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一人称単数/村上春樹

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一人称単数/村上春樹 読んだ感想まとめ。
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記事一覧

チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ−一人称単数/村上春樹

村上春樹の『一人称単数』三作目。 チャーリー・パーカーも知らないし、ボサノヴァもほとんど聞いたことがないのでどんな内容なのか気になった ボサノヴァ、今度聞いてみよう チャーリー・パーカーは34歳で死んでしまった 私は、今は25歳でもう少しで26歳になるのだけれど、34歳で死ぬのはどんな感じだろうか あと、9年もある。 9年だ。 ほとんど10年と言ってもよい あと10年で死ぬことはどういうことだろうか あと、10年も時間がある。 10年しか時間がない、どうしよう、とは考

クレム・ド・ラ・クレム−一人称単数/村上春樹

クレム・ド・ラ・クレムという言葉を知った フランス語でクリームの中のクリーム、『最高』という意味らしい 自分の頭、人間の頭は難しいことを考えるためにある それ以外のことはしょうもないことで 難しいことを考えたり、 わからないことをわかるようになるとそれがそのまま『人生のクリーム』になる 中心がいくつもあって、外周をもたない円、これがすごくひっかかってとてもおもしろかった たしかに、こんなもの、円の定義に当てはまらなくて それはすなわち円ではなくて 現実に持ち出すことも口に

石のまくらに−一人称単数/村上春樹

石のまくらに、頭をのせたらどんなだろうか 冷たくて音がしなくてもちろん固くて、寝心地がわるいのかな なんでそんなことを思ったかというと、 村上春樹の『一人称単数』を今読んでいるからで、さっき一番初めの『石のまくらに』を読み終わったところだったから 読み始めてなぜだか、若いなと感じた 内容というか、なんだろう、書かれたのは2018年、六年前であるのに 確かに、私が以前に村上春樹作品を読んだのは、海辺のカフカをおそらく一年か、二年前くらいに読んだことが最後だった気がする そ