ⅳ・願いが生まれ出た彼方に 今井浄御さんへ返答詩 「続いていく道」

見えない風に絡まって

時が止まったように
目にした景色が白昼夢のように
永遠になる

出会いと別れを繰り返す日々の中で
通り過ぎていくそれらはまるで洪水のように
日常という流れに追いやられてそのほとんどは失われていく

残ったものはその欠片でしかないから
繋いで 紡いで 編んで

それは道になった

だからいつも何かが失われていて
あやふやで 壊れてしまいそうなほどに脆くて

幾億の星空が咲いて
幾万の木の葉が散っていくように

迷えば分からなくなってしまう

見失った道は その途中で閉ざされていて
想いが途切れてしまう

物語の続きを見たくて
抗って 踠いて

その時を待っていて
耳を澄ませて

聞こえたのは
言葉にならない声
声にならない想いだから

心はその瞬間陽だまりのように満たされて
震えた心は叫ぶように 手は伸べられて

止まった歩みは その時――また始まる
想いはもう一度鼓動する

想いは願いにすくいとられて
思い出は触れた温もりに蘇る

手と手が繋ぐように 道は描かれていく
この胸の中の想いと 彼方から舞い降りた願いが

光と闇のように出会う場所に
未来と過去が交差するから

その時過去は未来に救われていて
過去はいつだって未来を支えている

残された光を導にして 出会いと別れを編んで
願いと思いを紡いで 道は続いていくから

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