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Amazon JPでの酒類事業・医薬品事業・ダッシュボタンの立ち上げ等を経て、Pocochaにジョインしました|入社エントリ

Pococha Teams

初めまして、角口建と申します。新卒でユニリーバ・ジャパンに入社後、約10年のマーケティングキャリアを経て、2013年にAmazon JPにジョイン。その後、Amazon JPで酒類事業・医薬品事業・ダッシュボタンの立ち上げなどをリードし、2022年、Pocochaにプロモーション事業開発担当責任者としてジョインしました。

今回は、Pocochaを選ぶまでのストーリーと、僕がPocochaで担うミッションをお話しさせていただきます。

酒類事業を立ち上げ、数百億円規模の事業に成長

僕がAmazon Japanに入ったのは2013年で、当時のAmazonに対する世間の認識は「ネットの本屋でしょ?」くらいのものでした。AWSもほとんど知られていませんでしたし、社員数も1000人に満たないくらい。まだまだベンチャー企業らしい勢いのあるカルチャーが残っていた時期です。

そこで最初に入ったのが消費財事業部というところで、雑貨や医薬品、化粧品といったスーパーやコンビニで売っているような商品を扱っている部門でした。今だとAmazonのEC事業の中でも大きな売り上げを占めているところです。

当時のAmazonは展開した各リージョンで取り扱いカテゴリーを増やし、品揃えを拡張している時期でした。各カテゴリーの市場規模は算出できていたので、そこをどうあけていくか?という問題を解くことが自分のミッションでした。そこでまず僕は、酒類事業の立ち上げを行いました。酒類の販売は許認可事業であり、一筋縄では市場を開けられないという理由で残っているジャンルでした。法律のハードルの高さゆえに、当時AmazonはUSでも酒類を取り扱っていない状況。スタンダードがない中でプロダクトマネージャーという立場から、日本側のオペレーションを手探りで構築していきました。

まず、酒類の倉庫のオペレーションを独自で開発することが必要でした。Amazonの倉庫は、商品を棚からピックアップした後は、ほぼ自動で倉庫内をベルトコンベア上を動き回り、人の手に触れないまま出荷されていくようなオペレーションが組まれています。しかし、お酒の場合はその過程で瓶が落ちて割れてしまうリスクがあります。なので、酒の瓶はジップロックのような袋に入れてベルトコンベアで流したり、配送時には緩衝材を多く入れるようにしたり、瓶専用の段ボールも開発して、とにかく瓶が割れないようなオペレーションを構築していきました。

日本で最初にアマゾン倉庫から出荷されたお酒はモエシャンドン

また、酒類の免許取得にはかなり厳しい制約があり、今までマーケティング畑にいた僕は手探りで酒税法を勉強しながら、日々リーガルと議論を重ねていきました。前例のないシステム処理の上、日本のシステム要求や法律に合わせるのが難しく、許認可を得るのは時間がかかりました。入社してすぐに法律やAmazonの組織構造、システム構造などを全て理解しないといけなかったのは、なかなかハードなことでしたが、結果、今では酒類は数百億円規模の売上を生む事業となっています。

医薬品事業の立ち上げ、再び数百億円規模の事業を生み出す

次に担当したのが、同じく許認可事業である医薬品事業です。

2014年に当時の薬事法が改正され医薬品のネット販売が許可されて、Amazonでも販売することになりました。厚労省から免許を取得しないと販売ができないので、必要な要件を満たしていくのですが、厄介だったのは販売には薬局が必要だという点です。当時Amazonには世界中に実店舗が一つもなく、実店舗(薬局)を作る必要性を社内で認めてもらうところから始めました。免許の許認可は自治体の保健所に任されているのですが、法改正の直後ということもあり、申請しようとしても「前例がないのでダメです」の一言で断られてしまう。このため免許取得まではかなりの時間がかかりました。

