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リモート創作/京都、横浜、東京、香港

Poetic Mica Drops音担当茂野です。
今回はリモート創作のお話を少し。

Tsang Tsui-Shan監督とのリモート創作

Tsang Tsui-Shan監督が自身の故郷を10年毎に記録したドキュメンタリー映画最新作「Winter Chants」が、3月31日、4月7日、香港国際映画祭(HKIFF)にて上映されました。前評判が良く、チケットは完売だったそうです!

Tsang Tsui-Shan監督作品で私が音楽を担当するのはこれが4作目。
監督は香港、私は東京、音楽制作は基本的にリモート作業で進めます。

実はPoetic Mica Dropsの創作活動も今は、横浜〜東京〜京都をネットでつないでやっているのです。

「Big Blue Lake」

今ではあたりまえになったリモートワークですが、私が映画で試みた最初の作品は2011年制作、Tsang Tsui-Shan監督劇映画「Big Blue Lake」でした。
"記憶"をテーマに、時代とともに変わりゆく人間関係と、変わることのない村の自然を映し、失った記憶と、取り戻していく姿を、透明感あふれる映像と小説のようなテイストで描いた作品です。

映像は香港からネットで送ってもらい、音楽は東京から香港へ送ります。納得するまで改訂や修正を何度も繰り返した後、香港で最終ミックスをやって完成となりました。
海外作品であり、完全リモート制作でした。無事に作品ができたときはうれしかったです。
実は、チェロをレコーディングした日があの震災当日2011年3月11日だったこともあり、私にとって「Big Blue Lake」は、あの日の記憶が最も刻まれた作品でもあるのです。


「一天」

ところがその後、もう1曲作ることになります。
香港映画界には日本とは違う独特な文化があるようなのです。それは、映画の中に入っている音楽とは別にもう一つテーマソングを作り、映画のプロモーション用に活用するというものです。
ということで、映画が完成した後に、私があらためてプロモーション用のテーマソングを作ることになったのです。作品によっては、映画と全く関係のないミュージシャンの歌を使うこともあるのかもしれませんが、それを嫌った監督が私に依頼してくれたのだと思います。
 
歌うのは「Big Blue Lake」の主演女優Leila Tongと男優Lawrence Chou。

左:Lawrence Chou/右:Leila Tong

私が作ったオケと仮メロの音源を譜面と一緒に香港に送り、作詞家が広東語で歌詞を書き、主演2人の歌を香港でレコーディング。(東京にいた私は歌のレコーディングには立ち会っていないのです)
その後歌のOKテイクを送ってもらい、東京で私が歌をオケにミックスして完成、という制作工程でした。

広東語タイトル「一天」 英語タイトル「One day」

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