帰国者バッシングすごいね

ここ最近、ネットニュースでコロナ関係の記事を読んでいて、海外からの帰国者へのバッシングがすごいと感じる。このバッシングのせいで帰国を躊躇っている、もしくは断念した人も結構いるのではないか。

かくいう僕も現在海外にいて、コロナ騒動が収まるまで帰国する気はない。自身が感染していないと100％は言い切れないし、帰国してもそこから二週間隔離生活である。公共交通機関は使えないし、隔離中のホテル手配などもすべて自己負担。さらに、帰国した人間はしばらくの間バイ菌扱いで後ろ指を指される。よほど重要な用事でも無い限り、あえて帰国する気にはならない。

海外から帰国した人間が感染爆発を本格的に引き起こしたと、大方認知されているようなので、このような扱いを受けるのは仕方ないと思う。しかし一方で、それぞれ違った事情を持つ人間を一括りに「帰国者」として偏見の目で見て叩く風潮に恐怖を感じる。叩く人間の中には「一刻も早く入国禁止にしろ」という意見もあるが、海外滞在中の身としてはこれほど恐ろしいことはない。

僕は現在フィリピン、ルソン島の奥地にいる。フィリピンでは都市封鎖が３月の半ばに行われたが、これを僕がニュースで知ってから施行されるまでにかかった期間はわずか３日である。空港の近くに滞在しているならまだしも、バスで数時間移動しなければならない。現地の観光客や留学生が慌ててバスの予約をとることもあって、たった３日間のタイムリミットでバス席の予約を確保することは極めて難しい状況だった。そしてその後、厳しい隔離生活がスタートした。当初予定していたフライトも減便の影響でキャンセルになった。
今はまだ金銭的に余裕があるので大きな問題はないが、今後この状況が続けば悲惨だ。なにせ食費や滞在費などのコストは掛かるのに、最終手段の「帰国」カードが切れないからだ。本当に極限状態であれば、大使館にメールでも電話でもなんでもして帰国の手配をしてもらえるかもしれないが、後々ものすごい金額を請求される可能性もあるし、ものすごく迷惑も掛けることにもなる。

すでに現状、不安だ。それに加えて、日本への入国を禁止されるというのはトドメの一撃を刺されるような気分になる。一部の帰国者のマナーがなっていないからといって、帰国者すべてに対して偏見の目を向けるのは止めてもらいたいと切に願う。