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身もフタもない入金力の話

どうも、底辺富裕層のバキオです。今回は自分の20年の資産の成長を可視化してみたので、それにまつわる話をしていこうと思います。まったく着地点のみえないまま書き出し、書き終わってみると、何とも身もフタもない話になってしまい、公開するのも数ヶ月越しとなってしまいました。

さて前に資産は一直線に増えていくのではなくて、上下動を繰り返して増えていくのだという話をしました。収入・支出の変動じゃなくて、資産価値自体の変動の話です。

自分の20年をグラフにしてみて意外な事実がわかりました。

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種銭作り時代

どういうきっかけで資産帳をつけ始めたのだったか。私は社会に出るのが遅く、最初の会社勤めをしたときにはすでに27才でした。とにかくズボラで、レポート一個出せば進級なのにそれができずに単位落として進級できなかったり、就職活動が面倒で大学院に行くことを決めたものの、何の対策もしなくて大学院浪人したりして、理系修士号を取った時にはもうその歳でした。

大学院ではロクに勉強せずに当時始まったばかりのインターネットで遊んでばかりいましたが、そのときに身に着けた能力を結局一生のメシの種にしているのだから世の中わからないものです。

最初に就職した会社が年収400万円程度。仕事にやりがいはあったし、食うには困らずに満足していました。しかし3年ほど経ってから今の妻となる女性に「幸せな人だねえ」と言われ、そこでナニクソと思い転職をしました。(何年も経ってからその話をすると、皮肉ではなくて本当に幸せそうだと思ったとのこと…なんか匿名ダイアリーみたいになってきたな)

2社目は外資系で600万円くれるとのことでした。一気に50%アップ。今にして思うとよくそんなチャンスつかんだな。当時の上司に伝えると「うちではその額は出せないな」とのこと。その会社で1,000万超えたのは7年目、37歳社会人10年目のことでした(2007年)。それだけもらっていてもグラフをみてもらえればわかる通り、ほとんど資産は増えていません。この間、特段贅沢をしていたわけでもなく、底辺富裕層のときに書いたような生活をしていてもです。

資産加速時代

資産がグイグイと増えだしたのは2社目11年目でマネージャーに昇格してからです。それ以前にもリーダー的役割はもらえていたものの、明らかに給与グレードが昇格したのはこの頃で、1,500万くらいもらっています。このくらいもらうと、調子に乗って生活レベルを上げたりしなければかなりのスピードで資金が増えていきます。この頃は忙しかったというのもありますが、グラフのテキトーさ加減にみられるように資産管理そのものにも興味がなくなりました。

放っておいたらだいぶ現金がたまってしまったので、だいぶ手元資金が増えた頃にどんどん投資信託につっこんでいます。ただ日本株が中心でした。日本株にしたのは、いくつか理由があります。まず勤め先が米国系だったということもあり、米国株はストックオプションやESPP(従業員株式購入プラン*1)で現物をだいぶ持っていたので分散したかった。そして子供時代や社会人になってからもアメリカ人に接することが多く、こんなバカな連中に日本が負ける訳がないと思っていたのが二つ目の理由(*2)。最後の理由は単純に日本企業を応援したかった。外資系に勤めて高給をもらうことにどことなく後ろめたさを感じていたのかも知れない。

転職・コロナ・億り人

その発想で「セカンドキャリアは日本企業で働きたい」という気持ちは漠然と持っていたのですが、そのチャンスは意外にも早く来るのでした。外資系企業のご多聞に漏れず、組織変更によりポジションが無くなりました。この辺の事情については後にキャリア編で詳しく書きたいと思いますが、転職活動を行っていたところ、前職で見知っていた方が日本企業で役員となっており、声をかけてもらい転職が決まったのでした。多少給料は下がるものの、子供の頃からよく知っていた企業で、通勤も抜群にしやすかったので即決しました。

この退職は会社都合でいわゆるパッケージ(*3)がついているものだったので、年収以上のまとまった金が入り、資産が1.5倍近く増えました。前述の日本株しばりも無くなり、米国株も投資信託から個別株まで手を出したり、ビットコインを買ってみたりするようになったのでした。

