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こどもたちとゲームの付き合い方について(冷静に)考えてみる

お昼頃おきてリビングに行き、子どもたちに「おはよー」と声をかけても反応がない。どうやら聞こえていない。もう一度言ってみる。少し遅れて、ちらっとだけこちらに顔を向け「おはよー」と言ってくれる。そう、子どもたちはゲームに勤しんでおり、忙しかったのだ。

僕も妻も全くと言っていいほどゲームをやらない。にもかかわらず、学校の友達から(おそらくたくさんの)刺激を受け、最近はゲームが楽しくて仕方がないらしい。もちろん宿題や勉強の最中も心ここにあらず。たまに違うことをしてるかと思うと、youtubeでどこぞの有名人がゲームをプレイしている動画を見ている。何が楽しいのかさっぱり理解できない・・・。

子育ての基本方針は自由意志の尊重。良くも悪くも、周りがどうとかに振り回されず、自分の頭で考え決断し楽しく行動できる人間になってほしい。「ひとはひと、自分は自分、なにごとも」である。

とはいえ、このまま放っておくのは直観的に良くない気がするし、「やりたいことをやりたいだけやること」が自由意志なのか、という問題もあるので(難しいことはさておき、きっと違う)、どう理解し、どう子どもたちにサジェストするのが良さそうかを考えたい。

ゲームの何が問題か

ゲームをすることは楽しい。やればやるほどもっとやりたくなる。典型的な「快楽を求める行動」のように見える。だからこそ、その仲間と思われる各種の快楽と同様に依存のリスクがあるだろう。

脳の働きで良く言われる表現を使えば、「システム1」というやつだ。短期的で直感的な反応。ダイエットしたいという意思は持っていてもつい甘いものを食べたくなるし、お酒をやめよう!と決心した翌日にはつい飲んでしまうあれだ。

要するに、ゲームを楽しむことが悪いのではなく、やりすぎることが問題ということ。排除するのではなく、「ほどほど」にバランスさせることが重要なのだろう。(多くの人にとって)精進料理だけで生きていくのは現実的ではないし、僕だって嗜む程度にはお酒を飲みたい(子供たちには飲みすぎだと怒られそうだけど・・)。

子供へどうアプローチするのがよいか

まず、一番やってはいけないのは、「ゲームなんかしてないで勉強しなさい!」というやつだろう。これは理不尽でしかない。論点のすり替えだ。問題はシャープに分けて考えないと解決できない。ゲームの話とは別に、勉強をするべきかどうか、それはなぜか、を考えないといけない。(これは重たいテーマなので、またいずれ考えよう)

アプローチとして有効だと思うのは、「好き」「楽しい」ということを分解し、意味の解像度を上げることについて子どもたちと考え、自分の価値観を自覚してもらうこと。

わが子たちは、本を読むのもピアノを弾くのも楽しいし好きだという。子どもの立場で言えば、「どちらも楽しいことなのに、ゲームだけ禁止されるのは、パパとママの好き嫌いを押しつけられているだけだ」と感じるのではないか。だから、この違いを考え腹に落としてもらう必要がある。システム1とシステム2だ。快楽を求めることと、価値観に合った好きなことをやることの違い。

まず、「楽しいこと」のどこが楽しいのか、どのような種類の「好き」なのか、を分解して考えてもらう。

おそらく、子どもたちにとってゲームの楽しさは、①敵を倒したりクリアしたりして興奮しワクワクするところ(いわゆる快楽)、②友達とオンライン上で一緒に何かをすることの充実感、の二つだと思う。

①については、前述のとおり、甘いお菓子を食べる喜びと同じものであることを教えてあげよう。どんなにクッキーが好きでも、それだけ食べていたら病気になるから、ちゃんとごはんも食べなきゃダメでしょ?と言えば理解できるはずだ。お酒やドラッグに例えて依存リスクを語りたいところだけど、それはもう少し先の話にとっておこう。

②は、外部環境によるのでどこまでできるかは分からないが、代替手段もあることを提案してみよう。きっとリアルな空間で友達と遊ぶことでも似たような満足感が得られるはず。公園でも誰かの家でもよいから、ゲームではなくもっとアナログな遊び。それはそれで楽しいはずなんだよね、今も昔も。

一般化できるかどうかは別として、わが子たちならこれで理解をし、自分たちでうまいことバランスを取ってくれる気がする。少なくともバランスさせようとはしてくれるはずだ。

さらに、生活がゲームに支配されていくと他の「好きなこと」ができなくなること(すでに減っているかも?)を自覚してもらおう。やることを選択することで、同時にやらないことを決めてしまっている事実に気づかせる。読書とピアノだけじゃなく、他にもやりたいことややってみたいことを積極的に語らせよう。好奇心をあおることで間接的にゲームへの興味を抑制することもできるかもしれない。

ここまで辿り着けば大成功で、あとは具体的なルールを相談して設定し、運用を本人たちにやらせる。なんとなくこれでうまくいきそうな気がするけど、どうだろうか。明日にでも、(間違ってもゲームの最中には声は掛けずに)タイミングを見計らって相談してみよう。うまくいくといいな。

とりあえずの結論

・ゲームの楽しさや、やること自体は否定しない

・ゲームをやり過ぎることのリスクを理解してもらう

・自分がやりたいことや好きなこと(価値観)を自覚してもらう

・それを踏まえてルールを決め(1時間/日とか)、運用は任せる


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