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『黙らなかった人たち』荒井裕樹

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普通の人がこぼした愚痴、泣き言、怒り。生きづらさにあらがうための言葉を探る、文学研究者による異色エッセイです。
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#詩

「お国の役」に立たなかった人(荒井裕樹)

「お国の役」に立たなかった人(荒井裕樹)

連載:黙らなかった人たち――理不尽な現状を変えることば 第7回
普通の人がこぼした愚痴、泣き言、怒り。生きづらさにあらがうための言葉を探る、文学研究者による異色エッセイ。本稿は、2018年8月6日にWEB astaで公開された記事を転載したものになります。

伝説のデパートマン 実は、祖父母と接した記憶がほとんどない。「じいちゃん、ばあちゃん」というと、ぼくには何だか遠い存在だった。
 そのせいか

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「相模原事件」が壊したもの(荒井裕樹)

「相模原事件」が壊したもの(荒井裕樹)

連載:黙らなかった人たち――理不尽な現状を変えることば 第6回
普通の人がこぼした愚痴、泣き言、怒り。生きづらさにあらがうための言葉を探る、文学研究者による異色エッセイ。本稿は、2018年7月9日にWEB astaで公開された記事を転載したものになります。

不気味な「予感」 神奈川県相模原市の「津久井やまゆり園」で起きた障害者殺傷事件から、2年が経とうとしています。
 あの事件で尊い生命を奪われ

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「地域」はどこにある?(荒井裕樹)

「地域」はどこにある?(荒井裕樹)

連載:黙らなかった人たち――理不尽な現状を変えることば 第5回
普通の人がこぼした愚痴、泣き言、怒り。生きづらさにあらがうための言葉を探る、文学研究者による異色エッセイ。本稿は、2018年6月8日にWEB astaで公開された記事を転載したものになります。

「地域」という名の地域はない――「地域の絆を見直す」
――「地域の活力を取り戻す」 
――「学校で地域の事情を学ぶ」
――「防犯で大切なのは

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「みじめ」な社会と「痛み」の言葉(荒井裕樹)

「みじめ」な社会と「痛み」の言葉(荒井裕樹)

連載:黙らなかった人たち――理不尽な現状を変えることば 第4回
普通の人がこぼした愚痴、泣き言、怒り。生きづらさにあらがうための言葉を探る、文学研究者による異色エッセイ。本稿は、2018年5月1日にWEB astaで公開された記事を改題し、転載したものになります。

保活と分断「保活」が、しんどかった......。
「保活」とは「子どもを保育園に入れるための活動」のこと。いまでもよく話題になってい

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「期待」ではなく「希待」(荒井裕樹)

「期待」ではなく「希待」(荒井裕樹)

連載:黙らなかった人たち――理不尽な現状を変えることば 第3回
普通の人がこぼした愚痴、泣き言、怒り。生きづらさにあらがうための言葉を探る、文学研究者による異色エッセイ。本稿は、2018年4月2日にWEB astaで公開された記事を改題し、転載したものになります。

のび太のママに一言いいたい「4月」「新学期」「新生活」

 こういう言葉を目にすると、ぼくは少し気が重くなってしまう。
 たぶん、個

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この社会に「ない」言葉を探す(荒井裕樹)

この社会に「ない」言葉を探す(荒井裕樹)

連載:黙らなかった人たち――理不尽な現状を変えることば 第2回
普通の人がこぼした愚痴、泣き言、怒り。生きづらさにあらがうための言葉を探る、文学研究者による異色エッセイ。本稿は、2018年3月7日にWEB astaで公開された記事を改題し、転載したものになります。

ぼくたちは誰も「励ませない」?「がんばって」
「負けないで」
「だいじょうぶだよ」

 あなたは、どんな言葉に励まされますか?
 中

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