赤外線レーザー
毎年毎年、年齢を重ねる
今でも物を作る時、考える時に必ずすることは小さい頃何をしていたかとか、何を考えていたかを思い出す作業をする
毎年毎年、年齢を重ねる
昨日知らなかったことを今日は知っているんだから、年齢を重ねるにつれて賢くなっているはずである
賢くなっているのに、成長しているはずなのに、子どもの頃よりつまらなくなっている
今の方が面白くなくなっている
ふと思い出した小さい頃にしていた1人遊びがある
「ここから赤外線レーザーが出てきたら、どうやって避けるか考えるゲーム」
実際こんな名前を付けてたわけじゃないが、本当に名前のまんまのことをする
始まる時は、突然で、何をしていてもその妄想が始まる
椅子に座ってテレビを見てる状況でも、「この目の前のこたつの脚から赤外線レーザーが出てきて、引っ掛かったらブザーが鳴って敵にバレてしまう」と思い込んで、それを避けるには自分はどこにいればレーザーに当たらないか移動する
今度は柱からレーザーが出てきたらどこに居れば当たらないかを妄想して移動する
何の影響なのかは、たぶん当時ルパン三世が好きだったから、そんなようなシーンを見て、この妄想ゲームを始めたんだと思う
楽しいとか勝ち負けとかそういうのは無い
ただやってしまう
子どもの頃は夜、寝る前の布団の中は宇宙空間だった
ごっこ遊びばっかりしていた
三人兄弟で妹が2人いたけど、一人で結構遊んでいた
目を開けて見えている景色と頭の中で描いてる光景は別で、描いている光景ばかり見ていて、よく話を聞けと怒られた
今、目の前の机から赤外線レーザーが出てくると思うことはなくなってしまった
毎年毎年、出来なかったことが出来るようになって
毎年毎年、面白いことを忘れていってる
夏ですね スイカでも食いたいもんですわね