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草間小鳥子のnote

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草間小鳥子のnote記事を集めたマガジンです。
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記事一覧

【詩】ネコメンタリー「陽だまりのなか」

10月26日放送 NHK Eテレ「ネコメンタリー 猫も、杓子も。」にて、私の母である児童文学作家・…

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【詩】『今日、京都とミカと猫。2』第八話「つたえる」

今日9月5日月曜日、7月からスタートしたLINE NEWSのVISIONシリーズ『今日、京都とミカと猫。2…

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【詩】生きていない森

故人の林立する森を 風が吹き抜けてゆく かわいた思慮の風 からだはもうないのに 一度纏った衣…

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勝敗とは無縁の波

文藝春秋へ寄稿した詩が、「文藝春秋digital」様のnoteで全文公開されました。 詩への想いを…

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『文藝春秋』に新作の詩が掲載されました(勝敗のある社会について)

『文藝春秋』2022年8月号に、新作の詩「数値化されない波」が掲載されました。 10行ほどの短…

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子どもとはなす「詩とはなにか?」

 小学一年生の子どもから、こんなことを聞かれました。 「詩と文章の違いってなに?」  こ…

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なぜ、詩と声と音のユニットとして活動しているのか

わたしは、詩と声と音のユニット「Poetic Mica Drops」(以下、PMD)のメンバーです。 役者・熊谷弥香、音楽家・茂野雅道とともにポエトリーリーディング作品を制作し、映像と組み合わせてYouTubeで公開したり、ライブパフォーマンスを行なっています。 この記事では、なぜ、どうやってPMDを結成したのか、お話ししたいと思います。 現象を具現化できない誰かと一緒につくりたい、と思ったのは、2018年のことです。 前橋ポエトリー・ファスティバルのゲストとして招待し

【ちいさな詩】戦争

水がきれたら両手をあげる そのあいだ 撃ってはいけない 無理はしない 30分ごとに停戦し …

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【詩】夏のにおい

生きものが死ぬと 甘いにおいがする 夏になるとたくさん死ぬ だから空気はほのかに甘い 心地よ…

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草間小鳥子のプロフィール(2024.4.15 NEW)

詩をかいています。詩と声と音のユニット「Poetic Mica Drops」では詩を担当。 以下に、活動履…

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【ちいさな詩】雨

歩道橋は雨です 遊歩道も雨です 玄関は雨です 子ども部屋が雨です 耳の奥で 雨が降っています …

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【詩】りとら、のりだしている。

りとら、のりだしている。みてて。 愚鈍な、 しかし今朝ばかりは利発な耳は、 君の声をしか…

草間小鳥子
10年前
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【詩】天涯孤独人の独話

刹那の紅葉のち 一瞬ではらはら降り落ちた葉を踏みしめ きりのない洛陽を臨む 兄が釣ったの…

草間小鳥子
10年前
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【詩】日照雨となり

虚空に目を凝らし しじまに耳を傾け しばし歩みをとめ 地球の脈打つのに身をまかせる たちまち四肢はほどけ原子単位に分解され夕凪にさらわれる 呼気は宵のとばりに溶け 手足を授かった奇形のシーラカンスがつま弾く 46億年前の星のうたと響き合う。 カーテンをふくらませ夕餉の香りのなかを泳ぎ 光化学スモッグを纏いつつスクランブル交差点上空を突っ切り 湖水にさざ波をたて孔雀のかんむりをかすめ 歩道橋をひとりゆく女子学生のおでこを撫でる(りぼんがはためく) すれち