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サウナパンツも愛でたい

みなさん、サウナパンツ 好きですか?


世界的にみても珍しいサウナパンツという文化。

その「物としての魅力」を通してマニアックに愛でたいと思います笑


実は僕は浴場内だと着たり着なかったりするのですが、

日常、「外に来ていけるパジャマ兼下着」くらいの感じで、

めちゃめちゃ愛用しています。


基本、「パンツを履いてからサウナパンツを履く」のですが

周りの愛好家は「家〜コンビニくらい想定なら直履き」という

社会的な死を恐れない猛者もいました(笑)


楽しみ方いろいろなサウナパンツについて、今回は二部構成でお届けします。


今回は第一部。


サウナパンツと言えばコレ!リポス社の品番(OS-3241)「僕がイケてると思うポイント」を紹介させていただきます。

今回はサウナパンツ好きでも、さらにマニアックな方しか全く面白くないと思われます笑

良かったら読んでってください。



第一部 Repos社のOS-3241を愛でたい



織ネームについて

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この  "REPOS OS-3241"の織りネーム、


もう


しっかり


良くないですか?(笑)


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ボディと色合わせした配色、

躍動感のあるRのハネ、

品番自体もネームに織り込む「心意気」


「南仏のヴィンテージ」とか「ヨーロッパの古着」とか言われても納得しちゃいそうな品の良さ、あります。


ちなみになのですが、この品物には「洗濯ネーム」がありません。


特に悪いことではなく、


「小売向けではなく、プロ向けの品物」であることが読み取れます。


しかし大概の場合、そういう「プロ向け」のネームって

結構適当というか、「まぁつけとくか」みたいなノリが多いです。


例えばこういう駄洒落系とか

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それが「イイ」みたいなのももちろんあるんですけど(笑)


とは言え


そんな中、この「ネームの完成度」ってセンス良すぎじゃないですか?

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生地について

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画像奥が3〜4年履いたヴィンテージ、手前が新品です。

経年で光沢とハリが減って、着心地がよくなっていきます。

このくたっとした「ヤレ感」自体も魅力ですが、

一般的なパンツだと、

ここまで使い倒すと生地よりも先に「縫製部分」が壊れちゃって着れなくなることが多いと思います。

例えば「古着」でヤレたボトムス探すと「リペア跡」があったりしますね。


しかしこのサウナパンツ。

後述しますが「型紙上に設計されたゆとり」「無駄に丈夫な縫製」により、ヴィンテージ感が出てきても縫製部分が全然へこたれてないです。


きっとサウナストーンより長持ちします(笑)


さらに、特に夏場はめちゃくちゃヘビロテのサウナパンツですが、

洗濯した後、乾くのめちゃめちゃ早い(笑)

サウナパンツは陰干し、室内干しでも驚きの速乾性。

風通しがよければおそらく1〜2時間でまた履けます。


※コレを書いているさなか、別件でNW吉田さんにこの話をしたら、

「サウナパンツ はサウナマットより洗濯工賃が安い」とおっしゃっていたので、おそらく「乾燥」の時間や手間がめちゃくちゃ短くて済むからだろうと予想が立ちました。


うっすら光沢とハリがあり、ちょうど透けない打ち込み(生地の密度)。

生地の見た目、触感、「乾きの速さ」から推測するにおそらく

コットンとポリエステルの混紡でしょうね〜。



かたちについて


サウナパンツと言えばこの感じ。

すでに”イイ”ですよね

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コレ、前からみるとまぁ普通なのですが、

実は後ろからみると結構特徴があります。

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わかります?


