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コンサルティング業界における時代の流れとコンサルタントに求められる能力

一般的なプロジェクトフロー

コンサルといっても色々な種類のコンサルがあって、人それぞれやっていることは違います。
私は、「戦略コンサルティング」という分野に近く、プロジェクトとしては、
「①タスク設計を行う」→「②資料への落とし込む」→「③クライアントへ説明する」→「④クライアントの考えを理解し軌道修正する」というフローを繰り返すことで、最終的なアウトプットを提出することが多いです。

<プロジェクトのフロー>
① タスク設計
・プロジェクト全体の方向性や進め方を設計し、クライアントにアウトプット及びアウトプットに至る流れをイメージいただくとともに、チーム内の作業の方向性を示します
② 資料の作成
・客観的で説得力のある仮説をもとに、各種データを積み上げていきます
・パワーポイント、エクセル、ワードの全てを使いながら、クライアントが一番分かりやすい方法で資料を作成します
③ クライアントへの説明
・②で作成した資料を使用して、クライアントへの説明を実施します
・ミーティングでクライアントに全てを細かく説明する時間はあリません。情報を取捨選択し、今伝えるべき事項を的確に伝えてクライアントと資料の目線合わせを行います
④ クライアントの考えを理解し軌道修正
・③における、クライアントの意図を的確に掴む必要があります
・クライアントの意図がわからない場合には、「こういう理解でいいですか?」としっかりと確認を行うことが重要です

各フローにおける作業時間

上記の各フローに要する作業時間をまとめてみました。職位の呼び名は会社によっても違うかと思います点、ご了承ください。

<各フローにおける作業時間割合と担当者>
① タスク設計:10%(マネージャー層がメインで作業)
② 資料の作成:80%(アナリスト層がメインで作業)
③ クライアントへの説明:5%(アナリスト層、マネージャー層)
④ クライアントの考えを理解し軌道修正:5%(アナリスト層、マネージャー層)

ご覧の通り、「資料の作成」に多くの時間を要していることがわかります。

コンサルティング業界におけるこれからの時代の流れ

これからの時代、テクノロジーで代用できることが多くなります。
また、単純作業に関しては、テクノロジーの進化中は、割安な「外注先」への業務委託が増えていき、マンパワーを要する作業に関してはコンサルティングファームが自社で行うのではなく、低単価で外注先が作業を行います。

コールセンターがインドやフィリピンに設置され、各国のコールセンターの仕事を奪っていったように、コンサルティング業界でも、「タスク設計」がなされた後の作業は、海外の外注先や、国内の外注先(フリーランス等)への外注が進みます。

日本でのコンサルファームのアナリスト時間単価が5万円だとすると、コンサル出身のフリーランスが、例えば時間単価5,000円で作業を請け負います。
成果物の良し悪しで外注契約が続くか否か判断され、また、インターネット上での評価も透明化が進むため、成果物もある程度クオリティの高いものが期待できます。

このように、コンサルティングファームにおける価値は、最も時間のかかる「資料の作成」ではなく、「いかにタスク設計をうまく行うのか」、「いかにうまく成果物やチームメンバーを束ねられるのか」という点へとよりシフトしていきます。

コンサルティングファームで身につけるべき能力

コンサルファームで生き残る場合も、転職を考える場合も、以下のベーススキルは、コンサルティングファームにいる間に身につけてください。きっと、今後のキャリアに活きる能力だと思います。

<コンサルファームで身につけるべき能力>
・タスク設計能力
・説明力
・コミュニケーション力(取りまとめ力)
※資料作成能力は、当然必須

一方、コンサルティングファームでの最初の業務は、「資料の作成」業務です。
「資料の作成」は、数をこなしていけば自然と身についていく能力だと思うので、ある程度資料を作成できる能力がつけば、「タスク設計やらせてください」「クライアントへの説明を任せてください」ということで、どんどんステップアップしていってください。

なお、「資料を作成することが大好きだ」という方は、コンサルティングファームで資料作成力を極め、フリーランスとして独立する事もありだと思います。
そして、フリーランスとして業界内での評価向上に努めることで、時間単価をどんどん上げて、いつでもどこでも楽しみながら資料を作れる環境で仕事ができます。
コンサルファームで身につけた資料作成の「型」というのは、あなたが思っている以上に価値のあるスキルです。

以上

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