見出し画像

辞めたい人を引き留めても無駄になる。

退職希望者を、人手不足等で引き留めをする事がある。大概無駄な努力に終わる。

会社と言うか、大学時代の部活の時に強く感じた。

とある伝統芸能系の部活動(文化系)をやっていた。私が1回生の頃は10名いた同期が、年を重ねるに連れて少なくなって行った。

そもそも人数が少ない。1番多い時でも約20名程だ。辞めたいと言うと、引き留めていた。他にやりたい事がある等、みんなが納得(?)して円満に辞めた人も居れば、話し合いが決裂して半ば強引に辞めた人も居た。
円満に辞めることが出来た人の方が少なかったと思う。

人数が少なくなると、部の運営も大変になるので引き留めていたんだと思う。
私自身は積極的に引き留める事はしなかった。話し合いでも聞いている事が多かったし、辞めたい人間を引き留めてまで部に縛りつけたい(居て欲しい)とは思えなかった。

3回生になった。同期は私含め5人になっていた。1人はバイトの時間が多く、部活動にも来ていなかった。なんとか籍があるだけの状況だ。彼女も「また部活行くから」と口だけは言っていたが、来たのは片手で数える程だった。長いこと来ていないと、来づらいだろうし。

毎年冬に自演会(発表会)があり、みんなそれに向けて稽古をやって行く。3回生は大きな演目をする事になっている。その時の人数で演目が決まる。

演目が決まった後で、彼女は辞めると言った。バイトを始めてからは、部活動へのやる気が感じられなかった。部活のメンバーが引き留めてズルズル在籍していただけであった。

彼女が辞める前、当時主将だった同期に
「彼女を引き留めるの、やめない?多分前みたいに部活に来ないよ。」
主将は「じゃあ、彼女が抜けたら代わりに誰がやるの?」
と言われたが、返す言葉は無かった。代替案も出なかったが、辞めたい人間を無理に引き留めても無駄だし、やる気の無い人間がいると周りの士気も下がる。引き留めなければ、と周りが神経を使う時間があまり意味ないと感じた。
多分、周りから見たら私は冷たいとか思われているだろう。

結局、彼女は辞めてしまった。3回生がやる演目の人数が足りなくなり、OGの先輩にお願いする事になった。
引き留めた所で、グダグダになっただけだった。

当時は彼女を無責任だと思っていたが、今は仕方ないと思っている。
辞めたい人間を引き留めた所で、多くの場合成功しない。引き留める方を納得させる必要も無いと思う。
当時の部活の引き留め様は異常だったのかも知れない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?