“marry with” という間違った表現を徹底的に掘り下げてみました!【パート15】
「アナと雪の女王」の終盤の一場面。
今回はネタバレになってしまうといけないので、ハンスが言ったセリフのみ掲載します。
その中の “marry into” のみを取り上げて説明しようと思ったのですが、marry with という間違った言い方の方に思わずのめり込んでしまい、抜け出せなくなってしまいました。
① I knew I'd have to marry into the throne somewhere.「他国の王家の娘と結婚しないとな」
marry「…と結婚する」は使い方が少し複雑な単語なので、marry into ... を深掘りする前に、marry について触れておきたいと思います。
以下の marry with に関する説明をお読みただき、ぜひご意見を頂ければ嬉しいです。
ご存知の方も多いと思いますが、「私は彼女と結婚した」は、
I married her. と表し、I married with her. とは言いません。
また同様に、典型的なプロポーズの言い方も、Will you marry me? であって、Will you marry with me? とは言いません。
marry は他動詞なので、with という前置詞は取らないのです。
ではどうして 「with はつけないのか?」、もっと言えば「 marry with ... としてしまうとどんな意味になってしまうのか?」を考えたことがあるでしょうか?
以前カナダ人の方にこれについて聞いたことがあります。彼曰く、
「 I married with her. だと、私と彼女(フィアンセではない全く別人の人)が同時にどこかで式を挙げた、というふうに考えてしまう」
すなわち、「彼女と結婚した」ではなく、「私は私で、彼女は彼女で、同時に別々に結婚した」となるということです。
これを聞いた時は「面白い!」と笑ってしまいましたが、彼(カナダ人)の答えを ChaGPT にも聞いていたところ、
という答えが返ってきました。(太字の部分)
「トムとナンシーは同じ場所でそれぞれ違う人と結婚した」とカナダの方と同じ答えでした。
ただ、ChatGPT も、この解釈はかなり拡大解釈した場合であり、実際は Tom married with Nancy. なんて言わないとのことです。
私は ChatGPT を使う場合はそのほとんどが英語による質問ですが、この marry with ... についてはその意図を理解してもらうのに時間がかかってしまいました。
最初は I married with him. や He married with her. などを例文として聞いたのですが、なかなかうまく伝わりませんでした。
そこで Tom と Nancy のようなんて人名で書くとうまく伝わりホッと一息です…。
最後に、ハンスが言った marry into the throne について触れたいと思います。
throne は「王位、王家」という意味で、直訳は「王家の中へ結婚する」ですが意味が分かりづらいですね。
into... は He went into the house.「その家の中へ入って行った」となるように、「…の中に入り込む」イメージがあります。
ですから、marry into the throne は、「結婚して、王家の中へと入っていく」というイメージが出来上がります。そこから、字幕のように「王家の娘と結婚する」になります。
She married into a wealthy family.「裕福な家の人と結婚した」
marry の奥深さにはホント、参ってしまいました…
Thans for reading. I hope to hear any commenfs from you about the word “marry” or “marry with”. See you soon!
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