noteの水野さんというすばらしき助言者が教えてくれたこと(1度しか会ったことのない恩人)
長編小説『名もなき王国』全文無料掲載が始まって3日目。とてもありがたいことに、本編も、担当編集者による楽屋話も、たくさんの方にご覧いただいています。すべてはnoteディレクター水野さんの助言……というより予言だったのではというくらいの采配によるものなので、中間報告として水野さんからの教えをシェアさせていただきます。
こんにちは。ポプラ社文芸編集部の矢島と申します。
7月25日より、倉数茂さんの長編小説『名もなき王国』を10日間限定で全文無料掲載ということをやっております。
また、同時に、楽屋話として担当編集者の小原と矢島によるメール交換形式作品紹介を投稿させていただきました。
こちらの楽屋話から、本編のほうを読んでくださったというもったいないお言葉もたくさんいただきました。
たった2日間ですでにこの大長編を読み終えてくださった文学猛者たちも……!
どれも本当にありがたく、すべて探し出しては♥をつけさせていただいています。
スタートから3日めの今朝の時点で、2つの記事が合わせて6300PVという、生まれたてのnoteアカウントの、名もなき企画としては、大健闘といわせていただきたい数字がダッシュボードに記されていました。
ご覧いただきましたみなさま、「おもしろい」と拡げていただきましたみなさま、本当に、ありがとうございます。
なぜこういうnoteになったのか、それはもう水野さんというプロデューサーから薫陶を受けたとしか言いようがなく。
もうこの3週間くらい水野さんを頼りにしすぎて、心のなかで水野監督や水野プロ、モーセさんなどと呼んでいました。
noteで小説を全文無料掲載することについて、相談しました
『名もなき王国』の全文公開をnoteでやりたいのだけど、どういうやりかたがベストか、そしてどうすればたくさんの人に見てもらえるでしょうか、と7月初頭、渋谷のピースオブケイクに相談に行きました。
そこで以前からお世話になっている敏腕編集者・榎本さんに水野さんを紹介していただきました。
水野さんのファーストインプレッションは、とてもソフトかつ明晰!
そして、早口でMacが似合ってて会話の情報量多くて今どきのメディアの人……!
水野さんのスピードに少しのけぞり気味でしたが笑、水野さんだってWebプロモーションに疎い矢島を、縄文人かな? と思ったと思います。顔がうすいので弥生かも。
でも、その日帰社してからさっそくメッセンジャーで話し始めたら、「なんでも聞いてくださいね」の懐の深さがすごく、とたんにあれ? 地元の先輩だったっけというくらい親しみを感じ始めました。とにかくものすごく親切なんです。即反応をくださるし、「なんでも」の言葉どおりめんどくさがらずになんでも教えてくださる。
↓つねにこのくらいお優しい。
そんな水野さんから打ち合わせで教わったこと。
おもに次のふたつのポイントのおかげで書くことができましたし、いただいた反響を見ていると、「おもしろい」と感じていただいているポイントも、このふたつなのではと思います。
☑「エモけりゃエモいほどいいよ」
※意訳です
これはもしかして、noteに慣れ親しんでいるかたには、かなりの基本事項なのかもしれません。でも、私たちにはとても新鮮でした。
『名もなき王国』は、大ボリュームで構造に仕掛けがあって文章が知的だから、一見ハードルが高そうに感じられるけど、その実、倉数さんが「読んでくれる人を楽しませたい」という一心で書いているすごく普遍的なワクワクの詰まった物語なんですよ!! とピースオブケイクのおしゃれなオフィスで騒ぐ私に、
「うんうん、矢島さん、この作品にかける思い、異常でいいですね。それそのまま出しちゃいましょう。ものすごくエモくて細かくて熱がほとばしってる製作過程みたいなのを書いて、全文公開と同時に出すのがよきですよ。写真とか年表とかデータとかメモとか入ってるほどよき」(※大意)
と水野さんは言ってくださいました。
私たち担当者が出ていって何かを書くという発想がなかったので、「ほ、ほんとに……?」「倉数さんの作品を邪魔しない……?」「あと、そんなの、読んでもらえる…?」という不安はなかなか消えませんでした。
でも、まずはやってみると決め、なるべく詳細な舞台裏をお見せしようと考えていきました。
☑「具体的な読者を思い浮かべて、語りかけるように書いちゃいなよ」
※意訳ですよ
振り返ってみるとこのアドバイスが、本当にありがたかったです。
『名もなき王国』が完成するまでの5年間にいろんなことがあったので、伝えたいことを一緒に担当している先輩の小原とふたり、紙に書きだしてみました。材料はじゅうぶんにありそうなのだけど、なんだか漠としている。どうまとめようか。ふたりして腕組みして悩んでしまいました。
小「うーん、ふたりで書きたいよね。パートを分けて書く?」
矢「うーんうーん、なんかしっくりこないですよね。そうだ、水野さんが誰か具体的な読者を想定してその人に向けて書くのもいいって言うてはった…」
小「なるほど。……じゃあもう私たち、お互いに向けて書く?笑」
小・矢「「あっ 『ののはな通信』!!」」
と、そのとき毎日のように「最高だよね」とふたりで話していた三浦しをんさんの作品オマージュをやりたいと舞い上がってしまったのでした。
お互いに向けて書きつつ、とはいえ『名もなき王国』を初めて知る人への作品紹介として成立させないと。
この日の数日前に倉数さんに熱いファンレターをくださった北海道にお住まいの若い女性がいて一同で感動したので、我々のやりとりをその彼女に見てもらうことを思い浮かべながら書こうという話にまとまりました。
***
そして、どうにかこうにか書き上げ、はらはらしながら投稿ボタンを押しました。アップ後も記事を見ていくつもアドバイスをくださるという、たゆまぬバックアップ。
↑このころには水野さんの口調がうつっています。会ったのは打ち合わせの一度きりなのに! 毎日のようにやりとりしてたから!
反響についても一緒にリアルタイムで追いかけてくださいました。昨日の会話です。
お世話になりました……!!!
いいとしした会社員ふたりが「さや」とか「みど」とか言って大丈夫かなと躊躇はもちろんありまして、あたたかく受け容れていただいた感謝に変えて、以上のことを中間報告とさせていただきます。
楽屋話のそのまた楽屋話……!笑
もうこんなnoteも書いちゃって恥ずかしいので、水野さんとは永遠に1回だけ会ったことのある間柄でいたいなと思っています……。だってオンラインで打ち合わせできないことないし。
水野さん、みなさん、ありがとうございます。残り6日と半日(そしてその先も)、ますます『名もなき王国』をよろしくお願いいたします。
7月30日月曜日(書籍発売前にやる読書会……!)のイベントも、ぜひお越しくださいませ。ゆっくりお話ができたら嬉しいです。
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