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大阪都構想否決は菅政権に打撃を与えるか

本日はこちらの記事。

正義のミカタで「永田町の化石」と毎度紹介されている泉宏さんの記事。タイトルにある通り「大阪都構想の否決」が菅政権にとってダメージとなるのではないかというもの。

松井氏は国政政党・日本維新の会の代表でもあり、今回の結果は次期衆院選での勢力拡大を狙う維新の失速にもつながりかねない。さらに、自民党が反対する中、松井氏と気脈を通じて秘かに大阪都構想実現を期待していたとされる菅義偉首相にとっても、今後の政権運営への打撃は避けられそうもない。

与党内でのねじれと憲法改正

大阪の自民党(大阪府連、大阪市議団)は都構想に反対の姿勢を見せていました。一方で公明党は近々行われる衆議院選挙に備えて維新と協力する決断をしました。

与党内でもこのように賛成・反対と別れてしまったのが大阪都構想でした。

大阪の自民党と書いたのは、中央は反対を口に出さず支援もなかったからです。菅首相は維新と近い関係にあると度々報じられていました。内閣発足の時には橋下徹氏を大臣に起用するのではないかという話が出ていましたし、菅首相は橋下徹氏のこれまでの政治家としての実績を高く評価していました。

これは菅首相一人の意向ではなく自民党としても維新に近くする意図があったとみられています。その理由は憲法改正のためだそうです。

大阪の地域政党として出発した維新は、大阪都構想を軸に「統治機構の抜本改革」(橋下氏)を政治目標に掲げ、その延長線上で憲法改正を主張。その実現を悲願とする安倍前首相と連携を深めた。自民党にとっても参院での改憲勢力3分の2を確保するためには維新の協力が必要で、それを背景に自民、維新両党は「国会運営での持ちつ持たれつの関係」(自民幹部)を維持してきた。

確かに野党が憲法改正に賛成するとは思えませんので、どこに協力を求めるかとなったときに維新となるのはある程度納得がいきます。

維新が主張する憲法改正は「教育無償化」「統治機構改革」「憲法裁判所」だそうです。自民党が主張している憲法9条については触れられていないようです。なのでまずは憲法改正に踏み切れるだけの体制を整えて、内容については後から議論しましょうというスタイルだったのかもしれません。


都構想否決で維新の勢いは衰えるか

単に大阪市を守ったということだけでなく、維新の勢いは衰えさせる効果もあったとみられています。

次期衆院選では「30議席以上の獲得が確実」(選挙アナリスト)との分析もあった。ただこれは、「大阪都構想の可決が前提」(同)で、維新内部でも「今回の都構想否決と松井氏の引退表明による選挙戦への痛手は測り知れない」(幹部)との不安が広がる。

さらにその影響は維新にとどまらず、協力関係を結ぼうとしていた菅政権に及びます。

「自公維連立実現のキーパーソンは松井氏」(自民幹部)とされていただけに、橋下氏に続く松井氏の政界引退は「菅首相にとって痛手」(同)となる。しかも、菅首相と緊密に連携する自民党の二階俊博幹事長は、かねて大阪都構想に否定的だった。このため、今回の事態を踏まえ、「菅政権内では維新と距離を置く二階氏の影響力が一段と増す」(自民長老)との見方も広がる。

二階幹事長の影響力が増えるのは全く喜ばしいことではないので微妙なんですが、少なくとも菅首相と維新の協力関係による勢力拡大には待ったがかかりそうです。

個人的には二階幹事長が大阪都構想に反対している理由が気になります。二階幹事長も維新も同じ親中派ですし、カジノの誘致も推し進めようとしています。協力してチャイナグローバリズムを強化していってもおかしくなさそうな気がしますが、なぜなんでしょうかね。利権争いにでもなるからでしょうか。


雑感

維新の勢いを衰えさせたこと、さらに維新と協力関係にあった菅首相にも影響を与えていること、この2点のよって大阪都構想否決がより大きな意味を持つのではないでしょうか。公明党にも大きな影響があるのではないかと思います。次の衆議院選挙にどのような結果が出るのかが楽しみです。

維新の勢いが衰えることを祈ります。


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