『言葉屋 言箱と言珠のひみつ』を読んで

小学5年生の詠子のおばあちゃんは雑貨屋さん。
でも雑貨屋さんが本業ではなく、「言葉を口にする勇気」と「言葉を口にしない勇気」を提供する言葉屋さんだったのだ。
詠子はあるきっかけでそのお仕事を知ることとなり、おばあちゃんの見習いとして言葉屋工房に入門することとなる。

言葉って…なんだろう。そんなことを考えさせられる本でした。
小学生新聞に連載されていた物語なので、漢字にふりがなもついており、小さなお子さんにも読みやすくなっています。

普段何気なく使っているもの。そして言葉に自分の思いや意思を乗せて、相手に届くように渡す。

その言葉が今、武器になり暴力になってしまっている。
SNSで誹謗中傷が溢れ、言葉の武器で傷つけられ、自らの命を絶ってしまった人たちもいる。

言葉の役割とは…なんだろう。

相手に自分の気持ちを乗せるプレゼントみたいなものではなかったのだろうか。
一番簡単で、すぐに気持ちを届けることのできるプレゼント。

このお話に出てくる言葉屋さんのお仕事とは、

世の中には、言いたくてもなかなか言えない言葉と、どんなに言いたくても言ってはいけない言葉があるだろう?言葉屋は、そんな言葉のトラブルの解決をするためにあるのさ。人間が自分の言葉をコントロールできなければ、社会はめちゃくちゃになってしまう。言葉をただの武器ではなく、心をつなぐ橋にするのが言葉屋さ。言葉屋は、社会の縁の下の力持ちなんだ。

人を傷つけるための武器ではなく、人の心をつなぐ橋として言葉を使いたい。

普段何気なく発している言葉を丁寧に扱いたい。

言葉はワレモノ、コワレヤスイ。





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