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#ライフガード大会

クラブハウス前のビーチでビクトリア州ライフガード大会が開催されるため、朝から人の出入りの多いクラブハウスだった。

ビーチではテントを設営する人、放送機材などを設置してテストする人などでとても混雑していた。

海には、大会に出場するであろう選手たちがパドルボートを漕いだりしてウォーミング・アップを繰り返していた。テイム、ロイなどJanJucSurfClub(ジャン・ジャック・サーフクラブ)のメンバーも数名参加するようだ。

オーストラリアはビクトリア州を含めた6つの州と特別地域とに区分されていて、ビクトリア州の中でも最大のサーフタウン・Torquay(トーキー)のライフセービング・クラブが最も優勝に近い強豪クラブらしい。

日本で、ライフセービングの活動を見ようと思ったら、夏場の海水浴場に行くのが最も手っ取り早いが!海の向こう側の国々、特にオーストラリアとアメリカでは、頻繁にこういった競技会が開催されていて選手同士が切磋琢磨している。

サーフィンに限らず、こういったビーチカルチャー全般を見渡してみても日本のビーチカルチャーはまだまだ遅れているなぁーって痛感した。ビーチカルチャーの土台とも言える、地域に根ざした草の根運動的な活動をもっともっと底上げしないと、日本から世界に通用する真のサーファーは出にくいのかなぁ!? と感じた。

大会は、キッズ部門、ジュニア部門、メンズ部門、ウィメンズ部門、シニア部門とに分かれて競われる。勝敗も大切だが、何より老若男女、すべての人たちが大会そのものを大いに楽しんでいる姿がとても印象的だった。

みんなが海で繋がってるって感じがして、見ているこちら側も自然と笑顔になった。

ライフガードの大会は夕方の4時にはすべての競技が終了。1日中クラブハウスから大会を見学していて感じたことは、ライフガード一人一人のスキルの向上が、より多くの人命救助につながり、さらに選手でなくても大会関係者や選手の家族、友人なども、定期的に行われる大会に関わることを通して、海との調和を図りながら自然と人とが共存共栄していこうという高い意識をみんなで共有していこう!という思いが伝わってくるようだった。

ここJanJuc(ジャンジャック)での波乗りの仕方は人それぞれだ。サーフボードで波乗りする人。パドルボードで波乗りする人。ブギーボードで波乗りする人。体1つで器用に波の斜面を滑っていくボディーサーフィンの人。それこそ、人の数だけ波乗りの方法があるように思える。海の中では、みんながお互いを尊重し合い波乗りを楽しんでいる姿に感動すら覚えた。

残念ながら、1996年当時の日本では、何故か!?ショートボードで波乗りする以外はアンダーグランドな存在として見られていたような雰囲気だった。島国特有の閉塞感ってやつかな!?それだけにオージーの”おおらかさ”が眩しくてたまらなかった。

大会を終えたクラブメンバーの1人が・・『この辺のサーフポイント案内してやるよ!』と言って車を出してくれた。クラブハウス前のポイントからスタートして西へ進むと・・・リーフポイントの『バードロック』があり、さらに西へ進むと『ウィンキー・ポップ』がある。さらに更に西へ進むと、映画『ハートブルー』にも出てきた有名な『ベルズ・ビーチ』へと続く。この海岸線を総称してグレート・オーシャン・ロードと呼んでいるんだね。道中は見渡す限りな荒涼とした広ぉ〜い大自然が広がる。こういう環境を身近に感じながらオージーは育ってるわけだ。

あいにく、この日は夕方からオンショア風が強くなってきて、どこもジャンク・コンディションだった。この風がオフショアに変わったらGo! サーフィンに違いない。

夜、ベッドに入ってからも今日1日の出来事が頭の中で浮かんでは消えて、また浮かんでくる。

数日後にはサイズアップするであろう波のことを想いながら寝てしまっていた。



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