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#ベルズビーチ day2

昨日はあれほど疲れていたはずなのに、寝て起きたら元気になっていた。

2階に上がっていくと、ティムとアンジェはすでに起きていてクラブハウスのデッキから双眼鏡で西側にあるバードロック・ポイントの波をチェックしていた。

『おはよう!身体バッキバキだよ!』と2人に声かけると・・

『バードロックもいい波だけど、今日ならまだベルズに波が残ってるかもしんねぇー!どうする!?ベルズまで行くか?』2人にそう言われてオレは即答する!

『行こう!ベルズ!』

マッハで朝食を済ませて、昼食のベジサンドと水、それに行きがけに車で飲むホットコーヒーをポットに入れる。準備万端!サーフボードとウエットスーツは、車の中にそのままだった。みんな車に乗り込む。今日はアンディが運転した。ベルズビーチが近づいてきた。

『うわぁー!やっぱデッケェー!ヒャッホー!!』

3人揃って奇声をあげる。昨日よりはサイズダウンしているとはいえ、頭以上のサイズは十分にある。準備体操を済ませてティム、アンジェ、オレの3人はゲッティング・アウト!海の水は川のように勢いよく動いている。恐ろしいほどのカレントだ。昨日は無我夢中で覚えていなかったけど、冷静になって見てみると・・ココは何もかもが強烈だ。波のサイズ、カレント、スープ(泡)の量、そして強面(こわおもて)のオージー・サーファーたち。あらためてココ怖いと思った。

昨日よりは確実にサーファーの数は増えている。ほぼポイントパニック状態だ。

こういう時は慌てずに乗れるチャンスをひたすら待つ。波待ちしながら他のサーファーのライディングを観察したり、うまいサーファーが波に乗り始める場所はどこか?確認したり、このポイント全体の様子を観察したりして、波に乗れなくても何かと忙しい。このポイントの海水は透きとおっていて、とてもきれいだ。ボトム(海底)は完全にリーフ(岩)であることが確認できた。

昨日は波に乗ることに夢中で、そこまでじっくり観察することができなかったが『こりゃ〜巻かれかた悪いとケガするなぁ!』正直、ビビった。

そうこうしていると、自分のとこにも乗れそうな波が入ってきだした。何本か良さそうな波に乗る。昨日よりはサイズダウンしているからだろうか、さほどピリピリした空気もなくみんなが順番に波に乗っていく。

オージーの波乗りを観察していて波の斜面を目一杯使ってターンをしていくことに気づいた。『えっ!そんなにボトムまで降りてっちゃうの?』って、ぐらいボトムターンが深い。オレもオージーのようなボトムターンを意識して波に乗ってみるが・・なんかしっくりこない。

近くに波待ちしているアンジェを見つけたので『オレのボトムターンって浅いかなぁ?』って聞いてみた。何本かオレのライディングをチェックしてくれたアンジェが『もっとボトムまで降りれるぞ!ココがボトムだと思った場所からさらにおりてみな!』そんな感じのことを身振り手振りで教えてくれた。

そうかぁ!自分では気づきにくいことも、第三者の目を通してみるとハッキリわかるんだ。そこからは、波に乗ったらボトムターンに全神経を集中した。

波待ちしている間も上手いサーファーのライディングを観察した。上手いオージー・サーファーのライディングは、ボトムまでねばってねばって一気にボトムターンしてギュイーンって感じ。そのまま、ほぼ垂直に波のトップへ加速して、そこでボードをスパッ!と素早く切り返してふたたびボトムを目指して急降下する。

『オージー!カッケェー!プロ・サーファーみたいだぁー!』

いつだったか!? 師匠から『サーフィンのスタイルは年々変化していくけど、波の乗り方の基本って実はそんなに極端には変わってないんだぜ。オージー・サーファーは深いドライブターンを好む傾向にあるし、カリフォルニア・サーファーには、ボードを素早く切り返すクイック・ターンが好まれるな!』って聞いたことを思い出していた。

とにかく練習あるのみ!ココに滞在していられるあいだに ”深いボトムターンをマスターするぞぉー!

この日も昼食を挟んでサンセットを見るまで、ひたすら波乗りしボトムターンの練習をした。

アンジェやティムが『こいつ!日本から1人できてるんだぜ!』なんて、話しをしてくれていたのでローカル・サーファーの知り合いも何人かできた。その日だけでホントたくさんのことを学んだ。サーフィンの技術的なこともそうだけど・・メンタルについてローカルサーファーから聞いた話しは『目からウロコ』が落ちた。言葉の意味をハッキリと理解できなくても、熱量というか熱意というかバイブレーションがビンビン伝わってきた。色々とアドバイスをくれたローカルサーファーの面々には本当に感謝。

西に沈んでいくサンセットを眺めながら『今日も最高な日だった!』そう思った。



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