毎日連載『一日一妖!』 7月30日【ウーメ】
初めましての方、ようこそいらっしゃいました。
二度目以上お運びの方、本日もありがとうございます。
こんにちは、あらたまです。
『一日一妖!』とは――
怪異や怪談が大好きな私あらたまが、妖怪や怪異に関連する与太話をさせていただくという連載企画です。
毎日読むのにちょうどいい、約1000字の超ショート・ショートテキストサイズ!
さっくり楽チン軽やかな、ゾワッと怪しいひとときを楽しんでいただけたら嬉しいです。
『私とタロットのヨモヤマ話(略称:タロヨモ)』の小アルカナ編の下書きを始めました。
元々、小アルカナ編スタートまでの「繋ぎ」として始めた『一日一妖!』ですが、楽しんで下さってる方々が少なからずいらっしゃるので、当初予定していた「タロヨモ連載中は無期限中断」という形式は考え直した方がいいかなと思い始めています。
さて、どうしましょうか……。
それでは、前置きはこのくらいに。
本日の『一日一妖!』始めましょう。
【ウーメ】
長崎県壱岐地方でいう妖怪。
ウゥメ、ウンメンと呼ばれ、難産で死んだ女の霊が青い火の玉となって、空を波形を描いて飛び回るという。
これは産女のことだと思われる。
お産とは、生命の神秘であると同時に、母と子の命がけの共同作業であるとも言われますね。
経験のない私は常々、軽々しく美談として描くのには少々躊躇いがある分野です。
これはあくまでも私の希望的な見解ですが、危険を回避する医療技術や知識の蓄積がある分、現代の方が母子ともに安全にお産を終えることができている件数は格段に多いと思います。ですが、想定される危険や事故の可能性や状況については今も昔もあまり変化が無いのかもしれません。
子育て幽霊やウーメやウブメに転じて残っている話も含めますと、昔のお産にはどれだけの覚悟と執念が注がれていたのか……それを思うと胸の奥が硬く重い何かでギュッと塞がれるような気がします。命を産み出すという事象に対する重圧は、私が感じているモノの比ではないでしょう。
それでも。計り知れない母の愛というのでしょうか、どうしても子を為したいと望む女性は大勢いらっしゃったのです。そしてそれは、現代にも脈々と受け継がれ、疫病禍に屈することなくお産を控えてらっしゃる方々も居られます。
私はその方々に敬意を払うとともに、悲しい青い火の玉に転じる事の無いよう、そして生まれてくる子供たちが健やかに人生を謳歌してくれるよう、願ってやまないのです。
了
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それでは。
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