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カオサンロード:1995ー2017

街は時代とともに姿を変えていく。変化するから面白い。

カオサンもそうだ。かつてバックパッカーの聖地と呼ばれた場所は、

その存在意義を失い、そして、その役割を正しく変えていた。

はじめてのカオサン通り探訪

そこは聖地だったのか?


 僕は30歳を越えて旅にはまった遅咲きのバックパッカーだ。だから90年代の旅ブームを知らない。友人たちはこぞってタイやベトナム、カンボジアなど東南アジアに足繁く通っていたが、僕は国内も知らないのに海外に行ってどうするんだよ、と斜に構えてカッコつけていたが、今考えると非常にアホな考えである。自分で自分を殴ってやりたい。そのときから、ずっと気になっていた場所がある。それは、バックパッカーの聖地と呼ばれるカオサン通り。そこには桃源郷のような、ずっとお風呂につかっているような心地よい空間があるのだろうか。いったい何が聖地なのか。そしてその聖地ぶりは今でも健在なのか。妄想は膨らむばかり。一度行ってみたい。そんな感情を頭の隅に置きながら、日々暮らしていた。

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