医薬品事業の立ち上げに携わったメンバー

加えて、医薬品の情報提供を薬剤師が行う必要があったため、新たに薬剤師が常駐するコールセンターも設立しました。医薬品の製品情報も常に最新で正しいものにする必要があり、自前でデータベースを構築し薬剤師による管理を厳密に行う体制を作りました。求められる要件や困難も多くありましたが、すでに酒類事業で一定の経験を積んでいたおかげで、プロジェクトが上手く進められるようになっていたのは幸いです。医薬品も同様に、数百億円規模の事業に成長しています。

ダッシュボタンの日本導入と撤退。「あくまで支社である」ことの歯痒さ

また、消費財事業部の業務と並行して、2016年からはダッシュボタンの日本導入にも携わっていました。

Amazonには「我々はモノを売っているのではなく、お客様の購買判断の手助けをしているのだ」という考え方があるのですが、たとえばビールやおむつなど普段よく買う物を毎回Amazonのサイトまで行って購入画面まで進んで……というのはお客様にとっては「できればしたくない体験」であり、そこをボタン一つで自動販売機のように購入できる仕組みとしてダッシュボタンが開発されました。

USで初期検証が終わったあと、JPで誰が担当するかという話になり、biz-dev的な要素でいえば消費財のチームが最も関わりがあるということで声がかかりました。ダッシュボタンは、Amazonの既存のEC事業とはだいぶ構造の違うもので、当時「ビジネスの仕組み自体を考えたい」「事業を一人で動かしてみたい」と思い始めていた自分にとってはとても魅力的に感じ、責任者として手をあげました。

ダッシュボタンは、デバイスにWi-Fiが搭載されているため原価が高く、利益構造上多くの部分をメーカーからの広告費に依存する形になっていました。名だたる企業にコミットしてもらうために商談を重ね、日本のビジネスは利用率や利益構造上の数値も他国を上回っており、一見上手くいっているように思えました。しかし、結果としてはローンチから3年後、2019年にグローバルで撤退となります。

グローバルのダッシュボタン開発チーム

シアトルまで行って「日本のビジネスは順調だし、持続可能性がある」と説得しましたが、「ダメだからやめたのではなく、戦略的な意思決定としてやめたのだ」ということで、結果は変わりませんでした。今後はダッシュボタンのリリース当時より大きな成功を収めていたアレクサのビジネスにリソースをシフトする、というのがAmazonの考えでした。

このときに限らずですが、外資系で働いていて抱いたのは「結局、日本支社でしかない」という感覚です。大きなビジネスに関われる一方、プロダクトに関わる意思決定や初期の仮説検証は本国で行われる。「一から事業を作りたい」という気持ちがあった私は少し歯痒さを感じていました。

その後、Prime Video事業部に異動してPrime Video Channelという新規事業の立ち上げや、マーケティング担当として「バチェロレッテ・ジャパン」に関わったり、グローバル組織に異動してAlexa Shoppingの責任者としてインターナショナルローンチを担当したりしました。

その頃には僕は入社9年目となり、Amazonでは、EC事業を始め、Prime VideoやAlexaなど社内で経験できる様々なビジネスを一通りやりきったような思いがありました。それと同時に、Amazonは当時すでに大企業になっていて、人もリソースも潤沢にあり、会社として「出来上がってしまった」ように思えて、自分の成長速度が落ちていくような感覚もありました。次第に転職を考え始めるようになったのがこの時期です。

Amazonでは挑戦できなかった「日本発の、グローバルプラットフォームをつくる」というミッション

僕が転職時に抱いていた想いは、以下の三つです。

①新規事業開発をやりたい
②日本発でグローバルスタンダードになるサービスを作りたい
③急成長の環境下で仕事をしたい

まず、①の「新規事業開発をやりたい」ですが、例えばAmazonでは新規事業であるダッシュボタンでさえも、すでにプロダクトがあって、ユーザー体験の設計も済んでいる状態からのスタートでした。そうではなくて、「誰の、どんな課題に向き合うのか」や「それをどのように解決するのか」という部分からビジネスを作ってみたいという想いがありました。

