見出し画像

処女を捨てたい男①

「女装に興味があるんですが、自分では何から始めて良いか分からなくて。。」

そんな相談を受けた。


どんなに可愛い女装男子でも、

生まれた時から「女」をしている純女とは、「女歴」が違う。


純女でさえ常に試行錯誤で「女」をしてるのに、

生まれた時に「男」だった女装男子など、「女」を装うのに分からないことばかりで当然だ。


・・・・・・・・・・・・・・・


まれにこうして、「女装」に関して相談を受けることがある。

そんなときは「女」の先輩として

出来る限りの手伝いをすることにしている。


努力して可愛いくなろうとする者は、

性別はどうであれ「同志」なのだ。


・・・・・・・・・・・・・・・


「普段、どのくらいの頻度で女装するの?」

私が訊くと、

「女装サロンで月イチくらいです。」

と彼は答えた。

「そこでメイクは全部やってもらって、服もそこで借りています。」


女装が完了したら、そのまま外出するらしい。


他の男がサロン利用した時、ついて行ったことがある。

そのとき、やはりプロのメイクは仕上がりがキレイだと思った。


「それで、自分で女装するのは月に何回くらい?」

自分でメイクしたことは無いです、と彼は言った。

「それじゃダメだねー。“女装は一日にして成らず”だよ!」


セルフメイク初心者の彼を連れて、ドラッグストアへ買い物へ行った。


・・・・・・・・・・・・・・・


お金をかければ良い化粧品が買えて、キレイになる近道ではある。

だが彼に関しては、「自分でメイクすることを継続できるかどうか」が不安だった。

オススメのコスメはたくさんある。

しかしまずはお金を掛けずに基礎化粧品を揃え、本当に基本的なメイク道具だけを揃えてみて、それ以降は彼のやる気次第でバックアップしていくことにした。


・・・・・・・・・・・・・・


化粧水と乳液の使い方すらも、よく知らなかった。


「サロンでメイクしてもらってるんでしょ?どうしてその時に覚えようとしなかったの?」

と訊くと、

寮に住んでいてメイク道具を置く場所が無い。同じ寮の人に女装趣味がバレたく無い。そういう理由があって自分でメイクすることは無いと思っていたから、覚えようとしていなかった。

と、彼は言った。

「そっか、じゃあこれから覚えようね」と、化粧水と乳液のトラベルパックをカゴに入れた。

お試しで始めるなら、この量からで十分だ。


・・・・・・・・・・・・・・・


下地とファンデーションは、ある程度お金を掛けたかった。

ベースメイクは一番大事だ。


その他、必要最低限のアイテムはチープコスメで揃えた。

アイブロウとチーク、リップは、100均でも良いと思った。


彼は20代前半だった。

少し触っただけで、肌の水分量が多くキメが細かいのがわかった。


・・・・・・・・・・・・・・・


買い物の後にメイクレッスンをする予定になっていた。

メイクをするとなると、100均に行く時間がなかった。

そこで今回は、私の私物を使って補うことにした。


以前他の、女装のためのアドバイス希望の男に会ったことがある。

そのときはメイクするためにカラオケボックスへ行ったのだが、

明るさを最大にしてもメイクするには暗かった。


そのときの反省を生かし、今回はホテルにした。


・・・・・・・・・・・・・・・


「じゃあ始めよっか。まず、顔を洗ってきて。」

洗面台へ向かう彼に

前髪、ちゃんと上げないとダメだからねーと声をかけた。


「顔、全部出すの恥ずかしいっす、、」

気持ちはわかるが、しっかりメイクするには髪は邪魔でしかない。


ヘアバンドでしっかり髪をあげた彼に、

化粧水の使い方からベースメイクまでの流れを教えてあげた。


コンシーラーにひどく感激していた。

「めっちゃキレイに跡消えますね!!!」

ニキビ跡が気になっていた彼は、普段から使えそうだと喜んでいた。


・・・・・・・・・・・・・・・


「やっぱ難しいっすね、、」

それでも懸命に覚えようとしていた。

サロンのメイクみたいにはいかないが、なんとか形になった。


最後にウィッグを被る。

「自分では持っていない」と彼がいうので、

もう使わなくなった私のウィッグを持って来ていた。


ウィッグは女装の命だ。

「ほら〜!可愛くなった!!」

私はこの瞬間が味わいたくて、女装の手伝いをしているようなものだ。


「せっかくだからコレ着なよ」

着ていたニットを脱ぎ、着けていたイヤリングを貸してあげた。


「あ・・・可愛い・・かも。。」


彼はとても嬉しそうだった。鏡の中の自分を嬉しそうに眺め、何枚も写真を撮った。

その姿を見て、私も嬉しかった。


「・・・それで、あの、僕。。」

「何?」

「女の子の格好をすると、その、、」

「・・・?」

「興奮しちゃって。。勃起がおさまらなくなっちゃうんです。。」

「・・・は!?・・・もしかして、今も???」


触ろうとする私を慌てて阻止したが、無駄だった。

相当興奮しているのがわかった。












サポートお待ちしております♡