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ジョーカー

やっと見ました…正直、映画館で見なくてよかったかもしれない(さすがに大スクリーンで見たら落ち込みそう)テレビで見たので割とマイルドに落ち着いて鑑賞できた様な気がします。

ジョーカーというキャラクターについて

「バットマン」に登場する最凶のヴィラン、ジョーカー。どっちかというとコミカルで、シニカルで、ちょっとしたコミックリリーフみたいなイメージもあったのですが、クリストファー・ノーランの「ダークナイト」あたりからジョーカーがシリアスなキャラクターとして認識され始めたイメージがあります…

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私の中のジョーカーは、カートゥーンネットワークで見ていたこのジョーカー。悪いやつではあったんですが…コミカルだったんですよね。アニメだからかな?

今回の「ジョーカー」では、そのシリアスの極みだった様な気がします。今までフォーカスされなかったジョーカーの誕生譚、コミカルのコの字もなかった…

狂気の連続

ひたすらに暗く、常に鬱々とした雰囲気が漂うこの映画。ファーストシークエンスからげっそりです。

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差別され疎まれ、でも自分ではどうにもできない苦しさ。それでもコメディアンになりたいという夢を持ち、なんとか生活しているアーサーの姿が見ていて辛い。これまた、ホアキン・フェニックスが異常にうまいんだよなあ…この人、今まであんまり興味なかったんですがほんまに凄いんや…

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この痩せ細った体よ…恐怖すら感じます。(記事によると20キロ以上減量したんだとか)照明の色といい、カメラワークといい、このシーンは本当に恐ろしいシーンでした。

きっと誰もがジョーカーになり得る

映画公開時「犯罪を誘発する」と言われた本作でしたが、私はそうは思いませんでした。映画を最後まで見ればそうじゃない事は分かると思うんだけどなあ…誘発するんじゃなくて、「こうなり得るから気をつけようね」って事なのでは…?(こう文字にすると馬鹿みたいですけども)

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ラストシーンの恐ろしさ

前半に関しては結構だるいな〜と思っていたのですが、アーサーが「ジョーカー」として覚醒し、マレー・フランクリン・ショーに向かうあたりから、俄然スピードアップしてドキドキ感が増しましたね。予告編などでも、ジョーカーの姿をしたところがフォーカスされていたので「待ってました!」という気持ちになってしまった…

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「タクシードライバー」でアーサーと同じく、抑圧され爆発する若者を演じたロバート・デ・ニーロが銃を向けられるというのは…なんとも言えぬ気持ちになります。
ロバート・デ・ニーロ演じるマレー・フランクリンは素敵な男かと思いきや、アーサーにとっては残念ながら英雄ではなかった様で。彼の意見も尤もだし否定できるものではありませんが、やっぱりこのシーンではダメだったよなあ…アーサーはそもそも自分に銃を向けるつもりだったのに、結局煽られてマレーに銃を向けてしまった訳ですし。これまた、押し問答もなくあっさり撃たれてしまうマレーを含むこのシーンはちょっときついシーンではありました。

ラストシーンについての考え

色々あって(笑)民衆に英雄として称えられるアーサーですが、ラストシーンはどっかの精神病棟でカウンセリングを受けている様子。劇中に出てきたカウンセリングよりもずっと本格的な、閉鎖病棟っぽい雰囲気の中で話しているのです。そして、両親を目の前で亡くした幼きブルース・ウェインのカットが入り、ニヤニヤと笑う訳ですが…
結局、これは映画冒頭からずーっとアーサーの妄想だったという事で良いんでしょうか…?ラストのラストでは、カウンセラーっぽい人を襲ったのか赤い筋と、奥の廊下で職員から逃げ惑うアーサーの姿で終わるという…いや、これは強烈に怖いというか、末恐ろしいラストだと思うんですが…どうなんでしょう?

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このシーンではアーサーの髪は黒髪に戻っていますし、私たちがずっと見ていたこの映画の諸々は全部彼個人の妄想だったと思えば、色々と折り合いが付く様な気もするのですが…果たして。
ある意味「かなり高度なコメディ」とも捉えられると思うんですけど、ちょっと高度すぎて私はついていけなかったかもしれないなあ。笑

もっと博識な方が見れば、色々と考察する部分や気付く部分もたくさんあるんだと思うんですが、私の様なアクション映画しか見ていないタイプの人間にはちょっと高度すぎて…笑
大人しく「ダークナイト」見る事とします。


ジョーカー

Joker
2019年 アメリカ
監督:トッド・フィリップス
出演:ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロ、ザジー・ビーツ、フランセス・コンロイ、他


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