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『黙らなかった人たち』荒井裕樹

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普通の人がこぼした愚痴、泣き言、怒り。生きづらさにあらがうための言葉を探る、文学研究者による異色エッセイです。
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誰かの「一線」を守るための言葉(荒井裕樹)

誰かの「一線」を守るための言葉(荒井裕樹)

連載:黙らなかった人たち――理不尽な現状を変えることば 第9回
普通の人がこぼした愚痴、泣き言、怒り。生きづらさにあらがうための言葉を探る、文学研究者による異色エッセイ。本稿は、2018年10月2日にWEB astaで公開された記事を転載したものになります。

「文学者」の仕事って、何だ? 息子が4歳の時のこと。「パパのお仕事ってなに?」と聞かれて、思わず黙り込んでしまったことがある。
 そういえ

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「ムード」に消される声(荒井裕樹)

「ムード」に消される声(荒井裕樹)

連載:黙らなかった人たち――理不尽な現状を変えることば 第8回
普通の人がこぼした愚痴、泣き言、怒り。生きづらさにあらがうための言葉を探る、文学研究者による異色エッセイ。本稿は、2018年9月3日にWEB astaで公開された記事を転載したものになります。

モヤついたり、イラついたり......。 性格上、あんまり「ブチッ!」とくることはないけど、ここ数年は「モヤモヤ」もしくは「イライラ」するこ

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「お国の役」に立たなかった人(荒井裕樹)

「お国の役」に立たなかった人(荒井裕樹)

連載:黙らなかった人たち――理不尽な現状を変えることば 第7回
普通の人がこぼした愚痴、泣き言、怒り。生きづらさにあらがうための言葉を探る、文学研究者による異色エッセイ。本稿は、2018年8月6日にWEB astaで公開された記事を転載したものになります。

伝説のデパートマン 実は、祖父母と接した記憶がほとんどない。「じいちゃん、ばあちゃん」というと、ぼくには何だか遠い存在だった。
 そのせいか

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「相模原事件」が壊したもの(荒井裕樹)

「相模原事件」が壊したもの(荒井裕樹)

連載:黙らなかった人たち――理不尽な現状を変えることば 第6回
普通の人がこぼした愚痴、泣き言、怒り。生きづらさにあらがうための言葉を探る、文学研究者による異色エッセイ。本稿は、2018年7月9日にWEB astaで公開された記事を転載したものになります。

不気味な「予感」 神奈川県相模原市の「津久井やまゆり園」で起きた障害者殺傷事件から、2年が経とうとしています。
 あの事件で尊い生命を奪われ

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