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#9 〖発明ではなく、革命。〗

 企業の現状を打破するために、一から考えることから始める発明ではなく、既存のものを組み合わせることで新しいものを生み出すということはとても勉強になりました。そして自分の子供世代のことを考えながら仕事をしていらっしゃる渡邊さんは、とてもかっこいいと感じました。自分の長所を生かしながら誰かのために頑張るのはとても素晴らしいことだと思いました。

 私たちは、Filament, Inc.の「渡邊貴史」さんにインタビューさせていただきました。

Q1.今、どのようなチャレンジをされていますか?

会社としてやってる最大のチャレンジっていうのは、大企業向けの新規事業開発及びオープンイノベーションを定着させることです。事業開発が上手くいかないことが課題となっています。オープンイノベーションというのは、社内の知識を結びつけるんじゃなくて、社内と社外を結び付けることによって新しいものを生み出していくことです。だからゼロから作り出す「発明」とは全く別物なんです。「発明」ではなく、既存に対して「革命」を起こすことで、もっといいものができるんじゃないかと考えています。新しい物事を取り込んでいく、そのためにはマインドセット(経験、教育、先入観などから形成される思考様式、固定概念)なども変わっていかないといけないので、そこで関わってくるのが働き方などだと考えています。そして、その仕組みづくりを会社としてどうしていくかが課題だととも捉えています。それをやることで、大企業さんの流れが変わると同時に我々としてもボランティアではないので、収益化していくことも考えなければなりません。そこのバランスをもってしてビジネスを成り立たせていくことが最大のチャレンジだとも考えています。

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Fig.1 オープンイノベーションとは?
(参照:https://eiicon.net/about/openinnovation.html)

Q2.今しているチャレンジが未来をどう形作っていくと考えていますか?

自分たちの子供が二十歳になった時に、日本が楽しい世界になっているように、僕たちおやじたちがその環境を作っていかないというところに重きを置きつつ、そうなるための流れとして、現在は後進育成にも傾注しているところです。例えば、大企業はものすごいアセット(資産)やリソース(経営資源。ヒト、モノ、カネ、情報、時間、知的財産など)を持っています。彼らが持っているアセットやリソースを、開かれた世界で中小企業やスタートアップなどいろんな会社に使わせてあげるっていうのも一つのオープンイノベーションなんですよ。この新しい組み合わせを生み出していくことで経済環境を少しでも発展させ、分かりやすい目標として、自分の子供が二十歳になったときに、その子供たちが日本にいて楽しいか、豊かに過ごせるか、ということが実現できることに繋げていきたい、と考えています。この双方をやっていくことでもっと豊かな社会をぼくらは作っていきたい。

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Q3.二十歳に戻れるとしたら未来に向けて何がしたいですか?

企業の支援、今のように参謀的なことですかね。私は今サポートしている企業の社長さんのように、「これがしたい」というアイデアがそれほど正直出てこないんです。一方で社長さんたちの「これがしたい」ということに対して、磨きをかけることはすごく上手になったんで、そこの部分で関われる会社の数を増やしたい。年を取ると体力的にできる仕事の量、幅が制限されてしまうんですよ。若かったらその分多くの会社とかかわれる。もっと幅広にやりたいっていうのがあります。

Q4.今までで会った素敵な人を教えてください。

たくさんいるんだけど、僕にキャリア的な目線をガッて開いてくれたのは、京大の准教授だった仙石慎太郎」さんですね。その方は間違いなく僕の人生にチャンスを与えてくれて、ものの見方を教えてくれて、ものすごく偉大な先生ですね。本当に頭が上がらないです。どんな場面でも師匠って言ってしまうくらい師匠ですね。

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(インタビュー風景:左下が渡邊貴史さん)

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渡邊さん、インタビューありがとうございました!
インタビューを受けて、IG-FARMメンバーの感想です。

(Fujinuma)
私は「オープンイノベーション」と聞くと、まだまだ大企業の周囲での話のように感じていました。しかし、日本の中小企業は「各社で分業」「元請けと下請け」というスタイルが未だに根強く残っているため、中小企業こそ、『自前の限定的な(超特化的な?)スキルをどのように次の時代にFITさせていくのか』という課題は多いと感じています。しかし、目線を変えれば、日本の中小企業は『たくさんの知恵や経験の宝庫』。渡邊さんはそういった材料を上手に生かして、美味しい料理に仕上げてくれるシェフのようにも見えました。そして、我々のように、次の世代を担う若手の育成に目を向けていることは、とても心強いと思いました。

(Ohno)
過去・現在のモノ・サービスの流れがベースにあって、ぼくたちは生きることができていて、そこからいきなり新しいモノが登場するのではなく、マイナーチェンジを繰り返しながら、世の中に定着するものが置き換わっていく。そこには必ず、何かと何かの結びつきがあります。それを、適切な言葉でわかりやすく教えてもらえた気がします。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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渡邊 貴史(2020/6/19)

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