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『ドレス・コード? ─ 着る人たちのゲーム』 @ 東京オペラシティアートギャラリー 鑑賞メモ

京都で鑑賞していたため、東京の展覧会はパスしようかと思っていた。

ちょうど1年前くらいに京都で見た展覧会、ファッション・ポートレートの展覧会を見たこともあり、もう一度見直してみようと思った。

京都近美よりもオペラシティは狭いだろうと考えていたのだけど、2フロアを使って広々と展示しており、京都よりも見やすかった。

ただ、京都では展示されていなかった作品がいくつかあったものも構成や展示は基本的に一緒、興味のある部分だけじっくりと見ることにした。

展覧会はほぼ撮影禁止なんだけど(オペラシティのFBページには写真が沢山)コム・デ・ギャルソンのドレスは撮影OKだった。

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このドレスを含むショーの様子がプロジェクターで投影されている。他にもアンバランスに見える大きなドレス、それを軽やかに着こなすモデル。

バブル期に肩パッドが流行ったけれど、それを遥かに凌駕するボリューム感。このボリューム感、ファイブスター物語を連想してしまう。上半身逆三角形な形。


撮影OKのドレスの右手側に写り込んでいるシャネルのスーツ。これはカール・ラガーフェルドがデザインしたスーツ、シャネルの世界観を保ちつつもカール・ラガーフェルドの世界がある。まじまじとスーツを見たのは初めてのこと。一年前にも見ていたはずだけど、改めて見返す大事さ。認知科学で言うところのリフレッシュにも似た感じ。(実際には違うのだけど)


ブランドのコード

ブランドにはコードがある。そのコードをシャネルとカール・ラガーフェルドが共有しているようで、さすがは皇帝。その人物像ばかりを注目していたけれど、それでは片手落ちだった。

昨年の春から初夏、とある国内アパレルメーカーの業務改革を手伝っていた。対象領域はバックオフィス系の業務。サプライチェーン・マネージメント、生産管理、販売テックあたり。MD計画はPOSとともに検討してもよいが、クリエイティブ領域には口を出さないことを確認していた。あと人事についても。

ところが、クリエイティブ領域に、急速にデジタル・トランスフォーメーションの流れが来ていた。具体的には3D CADとPLM (プロダクト・ライフサイクル・マネージメント)を用いて、3D CGを使ったシミュレーションを行い、サンプル試作を高速化するというもの。コンピュータ性能の向上が、アパレル・デザインにもデジタル化の圧力を与えた格好になる。DTP, DTMならぬ、デスクトップ・アパレル・デザインとでも言えるだろうか。(アパレル・ビジネスのデジタル・トランスフォーメーションについてご興味ある方は、Twitterまで)



こうした展覧会で嬉しいのは、同じブランドの推移を見ることができること。

グッチのトム・フォードとアレッサンドロ・ミケーレの二人のクリエイティブ・ディレクターによるグッチのスタイルの表現。

それを一度に見られただけでも来て良かったと思う。


カタログがオンラインで買える。

去年、ゼミの友達に買ってきてもらったことを思い出した。




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