また、気がつけば自分が使っているサービスで日本発のものはない日常の中、せっかく作るのであれば自分たちが開発したサービスを世界中の人たちに使ってもらいたいという気持ちから②の「日本発でグローバルスタンダードになるサービスを作りたい」と考えるようになりました。

しかし、一時期コンサルとして日本の大企業のお手伝いをさせていただいたことがあるのですが、グローバルを目指せるような大企業になればなるほど、新しいものを考えることや作る機会というのは少ないことも実感していました。③の「急成長の環境下で仕事をしたい 」という気持ちを強めていく中、ある日Pocochaからのダイレクトメールが届いたのです。

まず驚いたのは、サービス規模の大きさでした。

くわしくはカルチャーデックをご覧ください

正直、ライブ配信の売上がこんなに出ているという認識はなく、このドメインがここまでスケールするのかという点に興味を惹かれました。また、日本発のtoCサービスがすでに海外進出していることも驚きでした。

話を聞いていく中で、Pocochaであれば「日本発の、グローバルプラットフォームをつくる」という僕のミッションに挑戦できる、という確信を強めていったのです。

Pocochaで実現する「事業構造の変革」というミッション

僕にとって、とても大きな入社のモチベーションとなったのは、「事業構造の変革にチャレンジしてほしい」という一言でした。以下2点が特にチャレンジングな部分だと感じています。

①0→1の新規事業開発
例えばこれから関わっていく部分としてライブコマースがありますが、ここが面白くもあり難しくもあるのは、今まで「単なるライブコマースは、日本では規模が拡大してこなかった」という状況にあるということです。

一方でPocochaでは、今までのライブコマースとは異なる「コミュニティ・コマース」を成立させる実験をしています。そういうビジネスをどう作るのか、作っていけるのか、という部分は世界的に類を見ない挑戦で、とてもワクワクしているところです。海外でうまくいったことを輸入するのではなく、自分達が0→1で新しいことを試せるところが魅力であり刺激的な部分だと思っています。

②本気でグローバルスタンダードとなるサービスを作りにいく
日本発のスタートアップでグローバルを目指しているところは他にも多くありますが、グローバルスタンダードを目指そうとしているサービスはなかなかありません。というのも、ECやゲームなどのドメインは、すでに海外に巨大な競合サービスが存在していて、ニッチは取れてもスタンダードとなるのは難しいからです。

一方、ライブ配信はまだまだドメイン自体が発展途上であり、市場を独占しているような巨大な競合は存在しません。ライブ配信の文化を広めることからやっていかないといけない難しさはありますが、同時にPocochaが日本発でグローバルスタンダードとなる可能性もあるということです。

昔のAmazonを彷彿とさせる、急成長する組織

Pocochaにジョインした理由の一つに、良い意味でチームメンバーに日本企業や大企業らしさを感じなかったこともあります。Pocochaは、ブリッツスケーリングを掲げて、日本企業ではなかなか類を見ないような、急激な事業・組織の成長に挑戦しています。

Pocochaのbiz-devを担うチームメンバー。まだまだスモールチームです

また、スタートアップ的な運用をしながらも、大企業の中だからこそできることとして、大胆にキャッシュを使っているのも面白いところです。その様子や雰囲気は、かつて自分が入社した頃の、ベンチャーの雰囲気が残っていたAmazonを彷彿とさせました。

実際入社してみて、Pocochaはとても恵まれた環境だと感じています。出自がマーケティングなこともあってか、自分のやったことや作ったサービスで相手の行動や気持ちが変化していくことにとてもワクワクするのですが、リスナーにもライバーにも「かけがえのない居場所」を提供しているPocochaでは、それを確かに感じることができます。

最後に、もしこの記事を読んで興味を持った人がいれば、ぜひ話しましょう。このような環境で日本発のグローバルプラットフォームを作りたいと考えている人がいれば、ぜひPocochaにジョインしてほしいと思っています。

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