご飯が好き。彼女がいる。
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