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#カリフォルニア モーテルはとっても便利❗️

ハイウェイだけではなく、クルマ社会アメリカを根っこの部分でシッカリと支えているものにモーテルがある。広大な大地をクルマやオートバイで移動するアメリカならではの仕組みだ。モーテルは道路沿いには必ずと言ってもいいくらいにあってクルマ社会アメリカにとっては、とても身近な存在となっている。

そもそも”モーテル”っていったい何だろう⁉️

諸説色々(しょせついろいろ)あるようだけど・・・

自動車を表す単語 "motor/モーター"とホテルを表す単語"hotel/ホテル"

この2つの単語の頭(あたま)と尻尾(しっぽ)を取ってくっつけて"mo-tel/モーテル"となったという俗語説が一番シックリくるように思う。日常会話で言葉を極力省略する傾向にあるアメリカ人ならではの発想だと感じるし・・・そうであってくれた方がカッコイイ‼️

そして、モーテルは、誰もが安く気軽に泊まれる宿泊施設だということも大きなポイントだ。サーフィンすること以外に無駄なお金をかけたくない貧乏サーファーのオレにはうってつけだった。事前に予約をしなくても部屋が空いてさえいれば、飛び込みでの宿泊も "OK/オッケー" なのも使い勝手がいい。

そもそも、ホテルの宿泊料金が高いのは・・そこで働いている人の人件費が宿泊代金に盛り込まれているからなのだ。その点、モーテルは部屋の前にクルマを泊めて、自分で荷物を部屋に運びこむので余分な人件費は一切かからない。エントランスに1人か2人スタッフがいるだけだ。余分な人件費が掛からない分、宿泊代金もホテルよりは安くできるって仕組みだ。

クルマに積んだ自分の荷物を部屋に運び入れやすいように、駐車場を囲むように部屋がレイアウトされている。"駐車場/パーキング" に面した部屋の扉を開ければ自分のクルマが目の前にドーンって停まってるなんて、日本ではなかなかお目にかかれない光景だ。

1999年、初めてカリフォルニアに行った時は、オーストラリアJanJucでの苦い経験を生かして事前に宿泊場所を予約していったおかげで、とてもカリフォルニア的な良い香りがする快適なホテルに滞在した。

2000年、2回目のカリフォルニアでは、敢えてホテルを予約しないで渡米し現地で毎日違う”モーテル”を泊まり歩いてみた。日本で航空券を予約すると、そのほとんどが”航空券+宿泊”で申し込んだ方が料金は安くなるシステムになっているので人にオススメはできないが・・・

実際、現地でモーテルを泊まり歩いて知り得た多くの体験は、お金には変えられないものばかりだった。時折、廊下やランドリールームで挨拶を交わすだけだったけど・・モーテルという空間には、真実のアメリカ社会の実相がダイレクトに反映されているようだった。州間を移動しているという老夫婦。メキシコから出稼ぎに来ていたおじさん。リタイヤして釣り三昧な日々を送る白人のおじさん。訳ありな関係と思われる黒人の若いカップル。ラテン系のおばさん・・・間違ってもオシャレに敏感な若い人たちが泊まりに来るような場所ではないことは確かだった。

泊まり慣れてくるともうホテルには戻れないっていうのが正直な感想だった。なんと言っても、毎朝、フロントで出来立てのドーナツと煎れたての熱々コーヒーのサービスがあるのには感激した。基本的には、スタッフは余計なことは一切喋らない。聞かれれば、面倒臭そうに返事はしてくれるが決して親切ではなかった。それがかえってオレにはシックリきたのかもしれない。

宿泊する人たちとも顔を合わせることは極端に少なかったが、深夜に駐車場で大きな声で喚(わめ)いている人がいるぐらいだから・・ここが安全ではないことは想像できる。宿泊代が安くて最低限のスタッフしかいないということは・・・アメリカ社会では ”安全ではない” ということを意味しているようだった。

それでも、それこそがリアルなアメリカ社会なんだと思うと、不思議と怖くはなかった。一人旅だからこそできたんだと思う。

『タンジェリン』という映画がある。ショーンベイカーという人が作った映画だけど・・2000年、オレが実際にモーテルを "ホッピング" しながら見て感じてきたアメリカ社会のリアルが忠実に再現されていて、観賞後はとても懐かしい気持ちになった。




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