見出し画像

親知らず全滅させた話

こんにちは、たらしです。もう少しあとでも良かったのですが、記憶が薄れる前に文字にしておきたかったので親知らずを撃退した話を記録していこうと思います。

親知らず爆誕

皆様はおいくつの時に親知らずが生えましたか?近年では一本も生えていないという方もいらっしゃるそうです。私の周りだけかもしれませんが、親知らずの生えていない方は決まって小顔でした。しかしドカベンのように顔の大きな私は17歳の時に上の親知らずが凄い方向を向いて生えてきました。上の親知らずは22歳の時に初見の歯医者さんで2本同時に抜きました※麻酔なし。足が三本あるおっとっとのような大きな親知らずが(私の知っている歯じゃない!!!)と、当時とても衝撃的でした。痛みは殆ど無く、止血後の出血も殆ど無かったので上の(強調)親知らず抜歯を控えていらっしゃる方はご安心下さい。

水平埋伏智歯

ウラガンキン(MHW)ぐらい立派な下顎だけど下は生えてこないんだぁ〜♪なんて思い込んでいた下の親知らずはCT撮影の結果、歯茎の中で横たわって生えておりました。水平埋没智歯。四天王(4本の親知らず)を全滅させた私が今思う、親知らずに難易度を付けますと、おっとっとはLv1、水平埋伏智歯は限りなくLv10に近いLv9だと思っております。(※最大Lv10)

実は25歳の時に右下の親知らずは口腔外科で有名な歯医者さんで抜いたのです。私の埋没智歯は神経にとても近かったため、抜歯の際に神経を傷つけてしまわないかと恐れをなしたクソビビりな先生が(こら)二回に分けて抜歯することを提案して下さいました。歯の頭をカット→縫合→抜糸→抜歯→神経から離れた残りの歯を抜歯→縫合→抜糸と、結果的に二ヶ月程度長い時間をかける事になってしまいましたが、術後の痺れもなく腫れも少なくとても丁寧に抜いてくれました。抜いている最中、喉に唾が詰まって苦しく涙目になっている私を見た先生が「その顔たまらないねぇ」と言ったことは後々トラウマにも繋がっています。これもまたキングサイズだったそうで大きな穴が空いたものですから一ヶ月ほど鎮痛剤が手離せず、もう二度と親知らずは抜かない(この先生には二度と会わない)と決意したのです。ラスボスを残して一番ビビリで情けないのはこの私でした。

ラスボス(左下)動きます

あの抜歯から数年の月日が経ち、「歯医者は痛い(先生は変態)」をインプットしてしまった私は、あれから幾度と無く送られてくる定期検診の案内や年賀状をことごとく無視し続けました。が、とうとう二ヶ月ほど前、左下の奥歯に冷たいものが沁みるようになってしまいました。30年近く生きてきて虫歯になった事の無かった私にでも、「こいはもう虫歯ばい」と分かるほど奥歯の表面が黒ずんでおり、諦め半分で歯医者の予約をしました。※もちろん前回とは別の病院

通院当日。予想通り私の奥歯は虫歯になっていました。ム●ツヨシ風の院長先生(以下ムロ)が「埋まっている親知らずと手前の奥歯の間が虫歯になっているみたいだから親知らずを抜かない事には治療が出来ない」との事。

虫歯で歯が欠けても歯医者に行かないくらい歯医者恐怖症の元カレがいたのですが、夜中虫歯の痛みで目が覚め、コンチスイ?(彼は魔法の水と呼んでいた)も効かず、鎮痛剤が手元に無かったから真冬の夜中3時にバイクで会社まで鎮痛剤を取りに行ったという話を聞いていた私は虫歯の方がよっぽど恐ろしく、抜きますと返事をしました。