一般的な「パンツ」や「ズボン」って

「右前」「右後」「左前」「左後」の ”四面構成”

がまぁ定番といっていいと思います。


※最近はグラミチ発祥の「お股」パネルも加えて五面?構成も多いです。

ただこの「五面」はグラミチの「開脚しやすいように」というブランドストーリーやアイデンティティとは(おそらく)無関係に「生地のとり都合がいいから」という「経済的合理性」が理由でパクられまくってるというなんとなく悲しい感じもありますね。

※「とり都合」というのは、「生地に型紙を置いて裁断する際に、いかに無駄を少なく配置できるか」という用語で、「良い」と無駄が少ない=捨てる生地が少ない。「悪い」と無駄が多い=捨てる生地が多いという意味になります。


脱線しました(笑)


そう、このサウナパンツは


「右ぐるん」

「左ぐるん」

「おけつ」


の ”三面構成” なんです。


愛らしいですね〜。

三面構成1

三面構成2

分解するとこんな感じ。

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「好きなものを分解する」ってマンガにでてくるサイコキャラみたいですね(笑)

しかし、分解することで「型紙上で設計した人の意図」が読み取れることもあるんです。サイコメトラーです。

勘違いの可能性もありますが笑


サイズスペック的に言えば「極端にゆとりが大きい」と言えると思います。

シンプルに

<ウエスト平置きで>
ゴム収縮時:33cm
ゴム伸長時:64cm

ということは理論上、

「履くところの腰回りが66cm〜128cmの人まで履ける服」

こんなユニバーサル設計、なかなかない笑


またこの「極端なゆとり」「着心地」の関係性は各所のサイズ感にも表現されています。


一般的な「洋風なパンツ」を履いていて、

意外と「当たり前になっちゃってしまうストレス」というのがあります。

それは「洋風なパンツ」は「椅子に座る文化」の上で発展してきていると言って良いと思います。

パタゴニアさんの名品「スタンドアップショーツ」なんて

「立ってる状態に最適化しました!」みたいなものです。

※違ったらすみません(笑)


しかし日本人は「あぐら」「体育座り」もしますよね。

なので、着用時に「突っ張る」みたいなことが当たり前になっています。


しかしこのサウナパンツ、そういうことがほぼない。

つまり、あぐらをかこうが、体育座りしようが、椅子に座って足を組もうがほぼノーストレス。

※ただし隙間から”何か”が見えちゃうリスクはあります(笑)


第二部でちょっと紹介しますが「しらかばスポーツ」にサウナパンツを配布したのですが、体型も体重も様々なメンバーがいきなり高回転で使用してくれているのは「そういう事」なんだと思います。

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こういう変わった形なので、サウナパンツって、履くとこう絶妙な「間抜けさ」が出ちゃうんですよね〜。「おけつのたゆみ」まわりが特にイイ。


で、この ”三面構成” なんですけど

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おそらく元ネタは


「ステテコ」や「トランクス(古い型)」と思われます。


なのであんまり馴染みがない形ではないでしょうか?


「とり都合=(経済的合理性)」でいえば”四面構成”の可能性もあるなか、

企画段階であれば結構「攻め」の企画ですよね。

※厳密な生地の巾を知らないので想像です。


もしくは、「サウナで使うようなパンツ作りたいんやけど」っていうリクエストに対し、むかーしからステテコやトランクスを縫ってる工場さんに作ってもらったっていう可能性もありますね。


ちなみにここ数年、「ステテコ」と名前をつけてる物は”四面構成”の物も多いです。


別にいい悪いじゃないんですけど、個人的に昔ながらのステテコの「つくり」の物の方が「ちょっと変わってていいかんじ」がします。


謎のディテールについて

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今回のタイトルの画像です。


なんか違和感ないですか?


これはあとで答え合わせできると思いますのでしばしお待ちください。


縫い方について

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この画像でいうところの縦の二箇所の縫い合わせ部分。

縫い目

これ見て「お?」と思ったアナタは縫製好きですね。



この縫い方は「本巻き伏せ縫い」(巻き伏せ本縫い)といいます。



縫い合わせた端(縫いしろ)の部分が体に触れないように 

巻き込んで縫い込む縫い方で、

主にシャツなどの脇の縫い目に使われています。

参考:http://pleasulife.com/html/page36.html



なぜこんな手のこんだ縫い方をするかというと、

縫いしろがゴロつかず、肌触りがイイとされるのが一番の理由ですね。

シャツの脇の縫い目としては最高峰といって良いと思います。


見分け方としては一般的に

「表から見ると一本、裏から見ると二本縫い目が見える」のが特徴です。


なんですけど、

上記ってあくまでも「体にフィットした」「素肌に着るような」「上品な」シャツにおいての話です。


サウナパンツって

誰がはくかわからない、ゆるゆるフリーサイズな品物にこのスペック、いります?(笑)


