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2018年度 東洋大学 社会学部 社会学科 自己推薦入試 小論文 模範解答

【オンライン指導 個別指導 添削指導】総合型選抜(AO入試)/学校推薦型選抜(推薦入試)・小論文対策専門塾・予備校 『潜龍舎』


オープンチャット「大学入試 小論文 対策相談室」



問1:
現生人類には、たとえば造船や航海術が発達したアボリジニによる海の文化や、立派な服や住居を作る北ユーラシア地域の文化などのように、それぞれの地理や自然環境に応じた多様性がある。(87字)


 
問2:一義的・普遍的な法則観と要素主義に立脚する近代科学の機械論的な世界観とは異なり、生物人類学における文化の多様性やローカル性の指摘、生命科学におけるエピジェネティクスの生命観の台頭、宇宙論におけるマルチバース理論の提唱といった、諸科学における生命の内発性や関係性、多様性、個別性に注目する新たな方向性。(150字)
 
問3:筆者は「グローバル」を、地球上の各地域の個性や多様性に関心を向けつつ、そうした多様性の背景や構造を把握する思考の枠組みとして理解すべきだと述べているので、多様性の一例である人種の違いについても安易に優劣をつけるべきでないと考えると思われる。(120字)
 
問4:本来の「グローバル」とは、ローカルとユニバーサルの両者を橋渡しする概念であるから、世界の均質化や一元的な物差しによる価値づけに反対し、多様性の保存とその構造の解明を目指すべきであるというのが筆者の立場である。それゆえ、現存する言語の減少を食い止めることが必要であり、また、英語偏重の教育や社内公用語を英語にする動きは多様性の否定を含意するため、これに反対すべきである。(184字)
 
問5:
私は、未来社会のあり方として、「電脳資本主義」が望ましいと考える。資本主義の本質は、絶えず利潤を求め、資本を増やし続けていくことにあった。しかし、その結果、地球温暖化に代表される気候変動や環境破壊、先進国における少子高齢化、途上国における人口爆発とそれに伴う食糧問題など、さまざまな問題が生じている。この点で、従来の資本主義は限界を迎えていると言える。
しかし、「電脳資本主義」においては、人工知能と人体改造された人間が結びついて最高の存在が生まれ、人間の意識の永続化が実現されると言われている。このようなポスト・ヒューマンであれば、寿命という制限がなくなることによって少子高齢化は問題ではなくなり、また、身体の構造が抜本的に変容することで食糧問題や気候変動にも対応可能になるだろう。つまり、従来は問題とされていたことがもはや問題ではなくなる世界が、「電脳資本主義」であると考えられる。(392字)
 

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