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note酒場の日のこと(まとまらない)

ことばにしたいような、ことばにしたくないような。note酒場の日のことはそんな感じ。

なんだかずうっとふわふわとしていて、夢のなかのようで、でも現実なんだよなあと思って、不思議な感じだった。

夜の会場で、noteで交流のある進撃の弁当屋さんとお会いしたとき、「俺、なんか変な感じですよ。ずっとふわふわしてますよ」って同じようなことを言っていて、「ですよね。わかります」って言いながら。

そのふわふわした感じを、ことばにすると、それ以上でも以下でもなくなってしまうような気がして、ちょっと嫌だ。

すくいとるものがあればこぼれ落ちるものがあるのは、いつもジレンマ。

* * *

当日の朝、福岡から飛行機にのって東京へ行った。

飛行機の出発が遅れる。13時からチケット受付のシフトに入っていたので、わー、引き継ぎ時刻にちゃんと間に合うかなあ、とそわそわ。

それでも、搭乗案内の遅れをとりもどすかのようなスムーズな離陸準備で、ジャパンすごいなあ、と思う。定刻15分遅れくらいで羽田についた。

かつては乗り慣れていたはずの山手線や東京メトロ。足早に歩く人の波に、「わー、こんなんだったっけ」とものすごく違和感を感じて、気づかないうちに福岡ナイズドされている自分に気づく。

12時ごろ、なんとか会場へたどりついた。

* * *

会場入りしてからは、13時からのシフト交代に備えて腹ごしらえをせねばと、チケット受付付近で様子をみながらいきなりバインミーをむさぼる。

バインミーおいしいなあともぐもぐしていたら、非公式note福岡meetup以降ちょいちょいお話させてもらっている池松さんが見つけてくださって、竹鼻さんヤマシタさん中野さんを紹介してくれる。

いつも画面のなかでお見かけしているひとたちが、ああ目の前に。突然のオールスターズ大集合に、到着早々、最終回感を感じるよくわからない状況。

これは夢か現実か。ふわふわ感のはじまりである。

* * *

ちなみにここまで書いて、昼から夜まですべての出会いを書いていくと長過ぎてだれも読まない記録になってしまうことに気づいた(たぶんレポ書こうとした誰もが同じように思ったに違いない)。

なのでここからは、特に心が震えた瞬間ハイライトをご紹介したい。実際はもっとたくさんお話した方はいるのだけれど、全然書ききれないので、あとはみなさんのnoteに勝手にお邪魔したりしていこうと思う。

■特に心がふるえた瞬間ハイライト

■ランチタイムの終盤、note酒場に来る決断のきっかけにもなったハネサエ.さんに会う。わたしはチケット売り場でチケットをさばきながらたまにキッチンの中に視線をやっては「きっとあの人がハネサエ.さんに違いない……」とひそかに思っていたので、彼女がチケット売り場に来た瞬間、すかさず「あ!ぽこねんです!」と名前も聞かずずうずうしく名乗った。「あー!なんでわかったの〜?!」と驚かれた。なんだかnoteやtwitterでずっと会いたい会いたい言い合っていたので、嬉しさはじけてきゃっきゃした。

■チケット受付に入っていたとき、スープ作家・有賀さんがエプロンを外して帰り支度をはじめたのが見え、「ああ、帰っちゃう!」と思って勇気を出して話しかけてみたら、わたしのことを認識してくださっていてとても驚いた。福岡から来たといったら「ええ、なんで、こんなところにいないで!もっと歩いて、人とお話しないと〜!」って鼓舞してくださって、その気さくぶりに感動した。

さらに帰り際、「よし、じゃあ……遠くから来たからね!」と言って、有賀さんの貴重な「一杯おごります券」を差し出してくださって、心どころか手も震えた。ふわふわ感が高まる。なんだろう。この空間。夢?

■事前にコメントなどでやりとりしていたあーぽにゅさんに声をかけてもらう。お子さんの体調次第で来られるかどうか、と聞いていたので、会えてよかった。「ぽこねんさんのnote、いつもおいしそうで……」と、「もっとこう、ふっくらした方かと思っていました」と言われ、これはもっともっと食いしん坊キャラに磨きをかけてゆこうと思った。

■ランチからディナーへの準備時間、ハネサエ.さんを介して吉玉サキさんに遭遇する。文章の鋭さから、きりっとした、自分にも他人にも厳しいような印象の方なのかなと思っていたけれど、実際にお会いしたらものすごく物腰がやわらかくて、優しく落ち着いた雰囲気の方だった。かたやわたしは最初に「どなたですか?」とか「お名前伺ってもいいですか?」と聞けばいいものを、すでにイベントテンションで「え、誰ですか!」と不躾に聞いてしまい、あとから反省。こういうところに育ちが出る。

■ランチタイムもディナータイムも、ピースオブケイクCXOの深津さんがフラッとやってきて、あまりにさりげなく会場内をふらついていて衝撃を受けた。勇気を出して話しかける。まず覚えていないだろうと思いながら、「昔、お題企画がはじまる前のお題実験企画で、『(離乳食の)にんじんは炊飯器で炊け』っていうnoteを深津さんにスキしてもらって、嬉しかったんです……」という、わたし以外にとってはどうでもいい話をしたら、なんと3月のことなのに覚えてくださっていてびっくりした。