しかも一回着たら脱衣カゴにポイってされるくらいのもんだし(笑)

こんな丁寧な仕事マジで誰も見てない(笑)

「駄菓子」に「高級和三盆」使うようなもんですよ(笑)




でも、そこがよくないですか?




この縫い方を採用することで、

そこはかとなく「品の良さ」が出ちゃうんですよね〜。


ちょっと見てコレ。新品のたたずまい。


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特に後ろ

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なんていうか「物としての説得力」っていうか、「安くても、安っぽくない」というか。

どうコレ?

品あるやん?

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で縫い方の話に戻ります。

コレは仮説なのですが、

おそらく「耐洗濯性」を考慮してこの縫い方にしたんじゃないかなとニラんでいます。


もしくは、

頑固一徹なステテコ職人が

縫製工場の現場で

「ステテコっつぅのはこう縫うんだよ!」

みたいなストーリーもあったりすると嬉しいですね(笑)



とはいえ

「丁寧に丈夫に作る」よりも

「簡単に作って壊れたら捨てる」考え方もある訳です。



どういう理由かは置いといても非常に贅沢な仕様なんですよね〜。



ちょっと本筋から離れるんですが「シャツの脇の縫い目」を

雑に紹介すると、


本巻き伏せ縫いは、

「表から見ると一本、裏から見ると二本縫い目が見える」

=一本針のミシンで二回縫う

その廉価版は

「表からも裏からも二本縫い目が見える」

=二本針のミシンで一回縫う

さらに廉価版は

「表からは縫い目が見えず、裏返すと縫い代がまとまって縫われている」

=ロックミシンで一回縫う

※オプションで縫いしろを倒す縫い方で、表に縫い目が出ることもあります


という種類があるのですが、もう一回さっきの画像見て欲しいんです

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アナザーカットも

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そう、

本巻き伏せ縫いは、

「表から見ると一本、裏から見ると二本縫い目が見える」

のが王道な(高く見える)見せ方なんですけど、

サウナパンツは ”あえて” それを裏使いにして

「表から見ると二本、裏から見ると一本の縫い目が見える」

裏使い

つまり、ぱっと見は廉価版にも見えるという選択をしている訳です。


ファッション誌なんかでよくある


「○○で高見せ」(高く見せよう)の 逆!!


こ、こ、で! 


ハズしてくる。

めちゃめちゃトリッキーです。


この遊び心、もしくは「いや自分、見せびらかす訳じゃないんで」感。

ないしは

「わかってないな〜。サウナパンツはあえて裏使いが一番ええんよ。。」

みたいな職人的理由があるのか。。。


いずれにせよ


「あえての ”安見せ” で "奥行き" を見せつけろ!」


っていう。。。



めっちゃめちゃ ”イイ” ですよね〜。




使用感について

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奥の大きいのがヴィンテージのやつで、手前に乗っているのが新品です。

明らかにウエストが伸びてきてますね(笑)

とは言え全然現役です。


そう、どうしても「ゴムは伸びる」んです。


ここでさっきの元ネタの話なのですが、


「トランクス」は普通、ウエスト部分は生地にゴムを縫い合わせて伸縮させてますのでゴムが伸びたら捨てるしかないんです。


ここでさっきの画像です。

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この画像左上の縫い目、一見「縫えてない部分」ありますよね?

