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#カリフォルニア エピローグ❗️

サーフトリップのはずだった2回の渡米(1999年/2000年)は、振り返って見れば、そのほとんどがカリフォルニアの遊びの文化(カルチャー)に振り回されて終わってしまった旅となった。

だけど・・・得たものは限りなく大きかった。サーフィンという波と戯れる遊びを”きっかけ”にして、カリフォルニア・ロサンゼルスの色々な顔が見えてきたからだ。

カリフォルニアっぽいものを買った。

珍しいもの、美味しいものを食べた。

…というのは、表面的なものでしかないが・・”目には見えない感覚的な何かを感じとった”旅だったとも言える。

その何かに含まれるひとつが ”匂い” だった。

なんで⁉︎ みんなこんなにイイ匂いがするんだろう?という、ひとつの疑問が様々なことを深く掘り下げるトリガーとなった。

色々な人種や文化が入り混じっていたカリフォルニア・ロサンゼルスには、常に変化し続けることこそが、快適に生きていくための処世術とでも言いたげな人々がワンサカといて、みんな積極的に "面倒なこと" を楽しんでいた姿がとても印象的だった。

変化の苦手な人々の多い、日本という国での生活に慣れ親しみすぎてしまうと・・ ”感覚的な何かを感じとる力” が薄れていくように思う時がある。変化しないことが当たり前な環境に慣れ切ってしまい、ますます変化することができなくなってしまう。そんな悪循環にハマっていくような気になる⁉︎

自由の国アメリカ”という言葉をよく聞くが・・本質は”自己責任の国アメリカ”というところに気づいている日本人は多くないと思う。

自由=何でもあり!ってことじゃなくて・・すべての物事において自分で責任を取れ!ってことを、カリフォルニアは強烈に教えてくれていた。

カリフォルニア・ロサンゼルスは一見(いっけん)すると、国がなんでもやってくれていて、至れり尽せりな印象があるけど・・最後の一線である一人一人に考えさせる領域を残すことは忘れていない。結果がどうあれ・・最終決断したのは自分自身だから、良くても悪くても結果をシッカリと受けとめ対処するというポジティブな空気が街中に充満しているように感じた。

日本人は世界の中でも恵まれている民族なので、普通に生活しているだけでは”不便を感じなくてもいいような環境"を国が整えてくれてしまっている。残念ながら・・最後の”自分の頭で考える領域”すらも残さずに整えてくれてしまった。それが良いのか⁉︎ 悪いのか⁉︎ は別にして・・・住み慣れた環境から少し離れてみて"物事を別な角度から見ることの大切さ"を、カリフォルニアサーフトリップを通して吸収できたと思っている。

残念ながら・・・今回、滞在した夏から秋にかけてのカリフォルニア・ロサンゼルスは、波乗りシーズンで言えばオフシーズンにあたる。オフシーズンって言うのは波が良くないってことだ。決して波に恵まれた旅ではなかったからこそ、波乗り以外の様々なことにアンテナを立てておくことが出来たんだと思っている。

滞在中に知り合ったローカルサーファーのクリスが言っていた。

『意外に思うかもしれないけど・・実は・・ロサンゼルスは冬が一番いい季節なんだぜ!』

『でっけ〜波は立つし・・空気はもっと澄んでる。少し雨が降ることもあるけど・・傘なんていらないぐらいの雨量だ。』

『機会があったら・・今度は冬のロサンゼルスで会おう!』そう言ってくれたことを忘れてはいない。

あれから20回目の冬を超えてしまった・・・

『クリスごめん!オレ寒いのダメだ!』

そう心の中でクリスに平謝りして・・カリフォルニア・ロサンゼルスから2,490マイル離れた常夏のマウイ島で波乗り修行していたことは内緒にしておこう。




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