ひらかれた創作の現場を目指して
ぺぺぺの会にはクレドがあります。
特定の代表者を持たない僕たちにとって、クレドは憲法のようなものです。主権を持つ全員が全員のために行動するための指針です。
ここでいう「全員」には、ぺぺぺの会の会員はもちろん、劇場に足を運んでくださるお客さんも含まれていることがあります。
たとえば「ひろばの会」という理念では、来場者と僕たちとが「観る/観られる」を超えた関係を築くことを目標としています。
「観る/観られる」を超えた関係についてもうすこし深く掘り下げて話すと、旧来の物語には「主催者→来場者」という一方向的なメッセージの送信が多い反面、ぺペペの会では二者間で双方向的なやりとり、すなわち対話が生まれるような作品と環境を構築することを目標にしています。
録画したテレビドラマの一時停止ボタンを押しても無音になるだけですが、僕たちの演劇はお客さんの感想や質問にたいして然るべき応答をするように心がけます。
そのために上演終了後に出演者とお客さんが対話するための時間を設けています。僕たちはこれを「おしゃべり会」と呼ぶようにしました。
おしゃべり会には、「舞台上」と「客席」という2つの空間はありません。ここでは誰もが同じ立ち位置で自由に語らい合うことができます。
今年5月に上演予定の『No. 1 Pure Pedigree』ではこれまで行ってきた、「創作の現場をひらくための活動」をさらに進化させていこうと考えています。
このように決意したきっかけは『信号』という一編の詩です。この詩は昨年10月、ご縁があって朝日新聞に掲載していただいたものです。
継続してnoteにエッセーのようなもの書かせていただいておりましたが、媒体が新聞ということもあり、ふだんよりも多くの方が、僕の言葉と触れ合ってくださいました。
書かれている内容を自分なりに解読して僕に話してくれる人もいましたが、何が書かれているのかさっぱりわからなかったという人もいました。
僕はその頃作品について語ることを避けていました。野暮ったい行動だと思ったからです。しかし時間をかけて創った作品が理解されずに葬り去られるのは作家にとって悲しいことです。せっかく創った作品なんだからできるだけ多くの方のこころに届いてほしいと願うようになりました。
だからこれから5月の公演にむけて、作品や演劇について自分がどのように考えているのかを、できるだけ平易な言葉をつかって記していきたい。主にnoteに。Twitterは何度試みてもつかいこなすことができない。
でもまとまった長文を読むにはそれなりの時間と労力を要しますから、noteの内容をTwitterでかんたんにまとめられたら、と思ってはいるのですが…。
今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。 これからもていねいに書きますので、 またあそびに来てくださいね。