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コレはおそらく


「洗濯でゴムが伸びたら交換する為の隙間」


ではないかと推測されます。


下着やステテコ?から着想しつつ、



長期使用によるメンテナンス性もしっかりばっちり考えられている。。。



ここでまた脇道にそれるのですが、

生地を曲線で裁断して、機械のミシンで縫う「洋裁」

生地を直線で裁断して、手で縫う「和裁」の根本的な考え方の違いって

めちゃくちゃ乱暴な言い方をすると

「壊れにくい(=直しにくい)けど、すごく丈夫」な作りを目指すのか、

「壊れやすいけどすごく直しやすい」作りを目指すのか。

つまり  ”不可逆性” と "可逆性" を軸にしたときの

「物づくりの方向性の違い」があるんです。


洋裁だと「一回進んだら戻れない(=直せない)ポイント」があったりします。わかりやすいところだとデニムのリベットですね。

和裁だと「おばあちゃんの浴衣をほどいて、孫のサイズに仕立て直すことができる」(しかも縫い糸も再利用したりする)ようなこともあるわけです。


何が言いたいかというと

先ほどの「ゴムの入れ替えをしやすいように開けられた小窓」って、

ものすごく「日本的発想」じゃない?ってこと。

しかも「洋裁」とめちゃくちゃ上手に融合してない?


このサウナパンツ、「日本文化の象徴」としてフィンランドあたり、


ん〜。。


狭いな。



世界で戦えるんだから「サウナ文化のある国全てに向けて胸を張って紹介」するべきといえますね。


「本質は表層に宿ることはなく、根っこに宿るものだ。」

とは僕の好きな仲間の言葉ですが、

まさに

「神は細部に宿る」

かつ、

「悪魔のように細心に、天使のように大胆に」

を体現してませんでしょうか?(だって「縫えてないように見える部分」を残しているんですよ?)


もうねこんなもんね

政府要人とかへの贈答用にもす〜ごい良い。

ウン十万するたまにしか巻かれないであろうファビュラスなストールとか贈るより、

毎日履きたくなるような魅力と、それを支える品質と心配り。


「日本の物づくりの魂」、絶対喜ばれると思うけどなぁ〜。



まぁその辺は良いとして(笑)



めちゃめちゃ ”イイ” ですよね?



よくない?



いや、めっちゃめちゃ ”イイ” 。。。



機会があったら会社見学とか、工場見学させてもらいたいですね〜。

※リポス社の方、見てたら是非ご連絡ください(笑)



もし可能であれば、

個人的に敬愛するラルフローレン先生(もしくは企画チーム)に、

この品物と、使用される背景を見てもらいたい。


そしてサウナで

RL様:「コレ、なんでこんな丁寧な仕事なの?」

僕:「コレが 日本のサウナパンツ、"Repos社" の物づくりです(ドヤァ)」

RL様:「Oh...Amazing....!」


っていうのやりたいです。きっと分かってもらえる。

自信がある。



というわけで、僕の大好きなRepos社のOS-3241の「愛でたいポイント」を紹介させていただきました。



サウナパンツを置いてある施設さんに行かれた際、是非ちょっと気にしてみてください。


※この品物、「どこで買えますか?」という質問には現状、事情があってお答えできません。先に謝っておきます。本当にごめんなさい!事情についてもお話できないのが悔しいところです。

とはいえ「買えない」わけではないので宝探し気分で探してもらうのは全然アリです。ただ、「どこそこで買えた」みたいなのをSNS等に掲載するのも個人的には控えて欲しいです。コレはもちろんただのお願いです。



続いて第二部ですが、


僕が運営する新たなレーベル、

健康healthy入稿データ-1

"BEST SAUNA FIT FOR YOU BY THE SEA"の第一弾リリースとして

”普段使い用にアップデートしたサウナパンツ”  を試行錯誤した

お話をさせていただこうと思います。

明日(6/18)アップ予定!

ご興味あれば読んでみてください〜。


ではサウナ行ってきます。



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「サウナグッズ研究室」室長。サウナグッズ研究室:https://ponyolionbanto.stores.jp  「金沢銭湯🍑の湯」など取扱。サウナ・スパ健康アドバイザー。2019/1月〜日本初ウィスキング集団 #しらかばスポーツ スタート!