見出し画像

武道館に思う

今日の朝刊コラム《中日春秋》が、昨日の安倍元首相の国葬について書いている。

爆風スランプの『大きな玉ねぎの下で』の歌詞を引用しているので、Apple Musicで聞いてみた。
そうそう、こんな切ない失恋の歌だった。

携帯電話の登場以来、待ち合わせの行き違いが歌やドラマに使われなくなった。
同じようにライブチケットも、今ではコンビニ発券の記名式かスマホでチェックインだ。
ロビーを確認するもしないも、QRコードは送ったのか、身分証明は顔付きどうか、事前に確認することあるから。

ところで昨日の国葬。
賛否どちらにも言いたいことあるけど、今日それは置いといて、良かったことだけ話そ。

菅さんの追悼の辞、改めて全文を読んで心を揺さぶられた。
それはなんやかんや抜きで、人と人、安倍さんと菅さんお二人の固い友情を感じたから。
そして何より、伊藤博文に先立たれた山縣有朋の歌が菅さんの思いを代弁しているようで。


かたりあひて 尽くしし人は 先立ちぬ 
今より後の 世をいかにせむ


国葬には心から賛成ではなかったけど、この歌のエピソードを聞けただけで充分だ。
いいお式だった。

ところで、武道館へは一度しか入ったことがない。
爆風スランプでも浜田省吾ライブでもなく、豊田章一郎氏の講演で。

娘の高校でPTA役員をやっていた関係で、全国大会に参加することになった。
その会場が武道館で、豊田氏の基調講演を聞いたのだった。
十数年前の講演は、内容も思い出せなくなってしまったけれど、それより印象に残っていることがある。

全国大会は基調講演の他にもいくつかプログラムがあったのだが、アトラクションの高校生バンドの演奏がよかった。
かなりレベルの高い子たちだった。

そして演奏後の挨拶で、彼女たち泣いていて。
それもそのはず、武道館で演奏するなんて、ビートルズに始まり相当ビッグでないとできないことなのだ。
そんな夢が、叶ってしまったことが嬉しいと、泣いていた。
観覧席の私たちも泣いた。

青春って、アオハルって、いいなぁ。

さて、武道館と言えば武道をする館なわけで、剣道やってた私にとっても憧れの場所だ。

武道館は、武道特に剣道に向いてるところだなと思う。

静寂の中、御手洗四段の面が決まった瞬間の、竹刀の音、響く声、「面アリ」と告げる審判と赤い旗3本。

いやぁ我ながらカッコいいー!

おっといけない、想像の世界を旅してしまった。
四段はイメージで実際は二段だし。

あの場所で竹刀を持ったことはない。
県大会止まりだったから。

若いころ練習台をしていたスポ少の子たちが全国大会に出場して、お土産に買ってきてくれた手ぬぐいは今も大切に持っている。

また武道館に行くことなんて、あるかな。
もしあるとしたら、私にとって格別の日だろうな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?