マガジンのカバー画像

エッセイはとつぜんに

212
つれづれなるままに、ひぐらし、ではないが、ときたまPCにむかひて。役には立ちませんが、何の変哲もない日常を楽しめるようにはなるかもね。
運営しているクリエイター

#夫婦

297円のサーモン。

297円のサーモン。

午前中に出かけた帰り道、たまの贅沢にひとりでカフェランチでもしてやろうかと思って歩いていた。

ぼんやり店を探しながら、駅から家の方向へ歩く。

よさげなカフェで足をとめる。

サンドイッチセット、950円。

うん、まあありなんだけど。友人と会うわけでもなく、ひとりで950円は、うん……、悩む。

たとえば漁港の海鮮丼とか、出張で訪れた土地の名物とかなら、ひとりでも迷わずいくところ。でも家の近所

もっとみる

エッセイになる気持ち

おなじみ(?)プログラマの夫が、1週間ほど前から突然、エッセイめいたものを書きはじめた。

これはわたしにとって青天の霹靂である。

いや、だって。これまで彼が書くものといえば、技術の話とか、関わっている仕事やプロジェクトの、ものっすごい細かいポイントについて説明したいがための話とか、またはこういう言葉の使い方には違和感があるとか、とにかく「伝えたい主題や思いがはっきりしている文章」が多かったのだ

もっとみる
夫婦ってやつぁ

夫婦ってやつぁ

たとえばあなたの奥さんが、あなたが連休中に5日間ほど出張だというので、「世間が楽しんでる時期にワンオペはつらいし」と、幼子を連れて奥さんの実家に1週間ほど帰ったとする。

そうして連休明けに帰ってくる。

家のドアを開けて、ただいまーと言ったところまではよかったが、中に足を踏み入れてくるにつけ、なんだか奥さんの雰囲気がすぐれない。「なんか、臭うね……」とか言い出す。台所の排水口を見て、ふう、とか静

もっとみる
ちょっとした後悔の話

ちょっとした後悔の話

基本的には「後悔しても意味がないから、反省はするけど後悔はしないよ」って言っていたい強がりタイプだとおもう。

だって「こうすりゃよかった」なんて話、なんにも生まない。後悔してる時間に、今からどうするかを考えたほうがよっぽど有意義だよ。そんな正論を自分にもふりかざしてきたし、たぶん周りにもそんな励ましをしてしまったこともあったと思う。時と場合により、まちがいじゃないとも思っている。

でも最近、そ

もっとみる
結婚記念日に、妻は夫と1歳の子を置いて

結婚記念日に、妻は夫と1歳の子を置いて

福岡から飛行機にのって、ひとりでnote酒場へ行く。ことにした。

せっかく遠くから行くなら昼も夜も参加してたくさんの方とお話したいなあ、と当日スタッフにも応募したので、17時〜19時はキッチンにいる予定だ(12/2追記:13時〜15時のチケット受付にもいます!)。もちろん撤収もお手伝いさせていただく所存。つまりは泊まりがけだ。

“なんて非情な妻/母であろうか、ありえない”と、お思いの方もいれば

もっとみる
レディースデーの肛門科に行ってみた

レディースデーの肛門科に行ってみた

いたってまじめな熱意あふれるnoteのつもりなんだが、「おしりの話なんて読みたくないわ」という方はどうか華麗にスルーしていただきたい。

さていきなり本題に入るけれど、女性で痔に悩んでいる方は、 パッと想像するよりもだいぶ多いんじゃないかと思っている。

というのも、わたしも妊娠してから初めて知ったのだが、妊娠中に起きやすいヘビーな便秘や、出産の壮大ないきみなどで、痔になったり、それが悪化したりす

もっとみる

プログラミング? なんか大事なのは知ってるけど、自分には縁遠いし。って方に質問

突然だが、わたしの夫はプログラマーだ。

小学校ですでに算数から顔をそむけがちだった“ど文系”の自分にとって、プログラミングはなんというか、「なんかすごい」のはわかるし尊敬しているけれど、「自分とは異世界」の話だと感じている。