2019年の暮れはいつものようにポートフォリオを整理して、アセットのリバランシングをしてキャッシュポジションを増やし、2020年頭には様子をみていました。そして起きたのが武漢の新型肺炎、つづいてクルーズ船の集団感染です。リスク資産はあっという間に下げていきました。たまたまリスク資産の比率を下げていたので、全体に対する影響は限定的でした。そこからいわゆるコロナ相場というか、反動的な上昇相場になり、後は皆さんも恐らく記憶している通りです。この波に乗っておかげさまで資産1億円に到達できました。こういう人は結構多かったのではないかと思います。

最後に住宅ローンも繰り上げで完済してしまいました。低金利時代、住宅ローンはうまく使うのが吉というのは皆さんよくご存じだと思います。1%以下の金利で大金が借りられるわけですから、多少現金ができても繰り上げ返済をせずに、その金を投資に回したほうがいいのは当然です。安全目な投資信託を選んでも、期待利回りは1%を上回るものをみつけるのは簡単でしょう。住宅ローン控除もあります。私もそう思っていましたが、残り返済額が少なくなり、この分を返してしまっても十分な現金が手元に残ることに気づき、この際完済してしまいました。

勝ち要因と身もフタもないまとめ 

さてここまで振り返ってみたところで、勝ち要因について考えてみましょう。もちろんCOVID-19が来る前にキャッシュポジションを上げて、いいタイミングで買い上げることができたのは一つの要因です。これはたまたま毎年末に損益通算(*4)のために整理・リバランスしていたのが幸いしました。

もう一つは、ここからが身もフタもない話ですが、やはり入金力ではないでしょうか。今まで偉そうに資産管理とか投資の話をしてすいません。私、単純に稼ぎが良かったみたいです。年収2,000万円以上の天上人と肩を並べるつもりはありません。ただ年収1,500万円のラインを越えると、明らかに資産が増える速度が違うことが、振り返ってみるとわかりました。

確かに誰もが到達できる額ではないかも知れません。しかし夫婦共稼ぎのダブルインカムならばなんとか近いところまでこれるはずです。今若いならばぜひこのラインを目指してください。最近社会人2,3年生でFIRE(*5)を標榜して「窓際新卒(Ⓒのんびりさん @laidback202103 )」を目指しているのではないかと思われる人がいます。しかしある程度の入金力がなければFI(経済的自立)は遠ざかるだけですし、そもそも人生の大きな時間を占める仕事をつまらないものにしてしまっては本末転倒ではないでしょうか。

そのようなわけで今後はちょっとキャリアについても書いていきたいと思います。入金力を高めるために何ができるのか、これから自分を変えることのできる若い人向けに書いていきたいと思います。ジジイの説教ってことで誰も読まなそうだな、こりゃ。

まとめ

  • 相場には乗るもの

  • とにかく本業で稼ごう…それが近道

  • いいのか、このまとめで!?

*1 ESPP(従業員株式購入プラン)…持株会のようなものだが、個人で購入するので売却時に持株会事務局に申請して引き出し等必要とせず、インサイダー取引防止期間さえ守ればもっと自由に売却できる。いちいち理由を聞かれたりイヤミを言われたりする必要がなく非常に便利。
*2 アメリカ人はバカ…アメリカ人は進化論を信じていなかったり、日本が中国の一部だと思ったりフィリピンと区別ついていなかったり、とにかく2021年アメリカ合衆国議会議事堂襲撃事件のバッファロー帽子男みたいなのでいっぱいなのである。ただアメリカはその一方で、一握りの天才がとんでもない成功を収めることができる仕組みのある国なのだ。
*3 パッケージ…通常退職金に上乗せされる支払金。
*4 損益通算…株取引で損を出したときに、利益と通算して税金を下げることができる
*5 FIRE (Financial Independence, Retire Early)…経済的自立と早期退職。日本では質素な生活でコツコツ資産を積み上げて達成するLean FIREという道ばかりがハイライトされるが、ガンガン稼いで達成するFat FIREという道もある



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