しかも「ああ、あのあと僕、炊飯器なかったから、土鍋で野菜たいたんですよ。あのあとしばらく、ちょっと野菜食べようと思って」とおっしゃっていた。なんと。あのズボラ母的noteが、ピースオブケイクCXOの食生活を少なくとも1日は変えただと。そして炊飯器より土鍋のほうがよほどちゃんとしている。なんてこった。

■田村さんのチーズケーキ、ランチタイムは一瞬で売り切れて悔しかったのでディナータイムにねらっていた。同じくねらっていたサカエコウ。さんとハネサエ.さんと、食券を確保してひと安心。キッチンシフトだから後で引き換えに行こうと思っていたら「チーズケーキ、あと5個ありますー」と追加アナウンス。え、え、まさか売りさばかれる……?!と思いあわててシフト抜け出し3人分を救出。「よかった、危なかったー!」とバタバタしながら、キッチン前で頬張る。チーズケーキはわたしが知る「チーズケーキ」ではなかった。なに、あの極上のなめらかさ。

■キッチン前でおばんざいのサーブを担当しながら、キッチンプロ勢の安定感と手際のよさに見惚れる。慣れた手付きでマフィンを作り上げ、てきぱきと料理をサーブするナースあさみさん、貫禄をただよわせつつ揚げ場を守るシェフシンノスケさんホンブダイゴさん。その前で牛肉を焼き続けるさめすけさん。ものすごい安定感が漂っていた。絶対おいしい、と食べる前からわかる感じ。

日常系note同好会でゆるくつながったまこさんハネサエ.さんと3人で、「大旅そばさんに会いたいよね〜!」と、海外在住でその場に来ないことがわかっている日常系noterさんの話題で盛り上がる。日常系noter女性によるそばさんのモテぶりを改めて実感した。いや、わかる。2019年の目標は、リアルそばさんを交えて集まること。

■コメント欄でやりとりしていた進撃の弁当屋さんとお会いする。もう夜で、わたしは「あー、弁当屋さんにまだ会えていないなあ、まだかな〜」と心待ちにしていたので、会えたときは嬉しかった。なんだかお互いの脳内をよく知っているので、初めて会ったのに、1日の中で一番ほっとした。

……全然書ききれないけど、ハイライト終わり。

ひともごはんもドリンクも、贅沢すぎた。

* * *

ところで夜に来られた方に「全然積極的に話せてるじゃないですか」とか「交流慣れしているじゃないですか」的なことを言ってくださった方が複数いらしたのだが、それは虚構である。

スタッフに申し込もうと思ったのも、「せっかく福岡から行くから昼も夜も参加したいけど、絶対ずっと会場にいると居場所なくていたたまれなくなるから、スタッフという看板に守ってもらおう、仕事があれば会場にいていいという権利を得られるはずだ」というたいへんヨコシマな理由が主だ。

もともとイベント運営側にわりといるほうだったので、「イベントスタッフ」という役割をもらうとスイッチが切り替わって、元気になる。ふふ、わたしいまここにいていいんですよ、一応スタッフなんで、といえるから。

いやでも、すでにいろんな方が書かれているのだけれど、今回スタッフとしてかかわらせてもらってすごいなあと思ったのは、スタッフと参加者の垣根がほんとうにほぼなかったこと。

それがお題目じゃなく、「実際に現場で体現されていた」ことに、当日スタッフは、とくに他にイベントスタッフ経験のあるような人はみな、感動していたんじゃないだろうか。

個人的には、それはnote酒場のアカウントを運営してくださっていた主要運営チームの方々が、何度も繰り返し「ユーザーによる完全手作りのイベント」「スタッフもnoteユーザーの有志なので垣根はない」ということをアナウンスしてくれていたからじゃないかなと思っている。

理想はこうだよね、と運営陣で話していても、それを何百人という参加者にまで浸透させるのは思ったより難しいはず。

でも事前に、一度きりじゃなく、何度も繰り返しのアナウンスがあったからこそ、参加するだけのnoterさんも「スタッフも自分たちと同じnoteユーザー」という認識があって、あの場の空気につながっていたのだと思う。主要運営陣のみなさま、ありがとうございました。

* * *

ことばにしたら限定されてしまうかなと思ったけれど、ここまで書いてもまだ、十分にふわふわしている。

たぶんすくいとれていないことが多すぎて、断片的な記録にしかならなかったことを自覚しているから、いまでもふわふわしているのかもしれない。

なんだか今回は、うまいことまとめようなんてしなくていいな、と思った。

何かが完結したわけでもなく、いろんな出会いがあって、それぞれのストーリーが一瞬つながって、絡みあいながら、また新しいストーリーになっていく、その入口みたいな感じだった。

この場がどんな場だったのかは、数年後になってから初めて、わかるのかもしれない。「あれがはじまりだったよね」って。

(おわり)

自作の本づくりなど、これからの創作活動の資金にさせていただきます。ありがとうございます。