でも、興味がないわけではないのだ。

プログラミングという言葉は、自分がこどもの頃には全然耳にしたことがなかったけれど、最近ではAIとかVRとか新しい単語とともに、その背

もっとみる
名字なんてさ。

名字なんてさ。

たとえば仮に、旧姓でのわたしのフルネームを「佐藤ぽこ」、新姓でのフルネームを「鈴木ぽこ」としよう。

結婚をして入籍届を出すと、その後いろいろな書類の名義を「佐藤」から「鈴木」に変更してゆくことになる。

その中で感じたのは「ああ、佐藤ぽこという人物はこの世からもういなくなったのだ」という、なんともいえない思いであった。

* * *

結婚前は今考えればたぶん浮かれていて、というか幸福感がまさっ

もっとみる
娘が1歳半を過ぎてから、夫のパパ成長がめざましくて感動している

娘が1歳半を過ぎてから、夫のパパ成長がめざましくて感動している

娘がまた、風邪をひいた。

昨日からすでにその兆候があったので、夜、夫と今日の動き方について軽く相談はしていた。

私はフリーランス、夫は友人たちと起業した自由度の高い会社で働いているので、娘が保育園へ行けないときはやりくり方法を相談する。

たとえば半日交代制にして、なんとかお互い、いっぱいいっぱいな状態で乗り切ったり。けれどあいにく、今日はどちらも、予定がつまっているもよう。わたしも複数人がか

もっとみる

であったーの日、おめでとう

Facebookをひらいたら、「◯◯さんとの友達記念日の動画が作成されました。思い出を振り返ってみよう!」という通知がきていた。

◯◯さんというのは夫である。

その通知をみて、「ああ!やってしまった!」と思った。

夫とは出会った翌日にFacebookでつながったので、それはつまり、昨日は出会って何年目、的な日だったということを意味していたからだ。

こう書くと、「え、結婚記念日でもあるまいし

もっとみる
無花果タルトとカフェラテの休日

無花果タルトとカフェラテの休日

一眼レフを持ってこなかったことを、ちょっと悔やんだ。

だって今日、こんなすてきなカフェに出会えるなんて聞いてない。

そんな気持ちを胸のうちに押し込めて、涼しい顔をよそおって、なるべく優雅なふりをしていちじくのタルトを口に運んだ。

* * *

「今日か明日、ちょっと休んだら? なんか最近、すごく疲れてる」

自分よりよっぽど忙しい夫に、そんなことを言わせてしまった先週末。いや、でも確かに最近

もっとみる
カフェと海と南国気分(たまには、夫婦で)

カフェと海と南国気分(たまには、夫婦で)

ひさびさに夫とふたりで過ごせる日を捻出して、海へ行った。

私が海へ行きたいと言ったのだ。

先月のわたしの誕生日には娘がまさかの入院となり、自分たちも体調を崩してなかなか大変な日々であった。ようやく日常を取り戻したいま、遅めのバースデー企画で希望を叶えてもらうことになった。

福岡市内の家から、車で1時間ほど。糸島へ向かう。

道中、ランチに行くお店を検索する。

普段ならば和食大好き、海辺なら

もっとみる
「どうだった?」の回答にあらわれる男女差(なのか教えて)

「どうだった?」の回答にあらわれる男女差(なのか教えて)

たとえば初めての美容院へ行き、家族から「お店、どうだったー?」と聞かれたら、あなたはなんと答えるだろうか。

これについて、我が家では夫婦で確実に回答がわかれる。なので今日はそのようすをここに書いてみる。

もしできたら、これが男女差なのか、男女関係なく単に個人の性格の差なのか検証してみたい(興味本位だ)。

だからもし、あなたの貴重な1分を提供いただけるのなら、以下のnoteを読んで、「わたしの

もっとみる
猛暑日はことばで遊んで涼をとる

猛暑日はことばで遊んで涼をとる

私「あーー、あづい」

夫「暑いねぇ」

私「うん、暑いよ。はぁ……、暑い」

車を降りて、炎天下を店の入口まで歩くわずか数分のあいだ、もう何度も「暑い」を繰り返している。

暑いと言ったところで涼しくなるわけでもない。そんなことを自分でも十分わかっているのに口から自動的に出てきてしまうほど、暑い。

* * *

「だめだ、不毛だとわかっているのにもう『暑い』しか出てこない」

私がそう言うと、

もっとみる