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ぐでっとした日常

なにをやっても中途半端でうまくいかない日というのがある。

この間は、用意した夕飯がすべてにおいて中途半端な味だった。

そもそもが焼肉丼みたいなものをつくろうとしたのに、焼肉のタレで肉に下味をつけようととしたら、冷蔵庫にあるタレがほんのちょびっとしか残っていない。とりあえず蓋を開けて構えてしまったものだから、そのちょびっとをまず使い切り、足りなそうなところは醤油と酒とみりんとチューブにんにくとしょうがを、ほんのちょびっとずつおそるおそる足して、ものすごく適当に混ぜてなんとなく下味をつける。

というかタレの残量が足りないなら、いさぎよくそのタレは使わず、手づくり調味料のレシピを検索してみればパッと解決する話なのだ。それがついうっかり、惰性でちょびっとのタレを投入してしまったばかりに、しょっぱすぎる結果になるのをおそれてびくびく酒や醤油を足しているあたりがもうダメである。“ああきっとこれはぼやけた味になるんだろう”と自分でもなんとなくわかっている。さらにはそういう直感はだいたい当たるという経験をしてきているのに、そのまま突き進むのだから救いようがない。

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3,037字
どうでもいいことをすごくしんけんに書いています。

<※2020年7月末で廃刊予定です。月末までは更新継続中!>熱くも冷たくもない常温の日常エッセイを書いています。気持ちが疲れているときにも…

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