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Poetry Cafeを全8回やってみて

こんにちは😃 poetry factoryは「詩のあらゆる可能性を信じ、詩と関わる人を一人でも多く増やす」ことを目標に活動しております。
そのため、如何に普段詩に触れない方でも気軽に楽しく詩に触れることができる場を作るか?が大切になります。
そこで開催しているのがPoetry Cafeです。昨年の10月頃からトライアンドエラーを繰り返し、皆さんに親しんでいただけるようになりましたのでこちらにまとめたいと思います‼️

1.お茶と共に詩に触れる

まず、詩のイメージとして、「かたい」や「真面目そう」といったハードルが高い印象があるのではと予想されました。そのこと自体は悪いことではありませんが、ここでは、気軽に楽しめる雰囲気づくりのために、飲み物やお菓子を片手に詩を読んだり話せることを心がけました。

毎回多様な飲み物とお菓子で工夫しております

実際に詩人にゲストに来ていただき、ざっくばらんに質問をしたり、詩集を読んだり、詩をかいてみました。

2.詩を読むことで人と交流する

気軽な会を重ねて開催した結果、2023年ごろから毎回来てくださる方が増え、単発のイベントではなくもっとじっくりと詩を読みたいというお言葉をいただくようになりました。
そこで、同じ詩を読んでいても時折その解釈や感じる印象などが異なる
ことが魅力で、楽しいことに気づきました。そこで、みんなであるテーマの詩を読んで、そのテーマについて語り合うことを目的にある程度連続してポエカフェを計画しました。運営の船岡は対話のイベントをずっと開催してきたのですが、その際の課題として「抽象的なテーマであればあるほど人によって何について話して良いかわからない」「多くの参加者の意見が同じであると、少数意見をいいづらい」というものがありました。

対話としてはあるまじきことですが、どうしても時間が短かったり初参加の人がいたりすると色々工夫をしても限界があると感じていました。そこで詩があるとまず、目の前の詩をめぐって対話し、時には異なる解釈の仕方が自然と生まれ対話の良いきっかけになるのではないかと考えました。また、詩の鑑賞という点からも、国語の授業で行われるように「作者はこのような人物だからここはこう解釈されるべき」や文学論のような「この時代の詩は〇〇を重視していたから、〇〇という解釈はあり得ない」といったことなく、詩と真っ直ぐ向き合って、詩とも対話するような楽しさが生まれるのではないかと思いました。もちろん時代背景や作者の背景を軽んじるつもりはありませんが一度前提知識や文脈に左右されることなく、自由に詩の本文だけと向き合って考えることが楽しいのではと思い至りました。ここは絵画における「対話型鑑賞」とも共通していますね。

ある日の様子

そこで、詩を読むことと、語り合うことを両立して「詩を囲んで語り合う」ことをコンセプトに全8回、あらかじめテーマを決めて開催しました。

テクノロジー
コミュニケーション
おくりもの
お金

性/ジェンダー
変化

テーマ一覧

これらのテーマは、語り合ったら面白いだろうなと予想されるものや、詩を読む上での切り口も加味して考え、なるべく前後の回の接続やバランスも考慮して設定しております。これらのテーマに向き合うだけでも一種のリベラルアーツの講座としても機能するようにしました。日本リベラルアーツ協会の知見を活かしています。

また、各回に講師として詩人の平井達也さんにご参加いただき、詩人としての視点や鑑賞のポイントだけでなく、参加者からのご質問に答えて頂きました。また、詩人の神泉薫さん、鹿又夏美さん両名に各テーマに関する詩の紹介と選定をしていただいています。この場をお借りしてお礼申し上げます。

3.詩を囲んで語り合った結果

ということで、1月終わりから全8回、ポエカフェを開催致しました。開催報告を途中から、協力もあり記事にできているのでよろしければご覧ください。

毎回、さまざまな詩と参加者との出会いがあり、運営も工夫しがら開催致しました。最初に気になった行をお聞きしたり、逆に手前から丁寧に読み込んでいくこともありました。詩人の朗読だけを聞いてまず印象を語り合うこともありました。ワークショップというわけではないのでファシリテーションしすぎてもいけません。毎回、ワークシートをお渡ししてメモ代わりにしていただいておりました。(記入しなくてもOK)

開催して気づいたこととして3点あります。
①詩の解釈の仕方が参加者で異なると面白い
同じ詩を読んでいても、「明るい気持ちになった」という方と「少し暗い印象だった」という方がいる場合があります。また、詩の中の語句の解釈は基本的には一致しません。同じ「きみ」と表現されていても「男性」と思って読まれる方と「女性」と思う方もいます。このように参加者さんの中で違った読み方があると、どうして??と思い対話が弾むことがわかりました。

②自由な読み方もよし、作者や時代背景を踏まえてもよし
ポエカフェでは、国語の授業のような「通説」や「答え」に囚われずに詩と向き合うことを目指しました。でもその一方で作者の考えや人となり、時代背景についても知った上で詩を読むとわかることもあります。例えば「牛乳」というキーワードも。戦前の時代から生きていた作者の場合、もしかしたら「脱脂粉乳」のことじゃない?などと話が広がります!ですので、自由な詩の読み方と、背景を知って詩と向き合うことの両方を楽しめるようにしたいと気づきました。

③詩を囲んで話すからこそ気づける、話せることがある
全8回の中でも、対面で開催した際は終了後にかなり遅くまでお互い語り合う参加者の方もいました。他のイベントでは初対面同士ならイベントが終わったらサラッと帰るということもしばしばですが、ポエカフェではかなり自己開示がしやすいためか終了後は不思議と心理的距離が近くなっているような気が致します。また、「本当はこんな話をしようと思ってきたのに、実は・・・」というセリフや「普段は絶対話せないことなんですけど」というセリフもしばしば聞けました。特に「性/ジェンダー」と「悪」のテーマでは顕著だったように思います。詩を囲んで語り合うと、センシティブなテーマでも自然に話せる可能性を秘めています。

4.いただいたお声と今後について

全8回が終わり、打ち上げを行いました。詩を囲んで語り合う仲間ができたことに感謝しております。

いただいたお声や感想を掲載させていただきます。

今後は、このポエカフェをBook Barで定期開催したり、NPO法人などの非営利団体と連携して世代や立場を超えて楽しみながら話せる仕組みとして継続できたらと考えております。しばらくはPoetry Factory単独での開催は他の企画や創業準備に力を入れるため難しいですが、単発で開催したり、継続的に気軽に詩と出会える場を作っていければと思います。


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