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来る

私の超推し、黒木華ちゃんが出演しているので
劇場でも見て、WOWOWでも見て、
アマプラに追加されたのでまたもや見ました。
映画公開前には原作を読んでいた事もあって、
前情報はしっかりある状態で見たのですが
別物として面白いかなあという感じ。
中島哲也監督は、実はあんまり得意ではなかったのですが
この映画に限っては、超好き!

という訳で、今回も偏愛レビューです。

黒木華の儚さ、そして豹変ぶり

黒木華ちゃんは、その見た目からか、
割と弱弱しく儚い雰囲気のキャラクターを演じる事が
多い様に思うのですが…
実はなんでも出来る方で、はっちゃけた事も悪役も
なんでもおやりになる方なのです。
なので、今回久しぶりに
「古風」「清楚」以外の華ちゃんが見れて嬉しかった…

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色々な抑圧から開放されていく姿は、鬼気迫るものがありました。
ああ、やっぱりこの人好き!

妻夫木聡はクズ役が似合う

多分、本人も好青年だし、実際そういう役が多かったけど
私はクズ役をやっている妻夫木聡が大好き。笑
「渇き。」も、軽薄な感じがうまくてとても良かった!

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今回も無自覚モラハラというか、人の気持ちが分からない嫌〜な奴でね…
いや、本当に心から妻と子供を愛していたんだとは思いますが、
それよりも自分が大事だし、
家族を大事にしている「自分」が好きなんですよね。
その薄っぺらさというか、浅さが、
妻夫木聡の笑顔だとまあ見事にマッチする事!

松たか子のかっこよさ

私、松たか子も大好きなんですけども。
いやあ〜、今回も素晴らしかった。

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ビジュアルも、抑揚のない喋り方も、雰囲気あって圧倒的。
この人の登場で、「あ、大丈夫かも」と思えてしまう。
だからこそ、冒頭シーンでも使われる「秀樹との電話シーン」で
安心しちゃうんですよねえ…

本気の柴田理恵

タレント、コメディエンヌとしてのイメージが強い柴田理恵。
バラエティ番組で見る事がほとんどですが、
ワハハ本舗の所属ですし、お芝居はうまいに決まっている。
でも、ここまでかっこいいとは思わなかった…!

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いますよね、こういう頼りになりそうなおばさん。
このシーンほんとに良かった!
後半も大ラスまでちゃんと残ってくれていたのも嬉しかったなあ。

後半の壮大なバトル感

この映画は三部に分かれていて、
最後の三部目は、「あれ」との直接対決になります。
松たか子演じる琴子が警察と話すくらいから
「おやおや?」となるのですが
対決の為、たくさん人が集まって大除霊を行います。
その描写が細かくて良い!

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宗教問わずたくさんの人が集まります。
普通のおばちゃん、女子高生なんかもいて、細かい!
特におじさん達が新幹線に乗ってきて、ホテルで着替える描写は
見た事はないけど「実際そうかも!」と思えるシーンでワクワクしました。

二度目以降がより楽しい

先述した通り、三部に分かれているこの映画。
一部は軽薄な秀樹視点での「ハッピー」から事の起こりを描いています。
二部は秀樹の妻、香奈視点によるストーリー。
秀樹を失い、疲れ果てて、本音が出てくるところ。
一部でなんとな〜く感じていた秀樹の薄っぺらさが確信に変わるのです。
この答え合わせ感はとても良い!
一部と同じシーンをうまくつかっていて、見応えがあります。
そして、本性を表す香奈の恐ろしい事。
青木崇高演じる津田との絡みもそうですが、
少しずつ壊れていく感じ…
二部のラスト、香奈の退場は原作と違って新幹線じゃなかったのは残念…
トイレでも十分怖いんですけど、
新幹線のトイレって、密室で逃げ場がない感じが、
そして「あ、逃げ切れるかも!」と一瞬希望が見えたのが
より絶望的で良かったんだけどなあ…

オープニング、エンディング

オープニングカットは毒々しい感じで、
この映画っぽくてとても好みでした。
短くてあっさりしているのも良い。
エンドロールも、潔い短さでしたねえ…
三部は特に勢いがあって、息つく間もないのですが、
ラストシーンのオムライス(賛否両論ありますが笑)で
一度ほっこりさせておいて、
エンドロールでまたもや作品の世界に引き込まれる感じ。
私はキャストやスタッフの名前もじっくり追いたいので、
目が大忙しだったけど、
珍しいタイプのエンドロールでなかなか好きでした。
曲も合っていて良かったな〜!


中島哲也監督といえば、「告白」のイメージが強くて、
イメージカットをつないで意味ありげに作ってくるけど
あんまり深みがない…という印象がありまして。笑
下妻物語、嫌われ松子の一生は好きなんですけど、
告白あたりから、毒っぽく見せる為の短絡的な手法の方が
気になってちょっと離れていまして…
でも、「来る」でやっぱすごいな!と思いました。
ちょっと見ただけで中島哲也って分かる感じ。
どの作品でも、一貫した監督の世界観があるって
なかなかできないんじゃないのかなあ…
直接的な怖さはもちろんだけど、
あとからジワジワくる、いや〜な湿っぽい怖さがある。
怖いのが苦手な方でもお昼間なら見れるんじゃないかな…?
(私も基本はホラーは苦手)
どっちかっていうと、人間の方が怖い映画でした。


来る

2018年 日本
監督:中島哲也
出演:岡田准一、黒木華、小松菜奈、松たか子、妻夫木聡、青木崇高、柴田理恵、他

この予告編で「ぼぎわん」というワードを一切出さない感じ、
とてつもなく好みでした!
原作の表記が出るところも「ぼぎわん」の文字を
ぐしゃぐしゃっと消す感じ。
得体の知れない感じがして、雰囲気が出ていたなあ〜

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