前虎後狼Workation旅;小樽文学館にて(街で★深読み)
小樽でのワーケーション中、多少は歩きまわってもいたので、《街で★深読み》的探偵団報告もしたいと思います。
丘珠空港到着が午前10時前だったので、昼前には小樽に到着してしまった。早起きして強行軍で来たので朝メシも(機内で提供されたロール1個以外)食べていない。
小樽の駅ビルには小さな寿司屋が1軒、バーガーキングが1軒あり、ここは小樽、当然寿司 ── ではなく、実は私、日本でモスバーガー、海外で《Whopper》が大好物なのです。
欧米ではバーガーキングは存在感があり、マックは安物イメージなのですが、残念ながら日本でははマックに完全に負けているらしい。
しかし、小樽はどうだ! 駅前にマックの姿はなく、駅舎にバーガーキングの出店 ── ヨーロッパ的、は言い過ぎか。
お前は以前、朝マックの記事を書いたじゃないか、と非難されそうですが、散歩で(息絶える前に)到着できる範囲には、モスバーガーもバーガーキングもないからなんです。
ここは(10年ぶりぐらいに?)《Whopper》を食べるところでしょう! とセット注文。ポテトにはケチャップ。
なるほど。米国時代は感じなかったけれど、やはりマックに比べて値段が高く、しかも、《Whopper》は(もちろん、Jr.を頼めばいいのだが)かなりでかい。
巨大サイズの米国人にはいいけれど、この「過剰サイズ」が日本で苦戦している原因かもしれない。
ホテルは15時まで入れない、というので、仕事ができる場所はないか、と地図で探したところ、すぐ近くにありました ── 《小樽文学館》!
前記事で、廃線になった《手宮線》の線路が残っている、と書きましたが、色内駅のホームと駅舎も残っていて、文学館はその正面にありました。
結論から言うと、ここを臨時ワーケーション場所に選んだのは正解でした。
入館料300円を払って入ると学習室か休憩室のような部屋があり、無料Wi-Fiを使わせていただき、ソファに腰をおろして2時間余り、仕事ができました。
ここは、小樽ゆかりの作家の作品や資料が集められています。私も時々、肩をコキコキ右手ニギニギ動かしながら、館内を散策しました。
多喜二は工場で働きながら学校に行かせてもらいますが、自宅近くの小樽築港には、いわゆる労働者の「タコ部屋」がいくつもあったそうで、彼の文学の原点でしょう。
小樽で育ったという縁で、文学館では「蟹工船/党生活者」Tシャツを¥3,000で売っていました……。
でも、デザイナーには申し訳ないですが、このTシャツを着て街を歩きたい、と思う人がどれくらいいるか……。
「ハンマー&鎌」マークの印象も最近どうでしょうか?
小林多喜二の肖像写真や当時の小樽港風景と「蟹工船」文字との組み合わせデザインの方がいいんじゃないかな……。
ちなみに、作家関係で私の好きなTシャツは:
小林多喜二Tシャツも、デザインを工夫すれば売れると思うんだけどな……。
秋田角館の文学館に行った時に太宰治「人間失格」Tシャツを売っていましたが、この4文字が大きく書かれており、これはこれで着て歩くのをためらいそうです。
この文学館の(たぶん)目玉は伊藤整の書斎(小樽でなく、東京の、ですが)をそのまま持ってきている部分です。
うーむ。「蟹工船」や「党生活者」は昔読んだけど、伊藤整は読んでいないなあ……と思いつつ、彼のコーナーでこの人が北海道生まれで小樽育ちだとわかりました。
伊藤整は、小説家としてよりも、戦後、ローレンスの「チャタレイ夫人の恋人」を訳してこれが大ヒットし、かつ、わいせつ文書として押収されて裁判になったことで知られています。
また、「文学界」新人賞で石原慎太郎の「太陽の季節」を強く推して受賞させたのもこの人だそうです。
その石原慎太郎も子供時代、父親の仕事(山下汽船)の関係で小樽に6年半住んでおり、文学館には彼のコーナーもありましたね。
文学館には2時間半ぐらいいましたが、その間の来館者は5人ぐらいでした。
これまでに聞いたことのない名前の劇作家で、地元小樽で活躍した方にかなりのスペースを使っていましたが、こういう「地域ナショナリズム」、私は好きですね。
「(国家)ナショナリズム」より、かなり好きです。
この続きは……
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