ついさっき出会ったばかりのムロは胡散臭い笑顔で、私の肩に手を乗せながら「今日抜いてく?」なんて事を言い出すもんだから、それはもう丁重に丁重にお断りしました。

私は「何もしないから」「先っぽだけ」「優しくするから」「今日抜いてく?」とか言うような男の人は極力信用しないようにしております。

抜歯の前に歯のクリーニングをしなければならないため、一ヶ月ほどかけてムロの元へクリーニングに通いました。ムロはとても良い先生でした。クリーニングだけですと歯科衛生士さんとだけお話して帰る事もあるかと思うのですが、ムロはどれだけ忙しくても必ず全ての患者さんの元へ来てお声掛けをしていました。抜糸までに4回ほどクリーニングに通いましたが、その度にムロは必ず胡散臭い笑顔で私の肩に手を乗せながら「ゼッタイ痛くしないから」と私に言いました。お前だけは絶対に信じないと心の中で思いながら、年が明け、ラスボスを抜歯しました。

さよならラスボス 〜ムロの裏切り〜

抜歯の15時まで 🔍親知らず 横向き 抜歯 でGoogleやYouTubeを徘徊していた私の知識はそこらの歯科医師と同等の知識量があったような気がします(気のせい)待合室でドキドキしていると名前を呼ばれ、いつもとは違う個室へ案内されました。小柄なお姉さんにエプロンをかけられ、ムロの到着を横になり待ちました。絶対に信じないと思って聞き流していた「ゼッタイに痛くしないから」ムロの言葉だけがまな板の上の私にとって支えでした。

???「こんにちは、よろしくおねがいします(優しい声)」

個室の部屋へ入ってきたのはムロではなく、俳優の鈴木亮平を全力で太らせたヒグマのように大きな若い男の先生でした。

私(誰ッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)

ムロは遠いところで変な眼鏡をつけてこれから誰かの口腔内に付けるのであろう歯を真剣に削っていました。え?何?私実験台?練習台?手汗が止まりませんでした。

ヒグマ先生「あぁ〜ぜんぶうまっちゃってるかんじなんですね。ますいだけチクっとしますけど、ますいがきけばいたくないですよ(優しい声)」チクーッ

私『ひゃい』(こんな理不尽が平気でまかり通る地球から逃げ出したい)

その後ヒグマ先生は相棒の小柄なお姉さん(これがまたさばけなくて術中何度も顔面に血しぶきを浴びた)とせっせ、せっせと私のラスボスを抜いていきました。麻酔が効きにくいようで4回麻酔を追加されましたが、最初の麻酔よりも最後に根っこの方へ打ち込まれた麻酔がツーンと痛くて、涙が出そうになりました。

ヒグマ先生「うーん…ぬけないなぁ。すこしゴトゴトしますねぇ(優しい声)」×10回 ※ゴトゴト=電動ドリル=ウィィィィィィンンンンンンンンンンギュィィィィィィィィンンンン!!!!!!

ムロに裏切られ、言葉が全てひらがなに聞こえるくらい優しい声のヒグマ先生が私の歯をゴトゴトしている最中、絶望の淵にいる私がただただ思ったのは、(ゴトゴトってレベルじゃねえぞこりゃ。10回中1度たりともゴトゴトレベルじゃ済んでねえぞ)と不満で心をひたひたにしていたら、いつの間にか抜けておりました。

要した時間は40分ほど。数年前に右下を変態先生の病院で抜いたときは1時間半ほどかかりましたし、一度で抜いたにも関わらず痛みも前回ほど長引かなかったので、ヒグマ先生はとてもいい腕の持ち主だったのだと思います。(信頼はゼロに等しいが)ラスボスはまたしてもキングサイズで10等分にされていました。歯が無くて困っている人の前歯10本くらいにはなりえるんじゃないかとぼーっとした頭で考えていました。

待合室でロキソニンを2錠飲まされ、お会計を待っていると、歯を削り終えたムロが胡散臭い笑顔で近づいて来ました。「お疲れ様、がんばったね。」こらクソどの口が言うとるんかと思いましたが、大量に打ち込まれた麻酔のせいで顔面半分麻痺して何も話せないもんですから、こちらも胡散臭い笑顔でニコりと頭を下げておきました

そんなこんなで私の四天王は全滅し、私は平穏な日々を取り戻しつつあります。独り言にしては長くなりすぎましたので、抜歯〜抜糸までの状況は次の記事で記録させて頂こうかと思います。

この記事が参加している募集

自己紹介

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?