私のおじいちゃんおばあちゃん

一昨年、母方の祖母が91歳で大往生。介護なし、入院なし、昭和平成を生き切った気丈な祖母は去り際までも見事であった。 その計画性と頑固さには畏敬の念を抱くが、それら気質は私にも受け継がれている。

遺品整理の際に出てきたという写真を見せてもらうと、戦中の頃と思われるがうら若き姿で学友たちと楽しげな笑顔で写っていた。どんな時代であれど青春とは煌びやかなものだ。また写真の中には昭和中期、東京五輪の年に36歳で非業の死を遂げた伝説の男、祖父軍治の姿もあった。その時、写真を見るまで顔も知らなかった祖父、軍じい。私はおじいちゃん似であった。以前から言われたい台詞ベスト３に「死んだ爺さんの若い頃にそっくりじゃ」を挙げていた私としてはこの隔世遺伝は誇らしかった。軍じいはどの写真でも咥え煙草で写っており、まさに昭和男の肖像であった。

酒、煙草、博打、破滅的な祖父と、経済に強く投資の才覚があり男勝りな祖母。私は二人を誇りに思う。合掌。

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